世界を変える5G

「5GはAndroidだけ」 MWC19で感じたQualcommの強いメッセージ:MWC19 Barcelona(1/2 ページ)

» 2019年03月01日 11時51分 公開

 2017年のMobile World Congressで、Qualcommを含む関連各社合同で発表した「5Gローンチを2020年から2019年に1年前倒しする」宣言から2年――。ついにその時が到来したMWC19 Barcelonaは、「5G」を看板に掲げる各社最後のアピールの場となっている。「約束は果たした」というQualcommだが、実際、2019年から2020年にかけての携帯ネットワーク事情はどうなるのだろうか。最新の動きをまとめてみた。

Qualcomm MWC19 BarcelonaのQualcommブース

下準備は完了、最新製品は2020年リリースに向けた第2世代へ

 同社はMWC 2019開催初日にあたる2月25日(欧州時間)に報道関係者向けの説明会を開催し、現時点での5Gアップデートを発表している。

 基本的には2018年12月に米ハワイ州マウイ島で開催された「Snapdragon Summit」の内容から大きな変化はないが、その際に発表されたSnapdragon 855は既に30以上の製品で採用されたことがアナウンスされている。また、商用製品を含むプロトタイプの数々が計7社から持ち寄られ、MWC展示会場のQualcommブース内でSub-6やミリ波によるライブデモが実施されている。

 まだ公式な登場タイミングは明らかにされていないものの、これらの製品の多くは2019年中に市場投入されることになり、当初うたわれていた「2019年内(スマートフォン製品での)商用ローンチ」という公約は果たされることになる。

Qualcomm 米QualcommのCristiano Amon社長
Qualcomm 2018年12月に発表された5G対応のSnapdragon 855は既に30以上の機種で開発が進んでいる

 そういった形で、今回Qualcommから発表された内容の多くは2020年をターゲットにした製品開発に向けた「下準備」といえる製品や技術の数々だ。Snapdragon 855は、同社の「Snapdragon X50 5G modem」と組み合わせることで5G通信に対応するが、2020年前半の商用製品投入を目指した統合型5Gプロセッサが発表されている。詳細スペックが不明なため言及しにくいが、現時点で未発表のSoCコアと組み合わせることで、より少ないチップ点数で、安価により自由な小型軽量デザインでのスマートフォンや関連デバイス開発が可能になる。

 同様に、2018年12月のマウイ島で発表されたエンタープライズPC向けプロセッサ「Snapdragon 8cx」についても、当初のLTE対応に加え、5G対応のデザインが公開されている。5Gのローンチ都市の少なさやカバーエリアの問題、そしてSnapdragon搭載Always Connected PCの広がりの少なさを考えればまだ需要は少ないと思われるものの、「全て5G Ready」をアピールする上で同社にとって重要なステップなのだろう。

Qualcomm 詳細は不明なものの、2020年前半ローンチをターゲットにした製品向けの統合5Gプロセッサを発表
Qualcomm 2018年12月に発表されたエンタープライズPC向けプロセッサ「Snapdragon 8cx」の5Gモジュール統合版が登場

5GはSub-6とミリ波の両方でカバー

 5G以降に追加される新しい帯域にSub-6(6GHz帯以下)とミリ波(30GHz以上の高周波数帯)があるが、従来とは電波特性が大きく異なるため、当初はカバーエリア拡大に非常に苦慮することが予測されている。ブースのデモンストレーションで紹介されていたのは「Sub-6のみ」「ミリ波とSub-6両対応」の2種類で、(例えば中国向けはSub-6中心など)市場ターゲットに合わせた色づけがなされている。

Qualcomm 2019年商用ローンチのロードマップは変わらず。Sub-6とミリ波の両軸で対応を進める

 ライブデモでも「5Gならでは」をアピールすべく、4K動画のストリーミングを行った他、低遅延をアピールすべく「Steam」でストリーミング配信される格闘ゲーム(ソウルキャリバー6)で対戦を楽しめるなど、いろいろ工夫されているようだ。

 ただ、展示会場で気になったのはルーター製品の多さだ。今回Qualcommはスマートフォンを主にフィーチャーしている関係で、25日の発表会でも家庭やオフィスなどに設置するためのFixed Wireless向けの据え付け型ルーター(CPE:Customer Premises Equipment)の5G対応レファレンスデザインが紹介されたのみだ。

 今回のMWC19 Barcelonaで多方面から聞こえてきたのは「5Gの高速性を生かした固定回線の置き換えで、いわゆるラストワンマイル向けソリューション」を求める声だ。実際、Huaweiなどの通信会社向けソリューションを提供する企業のブースでもCPE向けのルーター製品が展示されており、モバイルが増えると同時に、従来までは光ファイバー施設でまかなわれていたブロードバンド需要の一部が5Gで置き換えられていく可能性を感じた。

Qualcomm 現状Qualcommで提供されている5G用チップと搭載製品群。発表会等ではほとんどフィーチャーされないが、ルーター製品も多い
Qualcomm 5G用モデムとしては最新世代のSnapdragon X55
Qualcomm こちらはミリ波用アンテナモジュール
Qualcomm 展示会場ではパートナー7社の5G対応スマートフォンがフィーチャーされ、それぞれライブデモが行われている
Qualcomm このように展示機ごとにアンテナが設置されている
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月06日 更新
  1. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  2. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  3. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  4. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  5. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  6. JALモバイルはなぜIIJに加え「ahamo」を選んだのか? JALとドコモが明かす“ホワイトレーベル”の狙い (2026年10月05日)
  7. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
  8. 【ワークマン】3900円の「防水ワールドウォークバックパック」 リュックやトートバッグ、ポーチになる (2026年10月05日)
  9. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  10. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー