P20 Proから何が変わった? 「HUAWEI P30 Pro」のカメラ機能を徹底レビュー(3/4 ページ)

» 2019年04月08日 13時45分 公開
[村元正剛ITmedia]

「AI」のオン/オフがしやすくなった

 撮影画質はどちらがいいというものではなく、好みにもよる。また、フィルムを変えるようにカラーモードを切り替えられる機能はP20 Proから継承されている。手動で設定できる「プロ」モードも、設定できる数値に変更はあるが、使い勝手に大きな変更はない。

HUAWEI P30 ProHUAWEI P30 Pro 「AI」をオフにしている場合は、初期状態では「標準」に設定されているカラーモードを「鮮明な色」や「ソフトな色」に切り替えられる(写真=左)。マニュアルで設定できる「プロ」モードでは、ISO感度を最大40万9600に設定できるようになった。シャッタースピードを遅くして、三脚に固定して、天体写真に挑戦することもできる(写真=右)

 使い勝手の面で筆者が気に入ったのは、撮影画面で「AI」のオン/オフができるようになったこと。P20 ProやMate 20 Proなど、Leica監修モデルでは、AIのオン/オフは、カメラの設定画面を開いて「マスターAI」という項目でオン/オフを設定する必要があった。撮影時に画面の上に「AI」アイコンが表示されることで、AIを必要としない場合は、ワンタッチで解除できるわけだ。

HUAWEI P30 Pro 「写真」モードで撮影する場合、画面上の「AI」をタップして、AIシーン認識のオン・オフができる
HUAWEI P30 Pro 「AI」オンで、「フード」と認識された作例
HUAWEI P30 Pro 「AI」オンで、「滝」と認識された作例

 実は、Leicaの技術を用いていない「nova 3」や「nova lite 3」は、撮影画面からAIをオン/オフできるようになっている。つまり、P30 Proのカメラアプリのインタフェースはnovaシリーズに近づいたともいえる。ただし、nova 3などでは、撮影した画像のAI効果を後からオフにすることができるのだが、P30 Proではできない。

 P20 Proからの進化点としては、被写体に2.5cmの距離まで近づいて撮れる「スーパーマクロ」に対応したことも見逃せない。AIをオンにして被写体に接近すると、自動で「スーパーマクロ」に切り替わるが、「その他」の画面から手動で選択して起動することもできる。

HUAWEI P30 Pro AIをオンにしてケーキを撮影
HUAWEI P30 Pro レンズを文字が書かれたプレートに近づけると、「スーパーマクロ」に切り替わり、小さな文字もくっきりと撮影できる
HUAWEI P30 Pro カメラアプリの「その他」の画面。「スーパーマクロ」の他に、「ARレンズ」「水中」なども追加されている

いろいろなシチュエーションで撮ってみた

 Mate 20 Proに引き続き、超広角撮影が可能になったことも大きな魅力だ。一般的なスマホのカメラではフレームに収まらないものまで撮れたり、広い景色をより広く見せたり、遠近感を強調させたり、作品としての表現の幅も広げられるはずだ。個人的には、ズーム以上に活用できるシーンが多いのではないかと思う。

HUAWEI P30 Pro 建物の内部などを広く捉えたいときに超広角カメラが活躍する
HUAWEI P30 Pro ただ街並みを写しただけでも、建物のデザインが際立ち、臨場感のある写真になる
HUAWEI P30 Pro 逆光でもキレイに撮れた
HUAWEI P30 Pro 満々と水をたたえるセーヌ河
HUAWEI P30 Pro 強調したいものを大きく広く写すことができる

 「HUAWEI P9」以来の人気機能だが、最近は注目度が薄くなってきた「ワイドアパーチャ」。絞り値をコントロールしてボケ味を調整できる機能だ。新たに搭載されたToFカメラの効果なのか、P30 Proでは、デジタル一眼で撮った場合に近い自然なボケ味が得られると感じられた。

HUAWEI P30 Pro 「アパーチャ」で設定すると、絞り値(F値)を0.95〜16の範囲で設定して撮影できる。これは、F4.0に設定して、手前にピントを合わせて撮影
HUAWEI P30 Pro 同じくF4.0に設定して、後方にピントを合わせて撮影

 「ポートレート」に設定して撮った場合も、背景をぼかして人物が際立つように撮れる。P30 Proの発表会では、人物の髪の毛まで認識して、きっちりと背景だけをぼかす「Pro Bokeh」をアピールしていた。スマホのカメラは、たとえダブルレンズを搭載していても、ボケが不自然になることはありがちだ。しかし、P30 Proで撮ってみた限りでは、ボケの精度は高いように思えた。

HUAWEI P30 Pro 「ポートレート」モードで撮影。2人の顔を認識して、髪の毛までをくっきりと捉えて、背景はナチュラルにボケた

 3200万画素のインカメラはシングルレンズだが、「ポートレート」にすると、背景をぼかすことが可能。背景も写し込める画角で撮れて、ボケ味も自然。セルフィーを楽しみたい人も満足できるだろう。

HUAWEI P30 Pro インカメラで「写真」で撮影。画質は上々だ
HUAWEI P30 Pro インカメラで「ポートレート」に設定すると、背景をぼかしたり、任意の美顔効果を設定したりもできる

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