カメラの仕様は、アウトカメラが1210万画素でインカメラが800万画素だ。暗所でも明るく撮影できる他、白飛びや黒つぶれを防止するオートHDR、背景ぼかしのポートレート撮影、キャラクターと一緒に撮影できるAR機能など、最近のハイエンドスマホではおなじみの機能をとりそろえている。短時間触っただけだが、オートでも室内や夜景をきれいに撮影できた。
ちなみに、PixelからGoogleフォトへ2022年2月1日までにアップロードした写真や動画は、元の画質のまま無料かつ容量無制限で保存できる。
Pixel 3 XLのカメラのもう一つの特徴は、撮影時のプレビュー画面の長押しや、Googleアシスタントの画面から起動できるGoogleレンズだ。書類やメニューから文字を検出して検索結果を出す他、翻訳、電話発信、経路検索といったアクションを利用できる。気になるアイテムがどんな商品かを検索する機能もある。
これらカメラで撮った被写体の認識機能自体は、他メーカーでも既に採用しているが、標準機能としてカメラに搭載されていることと、Googleの各種検索サービスを結び付けていることが利便性を高めている。日本語対応はようやく始まったばかりなので、今後さらなる進化を期待できそうだ。
この他、Pixel 3 XLは本体両側面を握って操作するActive EdgeでGoogleアシスタントを起動できるなど、Googleのサービスへより簡単にアクセスできる接点を多く持っている。
中でも純正のQi対応(最大10W)ワイヤレス充電台「Pixel Stand」は、Pixelのアラームやマナーモードと連動するだけでなく、Google アシスタントのGoogleフォト、Google Playミュージック、スケジュールなどの情報を見やすく表示し、スムーズに利用できる独自のコントロール機能を搭載している。ちなみに、市販のQi対応ワイヤレス充電台では、Pixel 3 XLを充電できるだけで、これらのコントロール機能は利用できなかった。
単純に高性能スマートフォンとしてPixel 3 XLを見た場合、他社製品と比べて明らかに優れた部分も劣っている部分もあまり見当たらない。現行の最新ハイエンドスマホの中では平均的なモデルだ。その一方で、11万9000円(Google Playストア価格)からという価格は割高に感じるかもしれない。
だが、普段の生活のほとんどをGoogleに頼っている人や、今後のGoogleの動向が気になっている人にとって、Pixel 3 XLほどGoogle各種サービスを使いやすく、さらにGoogleがAndroidスマートフォン全体をどういった方向へ進めたいのかを体感できる端末はない。Googleが目指す、スマートフォンの在り方を体験したい人にとっては買いの端末だ。
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