撮影画質はどちらがいいというものではなく、好みにもよる。また、フィルムを変えるようにカラーモードを切り替えられる機能はP20 Proから継承されている。手動で設定できる「プロ」モードも、設定できる数値に変更はあるが、使い勝手に大きな変更はない。

「AI」をオフにしている場合は、初期状態では「標準」に設定されているカラーモードを「鮮明な色」や「ソフトな色」に切り替えられる(写真=左)。マニュアルで設定できる「プロ」モードでは、ISO感度を最大40万9600に設定できるようになった。シャッタースピードを遅くして、三脚に固定して、天体写真に挑戦することもできる(写真=右)使い勝手の面で筆者が気に入ったのは、撮影画面で「AI」のオン/オフができるようになったこと。P20 ProやMate 20 Proなど、Leica監修モデルでは、AIのオン/オフは、カメラの設定画面を開いて「マスターAI」という項目でオン/オフを設定する必要があった。撮影時に画面の上に「AI」アイコンが表示されることで、AIを必要としない場合は、ワンタッチで解除できるわけだ。
実は、Leicaの技術を用いていない「nova 3」や「nova lite 3」は、撮影画面からAIをオン/オフできるようになっている。つまり、P30 Proのカメラアプリのインタフェースはnovaシリーズに近づいたともいえる。ただし、nova 3などでは、撮影した画像のAI効果を後からオフにすることができるのだが、P30 Proではできない。
P20 Proからの進化点としては、被写体に2.5cmの距離まで近づいて撮れる「スーパーマクロ」に対応したことも見逃せない。AIをオンにして被写体に接近すると、自動で「スーパーマクロ」に切り替わるが、「その他」の画面から手動で選択して起動することもできる。
Mate 20 Proに引き続き、超広角撮影が可能になったことも大きな魅力だ。一般的なスマホのカメラではフレームに収まらないものまで撮れたり、広い景色をより広く見せたり、遠近感を強調させたり、作品としての表現の幅も広げられるはずだ。個人的には、ズーム以上に活用できるシーンが多いのではないかと思う。
「HUAWEI P9」以来の人気機能だが、最近は注目度が薄くなってきた「ワイドアパーチャ」。絞り値をコントロールしてボケ味を調整できる機能だ。新たに搭載されたToFカメラの効果なのか、P30 Proでは、デジタル一眼で撮った場合に近い自然なボケ味が得られると感じられた。
「ポートレート」に設定して撮った場合も、背景をぼかして人物が際立つように撮れる。P30 Proの発表会では、人物の髪の毛まで認識して、きっちりと背景だけをぼかす「Pro Bokeh」をアピールしていた。スマホのカメラは、たとえダブルレンズを搭載していても、ボケが不自然になることはありがちだ。しかし、P30 Proで撮ってみた限りでは、ボケの精度は高いように思えた。
3200万画素のインカメラはシングルレンズだが、「ポートレート」にすると、背景をぼかすことが可能。背景も写し込める画角で撮れて、ボケ味も自然。セルフィーを楽しみたい人も満足できるだろう。
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