解約金は1000円、端末割引は2万円まで、長期利用割引も規制へ 総務省が新制度案を公表

» 2019年06月18日 17時40分 公開
[田中聡,ITmedia]

 6月18日に開催された、第15回の「モバイル市場の競争環境に関する研究会」にて、モバイル市場の競争促進に向けた制度の案を、総務省があらためて発表した。

 6月11日に非公開で行われた第14回の研究会で、総務省は「2年契約プランの解約金を1000円にすること」「通信契約の継続利用を条件としない端末割引を2万円までにすること」を提案した。そこで構成員から挙がった意見を踏まえて整理したものを18日に発表した。制度整備の目的は、2019年秋をめどに施行される、電気通信事業法の一部を改正する法律(改正法)の理念に基づき、事業者間の公正な競争を促すこと。

端末自体の割引は2万円を上限

 通信料金と端末代金を分離し、通信サービスの継続利用を条件とする端末割引を禁止することは、以前から議論されてきたことであり、この点は変更ない。総務省は「端末の大幅値引きなどでユーザーを誘致するモデルを、2年をめどに根絶することを目指す」としている。

 一方、第13〜14回で議題に挙がった、通信サービスの継続利用を条件としない端末割引については、「2万円(税別)を超えるものを禁止する」と定めた。これは、ユーザー1人あたりの利益見込額がベースになっており、各社の平均ARPU(4360円)×各キャリアの平均営業利益率(20.8%)×スマートフォンの平均利用期間(34カ月)で試算したところ、約3万円となった。

 しかし、分離プランによってARPUや営業利益率が低下することと、市場の競争を促進させることを加味し、一段厳しい制限として「2万円」を割引額の上限とした。

 また、購入する新機種の価格と、先行同型機種(旧機種)の買い取り価格の差額が2万円を下回る場合は、その額が割引上限となる。

総務省 通信サービスの継続利用や、端末購入などを条件にしない端末割引は、2万円までとする

 廉価端末を販売する場合や、通信方式や周波数移行に伴ってユーザーに新サービスへ移行してもらう際の割引は、「0円にならない範囲で可能」とした。在庫端末については、最終調達日から24カ月がたつと、半額まで割引が可能になるが、製造中止の端末については、12カ月で半額まで、24カ月で8割までの割引が可能とする。

 ドコモの「スマホおかえしプログラム」、auの「アップグレードプログラムEX」、ソフトバンクの「半額サポート」のように、端末の返却(買い取り)を条件に割賦残債を免除する施策については、免除する額から買い取り価格を引いた額が、2万円までか、先行同型機種の買い取り価格より低い額になる必要がある。

 一方、残債を免除する額は、総務省が個別に確認するという。例えば2年後に端末を返却して残債を免除してもらう場合、2年後に予見される市場価格は端末を購入する時点では確定しておらず、(実際の買い取り価格とズレるなど)見込みが違っているとさかのぼって違反することになる。「そうならないよう、予見される価格が合理的な見込みがある場合は、事前に確定できるようにする」(総務省)

解約金は1000円に

 第14回の会合で突如浮上した、2年契約プランの違約金の額については、今回も現行の9500円から「1000円」に値下げする案が提示された。これは、スイッチングコストを低下させ、事業者間の競争を促進させるのが狙い。1000円とした根拠は、総務省が6000人のユーザーに対してアンケートを取ったところ、他キャリアへの乗り換え意向があるユーザー(2847人)のうち、8割を超えるユーザーが「許容できる違約金のレベル」に1000円を選んだためとしている。

総務省 事業者間の競争を促進すべく、違約金の上限は1000円とする

 この違約金1000円に基づき、期間拘束のある/なしの料金プランの差額は、月額170円を上限とする。現在、ドコモとauの料金プランは、期間拘束ありの方が1500円安く、解約金を支払って他社に移行する場合、6カ月以内なら期間拘束なしプランの方がお得になる(現在の解約金である9500円を1500で割ると約6になるため)。そこで、6カ月以内で通信契約を見直すユーザーにとって、期間拘束なしのプランが選択肢になるよう、違約金の1000円を6で割った結果である「約170円」とした。

長期利用割引や自動更新も規制

 長期利用割引についても規制を設ける。長期利用者を対象とした過度な割引は「契約の解除を妨げる条件に該当する」と見なし、一定の制限を加える考え。許容される割引の範囲は「1カ月分の料金」だとした。

総務省 長期利用についても一定の規制を設ける

 契約の自動更新については「契約時にユーザーが選択できること」「契約時の選択にかかわらず条件が同じこと」「契約満了時にユーザーが更新するかを選べること」「解約金なしの更新期間が3カ月設けられていること」のいずれかを満たさない場合は禁止する。

100万契約を超えるMVNOも対象

 改正法の禁止行為の対象となるのは、MNOと、その特定関係法人(UQ mobile、LINEモバイル、BIGLOBEモバイルなど、MNOのグループ会社が運営するサブブランド)。その他のMVNOについては、利用者数が100万を超える事業者も対象とする。

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