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» 2018年10月16日 20時09分 公開

CEATEC JAPAN 2018:顔と手のひらを見せるだけ KDDIと日立が「手のひら決済」を披露 課題はスピード?

キャッシュレス決済の新しい形が生まれそうだ。KDDI研究所と日立製作所が共同開発している「てのひら決済」では、顔と手のひらを認証させるだけで決済できる。KDDIが開発した掌紋の画像認証技術と、日立が開発した掌紋向けPBI技術を活用している。

[田中聡,ITmedia]

 キャッシュレス決済を行うには、スマートフォンやクレジットカードが必要だが、それすらも不要にし、手ぶらで決済ができる仕組みを、KDDI総合研究所と日立製作所が開発している。CEATEC JAPAN 2018のKDDIブースでデモを行っている「手のひら決済」では、タブレットで顔と手のひらを認証させるだけで決済が完了する。つまり、顔と手のひらがお財布代わりになるというわけだ。

手のひら決済 店舗に備え付けのタブレットで、購入したい商品を入力
手のひら決済 決済方法で「手のひら決済」を選択
手のひら決済 まずは顔を認証
手のひら決済 続いて手のひらを認証
手のひら決済 これで決済が完了

 手のひら決済には、KDDIが開発した掌紋の画像認証技術と、日立が開発したPBI技術を活用している。PBIとは「Public Biometrics Infrastructure(公開型生体認証基盤)」のこと。生体情報から電子署名を自動生成するので、電子署名に必要な秘密鍵をカードやパスワードなどで管理する必要がない。生体認証の度に、電子署名に必要な秘密鍵を都度抽出し、生体情報は復元困難な公開鍵に変換して照合されるため、漏えいリスクを最小化できる。

手のひら決済 スマホのカメラで撮影した掌紋から秘密鍵を抽出し、電子署名を生成する

 PBI技術では、(静脈パターンなど)生体情報の揺らぎをある程度補正して本人を認証できるが、カメラに手のひらをかざすと、手の開きや照明環境によって揺らぎが大きくなってしまう。そこで、複数の掌紋画像を生成することで、より正確に認識できるようにした。さらに、写真や動画などを使ったなりすましを防ぐために、ディープラーニングを活用した生体検知技術も開発しているとのこと。

 2社は掌紋認証技術とPBI技術を組み合わせ、掌紋画像の「位置ずれ補正処理」と「揺らぎ低減処理」技術を開発。これらの処理を行うことで、スマホやタブレットのカメラだけで手のひらと顔の認証が可能になった。専用装置は不要なので、店舗側にとっては低コストで、かつ安全に本人を確認できることがメリットといえる。

 まずは顔と生体情報をスマホから登録。その後、店舗に設置してあるタブレットに顔と手のひらを写して、事前登録したものと照合すれば、決済が完了する。最初に顔から対象者を絞り込み、掌紋も認証することで、より正確な認証が可能になるというわけだ。クレジットカード、キャリア決済、口座引き落としなどの決済手段はあらかじめ指定しておけばよい。

 こうした手のひら決済では、顔や手のひらの画像照合などでデータ通信を行うが、認証は「一度で成功することは難しい」(KDDI担当者)ため、高速通信や低遅延の方が望ましく、LTEよりは5Gの方が相性はいい。デモを見る限り、認証のスピードは速いとはいえないが、これは通信環境の問題というより、認証精度の問題といえる(担当者が話すように、何度か認証に失敗していた)。セキュアな方法であることは分かったが、認証スピードをどこまで高速化できるかにも注目したい。

手のひら決済 KDDIは「5Gで変わるくらし」の一環として、手のひら決済を紹介している。
手のひら決済 手のひら決済の概要

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