全てスマホを手に持って撮影したが、10倍のハイブリッドズームでも鮮明な画質で撮影できた。もう1つ、パリの街角で撮った作例を見ていただきたい。
肉眼では、本が積まれていることが分かる程度だが、10倍ズームにすると書名まではっきりと読み取ることができる。光学ズームと同等の画質といっていいだろう。
なお、P30 Proのアウトカメラは、10倍を超えて、最大50倍のデジタルズームで撮れる仕様になっている。しかし、50倍にすると、さすがに画質は粗くなる。また、スマホを持つ手がわずかに動くだけでも撮りたい被写体がフレームからずれて、ピントを合わせること自体が難しくなる。三脚などで固定して撮るのが理想だが、外出時に三脚を持ち歩く人は少ないだろう。だから頑張って手持ちで撮ってみた。
個人的な印象として、手ブレを気にせずに撮れるのは20倍程度までだと思うが、できるだけ手を動かさないようにすれば、50倍にしても、そこそこの画質は得られる。被写体に近づけない状況で役に立つことはあるだろう。
P30 Proは、HuaweiのAI対応の最新プロセッサ「Kirin 980」を搭載している。前モデルP20 Pro(Kirin 970を搭載)から一世代進み、AIによるシーン認識の性能は向上したと考えるのが妥当だ。
また、画質に大きく影響する画像センサーも変更された。P20 Proでは、4000万画素のカラーセンサーと2000万画素のモノクロセンサーで取得した情報を融合させて、鮮明かつ精緻な画質を実現する仕組みだった。P30 Proでは、全ての画像センサーがカラーになり、しかも、従来のRGGBセンサーではなく、「RYYBセンサー」というものを初採用している。R=赤、G=緑、B=青、Y=黄を表す。緑のフィルターを黄色のフィルターに置き換えたRYYBセンサーによって、光を取り込む効率が40%もアップしているそうだ。
AIの進化やセンサーの改良が画質にどのような変化をもたらしたのか? P20 Proと撮り比べてみた。
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