ノッチの見た目には賛否両論あるが、アプリを使う上で不都合は感じていない。iPhone Xに最適化したアプリは、当然ノッチで設定メニューが欠けないよう調整されているし、ディスプレイのアスペクト比が19:9と縦長になった分、SNSやブラウザで表示できる領域は拡大された。
iPhoneで撮影した写真は4:3、動画は16:9の比率で保存されるので、再生したときにコンテンツの一部が欠けることはない(上までめいっぱい拡大すると、当然欠けるが)。動画のストリーミングも16:9のコンテンツが大半なので、問題ない。
コンテンツが画面の端まで広がる様子は、没入感が得られて心地よい。筆者はケースを着けているので額縁が厚くなってしまったが、狭額縁の没入感を楽しみたければ、ケースは着けない方がいい。逆に「Plus」(iPhone 7 PlusやiPhone 8 Plusなど)よりもコンテンツの表示サイズが小さくなってしまったことには不満を覚えた(→iPhone Xの画面サイズは「Plus」より大きい?小さい?)。
一方、これは長く使わなくても明確に不便と分かる点だが、ノッチの影響でピクトエリアに表示できる情報量が減り、バッテリー残量(%)を確認するには、画面右上をスワイプしてコントロールセンターを表示させる必要がある。もう慣れてしまったが、やはり一手間増えるのはマイナスだ。他社だと、ノッチはあるけどiPhone Xよりは小さく、バッテリー残量もピクトエリアにしっかり表示できている機種は多い。iPhone Xの後継機では、ノッチを狭めるか、表示できる内容をカスタマイズできるなどの改善を期待したい。
iPhone Xの目玉機能であるFace IDは、とても便利に使えている。Touch IDだと指の状態によって認証できないことが多かったが、Face IDの認証率は高く、Touch IDのときのように認証できなくてイライラすることは減った。
先述の通りiPhone Xを握るだけで画面が点灯し、その後、自動でFace IDが動作してロックが解除されるので、ユーザーの操作は下から上にスワイプするのみ。個人的には、このスワイプすら省く設定があれば、さらに手間が省けていいと感じた。
一方で不便に感じたシーンが2つ。1つは、多くの人が指摘しているが、マスクを着用していると認識しないこと。Face IDは登録した顔全体を見ているため、鼻や口元が隠れるマスクだと認識してくれない。マスクをしているときは、下にずらして認証する必要がある。
もう1つが「寝起き」。スマホを目覚まし時計として使い、朝起きたら、すぐにスマホを見るという人は多いと思う。しかし、寝ぼけ眼で画面を見ても、目が完全に開いていないため、Face IDで認証されないことが多い。仕方ないので、眠い目を無理やりカッ! と開いて見るようにしているが、なかなかつらい。いや、目が覚めるのでよしとしよう。
Face IDもTouch IDも万能ではないので、両方とも使えるのがベストだ。次期iPhoneでセキュリティ機能がどんな進化を遂げているのかは注目したい。
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