Pixel 3とEssential Phoneの使い勝手や性能についても軽く比較していきましょう。
スペックや完成度は、ほとんどの面でPixel 3が勝っています。Pixel 3は色鮮やかな5.5型のフルHD+(1080×2160ピクセル)有機ELディスプレイにフロントステレオスピーカー、防水・防塵(じん)やおサイフケータイにも対応。日本のSIMロックフリーのAndroidスマホとして見た場合、最高クラスの性能と機能を持ったモデルです。
Essential Phoneはベゼルレスの5.71型QHD(1312×2560×ピクセル)液晶ディスプレイを搭載しています。Pixel 3より大きいですが、Essentialにとって初のスマホということもあり、使っていくと完成度の面で不満が出てきます。重量185gと重く(Pixel 3は148g)、操作時のバイブの振動が荒い、高負荷なゲームなどを動かすと音に時折ノイズが入る、内蔵スピーカーはスペック表だとステレオだが実質モノラルで低音質、シャッター音が不必要に大きいなど、スペック表には出てこない一昔前の低価格スマホのような不満があります。
処理性能はPixel 3が最新のSnapdragon 845に4GBメモリ、Essential Phoneが1世代前のSnapdragon 835と4GBメモリを搭載しています。本体価格を考えるとEssential Phoneは最新でないにせよ高性能なプロセッサを搭載しています。いずれもハイエンドクラスの処理性能に加えて、ストレージも両方ともUFSクラスの高速なものを搭載しているので、一般的なアプリの動作速度では違いをあまり感じません。
違いが出てくるのはGPU性能を必要とする高画質3Dグラフィックのゲームが中心です。総合ベンチマークのAnTuTuでも、グラフィックで特にOpenGL 3.0以上のAPIを活用するテストではPixel 3のSnapdragon 845が有利な結果を出しています。ただ、Pixel 3を使っていると他社のSnapdragon 845搭載モデルと比べて放熱性能が弱いのか、熱で動作が遅くなりやすいという印象もあります
カメラはPixel 3シリーズが1220万画素のアウトカメラと、広角・標準の800万画素インカメラをとにかく使いこなして高画質化やポートレート機能を実現し、最新ハイエンドスマホのカメラといえる品質を実現しています。Essential Phoneは1300万画素デュアルカメラと800万画素インカメラですが、理想的な明るさの場所を除くと、高感度撮影時の画質やラチチュードの広さ(ダイナミックレンジ)などでPixel 3には及びません。
ここまで2モデルについて見てきましたが、日常で長期間使うスマホとしては、高くてもPixel 3がおすすめです。3年というAndroid OSのアップデート期間の長さに加えて、普段の利用で気になる細かい動作やカメラ画質も満足できる品質に達しているからです。同じスマホを長く使う人なら、少々高くなってもドコモ、ソフトバンクで端末の故障・紛失の補償を付けて使うのもありでしょう。
一方、Essential Phoneはこれから2年以上使うとなると、短いOSアップデート期間に加えて、細かい品質の面で不満点が出てくるでしょう。ですが、短期間でスマホを買い換える人が趣味的に使う分には楽しいモデルです。今どき珍しいチタンフレームと背部のセラミックパネルのボディーは、やや重たいながらも愛着がわいてきます。背面に搭載されたアクセサリーポートも、Essentialが発売予告しているハイレゾ対応アンプが実際に商品化されるのかも含めて話題性もあります。懐に余裕のあるスマホ好きや、短期間での買い換え前提なら購入を考えても良いのではないでしょうか。
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