今日から始めるモバイル決済

みずほ銀行、Apple Pay対応の「Mizuho Suica」開始 従来のSuicaと何が違う?:口座からチャージ

» 2018年08月01日 16時26分 公開
[田中聡,ITmedia]

 みずほ銀行と東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)は、Apple Payを使った新たなモバイル決済サービス「Mizuho Suica」を8月1日に提供開始した。

Mizuho Suica 東日本旅客鉄道 常務執行役員 野口忍氏(左)と、みずほ銀行 常務執行役員 向井英伸氏(右)

 iOS向け「みずほWallet」アプリからバーチャルなSuicaカードを発行でき、Apple Payで利用できるカードとして追加できる。対象機種はiPhone 7/7 Plus、iPhone 8/8 Plus、iPhone X、Apple Watch Series 2、3。対応機種とみずほ銀行の口座を持っていれば誰でも無料で利用でき、発行手数料や年会費も無料。書面での申し込みも必要ない。なお、みずほWalletはアプリ、旧みずほ銀行アプリをバージョンアップしたもの。

 みずほ銀行の口座から直接チャージができるため、いわば「デビットカード」のように利用できる。チャージはApple Payに登録しているクレジットカードや、店舗の端末を使って現金でも行える。1回あたりのチャージ金額は1000円〜1万5000円で、2万円までチャージできる。

 チャージした電子マネーを使い、他のSuicaと同じくIC乗車券として使ったり、買い物の支払いに使ったりできる。従来のApple Pay Suicaと同じく、「エクスプレスカード」として登録すれば、支払時にTouch IDやFace IDなどで認証する必要はなく、スピーディーに改札通過や決済ができる。なお、エクスプレスカードに登録できるカードは1枚なので、これまでApple PayでSuicaを登録している場合は、Mizuho Suicaに変更する必要がある。

Mizuho SuicaMizuho Suica まず、みずほWalletアプリから、みずほ銀行の口座情報を登録してカードを発行する
Mizuho Suica 口座から直接チャージができる
Mizuho SuicaMizuho Suica 8000円ある状態から500円を支払うデモ

 従来のApple Pay Suicaと違い、残高が不足している状態で改札にタッチすると電子マネーをチャージしてくれる「オートチャージ」には対応しない。Suicaアプリとは連携しておらず、Apple Payのプラットフォームで動いているため、みずほWalletアプリから定期券、グリーン券、モバイルSuica特急券を購入することはできない。プラスチックのSuicaカードからデータを移行することもできない。

 みずほ銀行 常務執行役員の向井英伸氏は、「決済端末を設置して支払いができる店はある程度充実しているが、実際は高額決済にはクレジットカードを使い、少額決済では(Suicaの)プラスチックカードを出したり財布から現金を出したりして、手間を感じている人は多い。若い人を中心に、クレジットを使いたくないという人もいる」とサービス提供の背景を話す。

 こうした課題を解決すべく、JR東日本とタッグを組んでMizuho Suicaを開発した。なお、みずほウォレットアプリは大日本印刷が開発を担当しており、決済やポイントなどのサービスを一元管理する「DNP モバイル Walletサービス」を活用している。

Mizuho Suica
Mizuho Suica 店舗に決済端末がある前提だと、キャッシュレス決済を手軽に利用したい人にはスマートフォンが、クレジットカードを利用したくない人にはデビットカードや電子マネーが適していると話す。Mizuho Suicaは、こうしたニーズを兼ね備えているというわけだ
Mizuho Suica
Mizuho Suica Mizuho Suicaの特徴
Mizuho Suica みずほ銀行の向井氏

 Mizuho Suicaは、クレジットカードを使っておらず(あるいは使いたくなく)、現金を使っている人、現金でSuicaにチャージをしている人に向いている。ただ、従来のApple Pay Suicaと比べ、「銀行口座から直接チャージできる」以外のメリットは乏しい。オートチャージをはじめとする機能面での制約も多いため、クレジットカードを連携させてApple Pay Suicaを既に使っている人が、Mizuho Suicaに乗り換えるメリットはあまりない。キャッシュレス決済の選択肢が1つ増えたと考えた方がいい。

 みずほ銀行は、Android向けに「スマホデビット決済」を提供しているが、こちらは支払い手段にQUICPay+を採用している。Mizuho SuicaはiOS向けスマホデビット決済という位置付けで、支払い手段にSuicaを採用しているのが違いだ。

 OSによって決済手段が違う点について、向井氏は「決済方法はこれがゴールだと思っているわけではない。将来のことは話せないが、決済手法は広げたい。(Androidと)共通の支払い手段を提供することを目指したい」とコメントした。利用場所をさらに広げる上で、iOS版もQUICPay+に対応することに期待したい。

 Android向けみずほWalletアプリは現在20万ダウンロードを記録しており、今後はiOSを合わせて100万ダウンロードを目指したいとのこと。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月11日 更新
  1. ダイソーで1100円のノイキャンイヤフォン「TWS009」を試す 騒音カットの効果は実感も電池持ちに課題か (2026年10月09日)
  2. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  3. スマホの「実質価格」高騰の恐れ、iPhone 18 Proは2倍高く? 総務省の残価設定ルール厳格化は“誰のため”か (2026年10月10日)
  4. ダイソーで1100円の「GaN USB充電器」は折り畳みプラグで外出用に持ち歩きやすい 45W出力対応でPCでも使える (2026年10月10日)
  5. 10月1日から楽天モバイルの「au 4G LTEエリアローミング」が縮小も意外と残っている件 (2026年10月10日)
  6. 「iPhone 18 Pro Max」を試して分かった進化と課題 想像以上に“使えた”可変絞り搭載カメラ (2026年10月09日)
  7. ドコモが「Google Pixel 10a(256GB)」を11万6930円に値上げ 2年7万円台に (2026年10月09日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. 「iPhone Duo」は閉じても開いても迷わず使える Appleが提示するUIの設計思想 (2026年10月10日)
  10. 楽天グループ、1億件超の会員情報流出説を否定 「情報漏えいが発生したという事実は確認されておりません」 (2026年10月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー