「nuroモバイル」がサービス改定 月300円〜のお試しプランも その狙いは?

» 2018年10月02日 10時59分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソニーネットワークコミュニケーションズは、10月1日からMVNOサービス「nuroモバイル」の料金プランを改定した。

nuroモバイル 「nuroモバイル」サービス改定のポイント

 ドコモ回線については、これまで2GBから10GBまで1GB刻みでプランを提供していたが、新プランでは0.2GBの「お試しプラン」、2GBの「Sプラン」、7GBの「Mプラン」、13GBの「Lプラン」の4プランに集約させる。月額料金はデータ専用の場合、お試しプランが300円、Sプランが700円、Mプランが1500円、Lプランが2700円。SMS付きだと月額150円、音声通話付きだと月額700円がプラスされる。

nuroモバイル ドコモ回線の新旧プラン

 ソフトバンク回線については、これまで2GBか5GBの2プランのみだったが、新プランではドコモ回線と同様に4プランを提供する。月額料金はデータ+SMS付きの場合、お試しプランが500円、Sプランが980円、Mプランが2300円、Lプランが2980円。音声通話付きだと月額700円がプラスされる。

nuroモバイル ソフトバンク回線の新旧プラン

 いずれのプランも、セット端末「Xperia XZ Premium」向けに提供している、専用帯域を用いてアップロードが使い放題の「プレミアム帯域」と組み合わせられる。

 容量チャージの料金も変更する。従来は100MBあたり400円、500MBあたり600円、1GBあたり1000円だったが、新プランでは1GBあたりドコモ回線は600円、ソフトバンク回線は900円とする。ドコモ回線は400円、ソフトバンク回線は100円の値引きとなった。

 ソニーネットワークは10月1日に説明会を開き、モバイル事業部門 ビジネス開発部 部長の細井邦俊氏が新プランの狙いを説明した。

nuroモバイル nuroモバイルの事業を率いる、ソニーネットワークの細井邦俊氏

 nuroモバイルは、2018年10月でサービス開始から約2年を迎えた。細井氏はプラン変更の背景について「(MVNO事業へ)最初に参入したときは(最新サービスをいち早く使う)イノベーターやアーリーアダプターが中心だったが、丸2年たった現在、MVNO比率は(携帯ユーザー全体の)11%を超え、(ユーザー数は)1800万近くいる。マジョリティーがMVNOを使ってみようと、興味を持ってもらえるようになった。とがったサービスも重要だと思うが、安心してお申し込みいただけるよう、メニューを変更した」と話す。

nuroモバイル MVNO比率が11%に達し、マジョリティー層の利用が増えつつある

 旧プランの申し込みは圧倒的に2GBが多く、次が3GB、その次が7GBという状況だった。従来の1GB刻みのプランは、細かなニーズに対応できるというメリットはあったが、メニューが多するため「もう少しシンプルにしてほしい」という声もあったという。そこで4つのプランに絞り、細かな容量ニーズには1GBごとのチャージで応じるようにした。最大容量はLプランの13GB。これまでは10GBが最大容量だったが、MNO(大手キャリア)を中心に30GBや50GBのプランが増えてきていることから「もう少し容量が欲しい」という声があったため、増量した。

 旧プランと比較すると、2GBのSプランは旧2GBプランと同じ料金で、7GBのMプランは、ドコモ回線だと旧7GBプランより200円値下げされている。

nuroモバイル 旧プランの利用動向。2GBプランの申し込みが圧倒的に多い

 新プランでもう1つ特徴的なのが、0.2GBで300円からというお試しプランを用意したこと。これは文字通り、試しにMVNOサービス(格安SIM)を使ってみたいという人向けのプラン。「MVNOはまだちょっと不安という人に対して、導入しやすいメニューを作った」と細井氏。お試しプランは音声SIMでも最低利用期間(12カ月)が設定されておらず、いつ解約しても解約金は発生しない。さらに、お試しプランからS、M、Lプランに乗り換えても、最低利用期間が引き継がれる。

nuroモバイル お試しプランには最低利用期間がないので、気軽に利用できる

 “お試し”ということで機能は抑えられており、パケット繰り越し、パケットギフト、データ前借りには対応していない。プラン変更は無料で行えるが、S、M、Lプランからお試しプランには変更できない。

 月間のデータ容量を超えると通信速度は制限されるが、この制限値は、お試しプランは他3プランよりも厳しく設定されているという。3日間の通信量が一定値に達した後の速度制限は、お試しプランは実施しないが、他のプランでは実施する。詳細な数値は非公表だが、「1人あたりの帯域が急激に増えている。少数のお客さまが使って、一般の人のスピードが出ないということが起きており、通信の公平性に欠けている」(細井氏)ことから実施している。

 お試しで使えるSIMといえば、毎月500MBまでは無料の「0 SIM」もあり、こちらも引き続きサービスは提供している。細井氏は0 SIMとの違いについて「0 SIMはサービス品質にバラツキが出ているが、お試しプランは標準プランと(通信速度の)制御は変えていないので、スピードが出る」と話す。また、お試しプランはnuroモバイルを解約せずに、S、M、Lプランに移れるため、0 SIMとはサービス設計が異なる。

 一方、これまで提供していた5時間使い放題のプランや、午前1時〜6時の5時間は高速通信を無制限で使える「深夜割」は、新規申し込みを停止している。ただ、今後同様のプランを提供しないというわけではないようで、「2年近くたって、時間割の本当の品質と提供価格、5時間が本当に良いのか悩んでいる。改めてきちんと出した方がいいと思うが、今回はメニュー変更のみに集中した」(細井氏)とのこと。

 セットで契約できる端末(スマートフォン)のラインアップも拡充し、新たにシャープの「AQUOS sense plus」、モトローラの「moto e5」「moto g6」「moto g6 plus」、Huaweiの「P20 lite」、ASUSの「ZenFone 4 Max」「ZenFone 5Q」「ZenFone 5」を扱う。これに伴い、現在はXperia XZ Premiumでしか利用できないプレミアム帯域オプションを、他の端末に拡充することも検討しているとのこと。

nuroモバイル セット端末のラインアップも拡充する

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