レンタルWi-Fiにはない「圧倒的な利便性」 海外SIMに注力するアイツーの戦略(2/3 ページ)

» 2019年04月24日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

レンタルWi-Fiルーターより安ければいい

―― GigSkyも含め、全て海外用のSIMカードですが、各サービスのすみ分けはどうしているのでしょうか。決め手はやはり料金でしょうか。

山本氏 1つはアプリでチャージをするか否かで、Top ConnectのトラベルSIMがいまだに人気があるのは、アプリ上でなく、Webからチャージできるからです。例えばお子さんが留学されている親御さんや、出張する社員がいる会社の総務の方が、遠隔でPCからチャージができる。本人でない人が管理するというニーズがあり、利用されています。

 逆に、個人旅行に近い場合や、決裁権がある方だと、スマートフォンのアプリからパッとチャージできた方が利便性も高くなります。支払い方法も違っていて、トラベルe-simだとドル建てて、クレジットカードで円に振り替えられますが、GigSkyは円建てで請求されます。

 料金も、サービスによって高い、安いはありますが、これは突き詰めると、どれもレンタルWi-Fiと比べれば安くなります。一生に2回ぐらいしか海外旅行に行かない方がそんなに細かくサービスごとの料金の違いを見るかというとそうではなく、レンタルWi-Fiより安い時点で「これでいい」となります。それよりも、ちゃんとつながることや、つながらなかったときに日本語でのサポートがちゃんとしていることが重視されます。

―― なるほど。細かな料金で差別化するというより、大枠でルーターのレンタルより安いことが重要ということですね。現地キャリアのSIMとの比較では、いかがですか。

山本氏 確かに海外の空港で買うSIMカードの値段とはどうしても比べられてしまいますが、現地SIMは、まず旗振りツアー(添乗員付きのツアー)だとなかなか買えません。よく海外に行く人でも、プランの日数や容量を超えてしまったときの追加チャージはなかなか難しい。結果として、追加チャージができず、ローミングを使うということもあると思います。弊社のSIMカードなら追加チャージも簡単で、ワンショットではない。この安心感が違いですね。

 実際、詳しい方が、こちらに移ってくることも増えています。そういう方々は100%うちのSIMカードで済ませるのではなく、現地SIMと併用しているようです。扱っているものにはどれも期限がないので、ビジネスでよく渡航する方が空港で買えなかったり、プランが終了してしまったりしたときのために、予備的に持つというわけです。SIMカードの代金がかかるので最初は割高に感じるかもしれませんが、2回、3回と使っていくうちに、(1回あたりの実質的なSIMカードの代金は)分割されていきますからね。

 最初のころはSIMカードを買うのも楽しいですし、ネタ感もあって挑戦するのですが、だんだんそれが普通になってくると、わざわざ家電量販店まで行ったり、空港に並んでまで買ったりするのが面倒になってきます。Amazonで売っている現地SIMカードは1つの競合ですが、リチャージの問題は言葉の壁もあります。

―― 確かに。自分もよくSIMカードを買いますが、追加で容量を買っても本当に即日適用になるのかが分からなかったり、そもそも英語圏以外だとチャージ用サイトの文章が読めなかったりということがありました。あと、最近はeSIMやローミングなど、他の手段もたくさんあり、ちょっと面倒になっているのも分かります(笑)。

山本氏 いろいろな国で使えるものが人気なのは、その辺の理由があります。

GigSkyは指名買いも多い

トラベルSIM 日本語のアプリが利用でき、日本円で決済ができる「GigSky」のSIM

―― GigSkyに関しては、自社でApple SIMやeSIMを直接提供されていますが、バッティングはしないのでしょうか。

山本氏 むしろ、eSIMを始めてから、弊社のSIMカードが検索で上ってくるようになりました(笑)。

―― なんと(笑)

山本氏 GigSkyは先ほどお話ししたように円建ても魅力ですが、それ以上に指名買いも多いので、サイトにもメリットはあまり書いていません(笑)。「あのGigSky」という形で買われていきます。あとは、うちの場合、サービス容量がついていて、その分お得というのもあります。困ることを強いていえば、eSIMのサポート依頼がうちに来てしまうことですね(笑)。

 eSIMに関してはまだまだ気付いていない人も多く、iPadまで買える経済状況の人ですら、eSIMを使っているという話はあまり聞きません。気付くというのも、なかなか大変ですからね。レンタルWi-Fiが人気なのもそこで、お客さんに(空港などの場所で)タッチできているからです。

 とはいえ、旅行業界全体が、情報を与えられる時代から、自分で情報をキャッチする時代に変わりつつあります。少なくとも、レンタルWi-Fiが嫌になったというお声をいただくことは増えています。荷物が増えて重い、充電が面倒、人が使ったものを使いたくないという潔癖主義みたいなものもあって、なるべくなら借りたくないという層もいます。こういう方々がSIMカードの存在を知れば、一気に移ってくる可能性もあります。

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