2018年10月、米国の大手キャリア「Verizon Wireless」が世界で初めて5G(第5世代移動体通信システム)の要素技術を取り入れた商用通信サービスを開始した(参考記事)。2019年には、日本を含む複数の国で、トライアル(試験提供)を含む5Gの商用通信サービスが始まる予定となっている。
米国太平洋時間の1月8日から11日まで米国・ラスベガスで開催されている「CES 2019」では、これから5Gが“やってくる”ことを感じさせる展示がいくつか見られた。この記事では、米Qualcomm(クアルコム)と米Intel(インテル)の展示を簡単に紹介する。
自社の「Snapdraon 855」プロセッサと、組み合わせて使う5Gモデム「Snapdragon X50」を組み合わせた5Gモバイルデバイスが30超登場することを発表したQualcommのブースにある5Gコーナーのテーマは「THE REAL 5G(ホンモノの5G)」がテーマ。5Gが実用フェーズに入ったことを意識した展示が複数見られた。
Verizon Wirelessの5G NR(5G New Radio:5Gの商用通信規格)ネットワークを使った動画のストリーミング再生デモでは、Snapdraon X50とミリ波(mmWave:30GHz超の電波)に対応するアンテナ「QTM052」を搭載した5Gスマートフォンのプロトタイプが用いられた。
ブースではSnapdragon X50を搭載する5Gスマホや5Gモバイルルーターも展示された。
スマホはOPPOの「Find X」、vivoの「NEX」、Xiaomiの「Mi Mix 3」の5G版(NEXのみプロトタイプ)が展示された。いずれも、2018年12月に中国の大手キャリア「China Mobile(中国移動通信)」が行った5Gサービスに関する説明会で披露されたものだという。
5GモバイルルーターはChina Mobile、米Netgear(米AT&Tを通して販売)、米Inseego(Verizonを通して販売)の各1機種が展示された。中でもNetgearの「Nighthawk(ナイトホーク)」は米国の一部地域で提供を開始しているものだ。
さらに、このブースでは米AT&Tの5G NR回線を使ったxR(VR【仮想現実】やAR【拡張現実】)のデモも行った。ITmedia PC USERの記事「なぜ5Gのデモは『VR・ARが人気』なのか」にもある通り、5Gの実力を一番“分かりやすく”示せるからだと思われる。
QualcommブースにはVerizon MobileとAT&Tの5G基地局用のアンテナが臨時設置された。前者は28GHz帯、後者は39GHz帯と、両者ともにミリ波(付近)の帯域で通信を行った。
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