「人材開発」が発祥!? ソフトバンクのRPAはこうして生まれた(1/4 ページ)

» 2019年03月22日 15時00分 公開
[井上翔,ITmedia]

 昨今、企業の業務を効率化する手段の1つとして「RPA(Robotic Process Automation)」が注目されている。RPAは、自動進行するソフトウェアロボットに業務を代行してもらう、というソリューションの1つだ。

 RPAソリューションを提供するベンダーは複数ある。通信キャリアのソフトバンクもその1社で、「SynchRoid(シンクロイド)」というRPAソリューションを法人向けに販売している。

 このSynchRoidは他のRPAソリューションとは「生まれ」が違う――そんな話を耳にした筆者は、ソフトバンクに取材を依頼。SynchRoid事業を担当するプロセスマネジメント本部の木村信幸担当部長から話を伺った。

Webサイト SynchRoidのWebサイト

生まれたきっかけは2015年の「Half & Twice」

木村さん 笑顔で取材に応じてくださった木村氏

 SynchRoidが生まれたきっかけは、ソフトバンク社内で掲げられたスローガン「Half & Twice」にある。

 ソフトバンク(旧ソフトバンクモバイル)は2015年4月、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムとワイモバイルを吸収合併。社長も孫正義氏から宮内謙氏に交代するなど、新体制に移行した。

 このスローガンは、この体制移行の際に掲げられたもの。人件費以外のコストや業務工数を半減(Half)しつつ、最新のICT(情報通信技術)で生産性や創造性を倍(Twice)に引き上げるという戦略だ。

H&T戦略 ソフトバンクモバイルが3社を吸収合併した際に社内向けに打ち出された「Half & Twice」戦略

 時代に合わせて、ソフトバンクはさまざまな事業に取り組んできた。収益的に現在は通信事業が「本業」ということになるが、最近では「Beyond Carrier」を掲げて新規事業の創出にも取り組んでいる(参考記事)。

 Half & Twiceがうまく回れば、空いた人員や時間を新規事業に回せる。ここで重要なのが「さまざまあるテクノロジーを、どのように取り込んでいくか」(木村氏)ということ。自身がサービスを提供する側でもあることから、いち早くこの課題を自覚していたようだ。

 だが、通信を含めたICT分野では深刻な技術者不足という課題もある。「情報システム部門がやるのか、現業部門がやるのか、それともセールスエンジニアがやるのか」(木村氏)といったように、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった進歩の速い技術の導入をどの部署が担当すべきか決めづらいという問題も抱えている。

どう新しい記述を取り入れる?人手が足りない 次々と出てくる新しい技術をどう取り入れるか(写真=左)、IT人材不足の深刻さ(写真=右)といった課題はソフトバンクも例外ではない

 どの部門が主導して新技術を取り入れるにしても、実際にそれを使う現場ではそれなりの知識は要求される。木村氏は「技術はどんどん進歩していく。それを取り入れれば仕事を効率化できるはずなのに(旧態依然としたやり方しか知らず、知識を持たないゆえに)気が付かない」こともあるという。

 自覚していても、知らないことには始まらない。ある部署で使っている新技術を別の部署で取り入れるにしても横展開するための仕組みがないと難しい。

 ICT企業でもそうでない企業でも、ぶつかる「壁」は大きくは変わらないのだ。

現場では技術の利活用が進まない 知識を横展開する仕組みがないゆえに、現場では技術の利活用方法が浸透しないことが多い
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. ドコモ値上げの背景は? 副社長が語るahamoの競争力と、「楽天モバイル意識」の本音 (2026年09月25日)
  2. ドコモがahamoの料金刷新、40GB・60GB・120GBの3段階制に 月額3135円〜に値上げ (2026年09月25日)
  3. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  4. “iPhone 18難民”の買い替え先は? 最新「iPhone 18 Pro」と型落ち「17/17e/16」から最適解を考える (2026年09月25日)
  5. ドコモが既存料金プランを値上げ eximoや5Gギガホは+550円、irumoは+110円〜330円 2026年12月から (2026年09月25日)
  6. 富裕層向けカードの潮流が変化 アメックス、三井住友、ダイナース、ラグジュアリーカードが狙う“特別な体験価値”とは? (2026年09月22日)
  7. 20万円超のXperiaを「買い」に変えた3週間 ソニーが「モニタープログラム」を実施した理由 (2026年09月26日)
  8. 「iPhone 18 Pro」は何が進化した? 「iPhone 17/17 Pro」とスペックを比較 全て20万円超えの価格が悩ましい (2026年09月10日)
  9. 新規終了「irumo」から新プラン「ドコモ mini」に乗り換えるべき? お得になる場合、損になる場合 (2025年05月28日)
  10. 出そろった「iPhone 18 Pro」の価格を4キャリアで比較 ソフトバンクが衝撃の安さ、楽天モバイルが異例の施策 (2026年09月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー