「ギガ超え」「大規模障害」「海外データローミング」――2018年のモバイルデータ通信を振り返る5分で知るモバイルデータ通信活用術(2/3 ページ)

» 2019年01月21日 09時00分 公開
[島田純ITmedia]

ソフトバンクが大規模障害 こんな時はどうする?

 201812月6日、ソフトバンクの4G LTE通信サービスで全国規模の大規模障害が発生しました。約4時間にわたって、「ソフトバンク(SoftBank)」「Y!mobile」両ブランドの4G LTE携帯電話の他、同サービスを利用している「おうちの電話」「SoftBank Air(一部契約)」も正常に利用できくなりました。平日の日中時間帯に発生した大規模障害ということで、ビジネス・プライベートで影響を受けたという人も少なくないでしょう。

 筆者もY!mobileと、ソフトバンク回線を利用するMVNOサービスを契約しています。当日、致命的な影響があったわけではありませんが、障害が発生していることはしっかりと確認できました。

障害発生中 デュアルSIMで片方にY!mobile、片方にソフトバンク回線MVNOサービスのSIMカードを入れておいた端末。12月6日の通信障害中はともに圏外表示に

 この障害の発生原因は、ソフトバンクに通信設備を提供しているEricsson(エリクソン)の技術的なミスであることが明らかにされていますが(参考記事)、今回は「障害が発生した際の対策」を考えてみます。

復旧後 同じ日の18時過ぎに復旧。アンテナピクトも正常に

 地震や大雨などの災害や大規模停電が発生した後の障害とは異なり、今回のソフトバンクの障害は障害が発生している事実を認識するのが難しかったことが特徴です。

 障害の発生原因や内容を巡っては、誤った情報が拡散しやすいことはもちろんですが、障害の影響を受けているユーザーはそもそも、特に障害発生直後は「どういった障害が発生しているのか?」という正確な情報を把握することが難しくなります

 モバイル通信自体に障害が発生した場合は、代替手段としてモバイル通信以外の通信手段を使って情報収集することが考えられます。最も簡単なのは、街中にある公衆Wi-Fi(無線LAN)スポットを使う方法。Wi-Fi経由で接続することで、正常に稼働するデータ通信手段を得られます。

 Wi-Fiを使ったインターネット接続サービスは主要なカフェ(喫茶店)チェーンの他、駅構内や公衆電話ボックスのそば、コンビニエンスストアの店頭……など、結構いろいろな場所にあります。最近だと、外国人旅行客の利用も見込んでか、自治体が提供する無料Wi-Fiサービスもあったりします。

駅でのWi-FiコンビニでのWi-Fi 地下鉄の駅(写真=左)やコンビニエンスストア(写真=右)にも、公衆Wi-Fiが整備されている

 ただし、モバイル通信に障害が発生すると、公衆Wi-Fiサービスも通信できなくなる可能性があることもあることには留意しましょう。というのも、バックボーン(後方通信)にモバイル通信を使っている公衆Wi-Fiサービスもあるからです。

 今回のソフトバンクの障害はあくまでも4G LTEネットワークにおける障害だったので、NTT東日本・西日本から回線を借り受けて提供する「SoftBank 光」は問題なく通信できませんでした。一方で、「SoftBank Air」の一部回線は4G LTEネットワークを利用しているため、今回の障害の影響を受けてしまいました。

 SoftBank Airの一部と同様に、公衆Wi-Fiサービスの中にはバックボーンにソフトバンクの4G LTEネットワークを利用するものがありますが、今回の障害ではこれらも通信できない状態であったと考えられます。

 そのため、可能であれば自分が使っているキャリア(のグループ会社)以外がバックボーンを提供している公衆Wi-Fiスポットを把握しておくことをお勧めします。

公衆電話の上にも 公衆電話の上にも公衆Wi-Fiスポット。写真の「CHIYODA Free Wi-Fi」(東京都千代田区)は、NTTブロードバンドプラットフォームのインフラで構築されている

 あるいは、自分が契約しているキャリアとは異なるキャリアのSIMカード(回線)を予備として用意しておくのも手です。普段は使わないなら、プリペイドSIM、あるいは段階制料金プランのSIMカードで良いでしょう。

 別のキャリアの回線を用意しておくことも、立派な“リスクヘッジ”になるのです。

 一方で、今回の障害のように端末側がネットワークに正常に接続できなくなる障害が発生すると、スマホやタブレットのバッテリー持ちが急速に悪化します。その場合、端末を「機内モード」にすると余計なバッテリー消費が抑制できます。

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