Intelは1月7日(米国太平洋時間)、2019年後半にモバイル端末用の5G(第5世代移動体通信システム)モデムと、5G基地局向けのプロセッサ「Snow Ridge(開発コードネーム)」の供給を開始することを発表した。同日に発表されたノートPC向けCPU「Ice Lake(開発コードネーム)」と同様に、いずれも10nmプロセスで製造される。
Intelが投入する5Gモデムは、2018年2月に発表済みの「XMM 8000 series」。発表段階で「2019年後半に搭載PCが登場する」という旨を発表していたので、ロードマップ通りに進捗(しんちょく)したことになる。
同モデムを搭載するPCは、Dell、HP、LenovoやMicrosoftといった主要なPCメーカーから登場する見通しだ。
Snow Ridgeは、Intelとしては初となる基地局向けのプロセッサ。
同社はモデム(端末)と、ネットワークコア・データセンター(クラウド)用のプロセッサ(「Atom」や「Xeon」)は手がけていたものの、その「間」を取り持つ基地局向けのプロセッサには進出していなかった。
5Gでは、基地局あるいはその付近にデータサーバを置き、配信の効率化を図る「エッジコンピューティング」が普及すると想定される。また、従来はハードウェアが担っていたネットワークの制御をソフトウェアで代替する「SDN(Software Defined Network)」が本格的に利用されるようになる。
Snow Ridgeは、エッジコンピューティングとSDNに向けて開発したプロセッサで、同社が5Gを契機として通信回りに本腰を入れるという「意思表示」でもある。2014年時点で“0%”だった基地局向けプロセッサのシェアを、2022年までには40%まで成長させる計画だという。
発表会でのデモでは、複数の通信が発生する仮想環境で合計100Gbpsほどのトラフィックを問題なく処理する様子が披露された。
(取材協力:Consumer Technology Association)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.