総務省の「端末割引2万円まで」が業界に与える影響は? 残債免除プログラムとの整合性を考える石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2019年06月22日 08時41分 公開
[石野純也ITmedia]

スマホおかえしプログラムも、一部で2万円を超える可能性が

 では、免除される金額が小さいドコモの場合はどうか。まず、当たり前だがiPhoneは差分があるどころか、むしろ中古業者の下取りに出した方が、お得になるケースも多い。先に挙げたiPhone 7(256GB)で計算すると、免除される3分の1は3万5208円で、中古業者の買い取り価格である3万9500円を下回っている。補助の考え方を当てはめると、スマホおかえしプログラムが補助になるどこか、むしろユーザーからドコモが補助を受けているともいえる。この場合、割引していることにはならず、回線契約とひも付けることもできそうだ。

 Androidも、免除額が3分の1であれば、上限の2万円を超えないケースがほとんどだ。先に挙げた、Xperia X Performanceの場合は、3万24円が免除され、中古の買い取り価格相場との差分は1万1324円で、2万円の上限はクリアできている。より条件がいいGalaxy S7 edgeも同じだ。総務省の資料に載っている他の端末も、全て基準は満たしていることになる。

本体価格 残債免除額 2年経過時の市場買い取り額 差し引き
Xperia X Performance 9万72円 3万24円 1万8700円 1万1324円
Galaxy S7 edge 9万3960円 3万1320円 2万3740円 7580円
iPhone 7(256GB版) 10万5624円 3万5208円 3万9500円 ▲4292円
ドコモの場合、免除される額が小さいため、参考資料にあったケースでは、2万円を超えることはなかった

 ただ、ここに掲載されている端末は、あくまで一例でしかない。例えばHuawei端末の場合、米中貿易摩擦の影響を受けたあおりで、「P20 Pro」の買い取り価格は平均より下落している上に、一部の中古業者は買い取りを停止している。上記資料にあった中古業者のうち、買い取り価格が確認できた3社の平均を取ると、P20 Proは1年経過時点での買い取り価格が2万1066円。24カ月経過時点では、ここから最大で10%程度価格が下落することを踏まえると、1万円前後になる可能性がある。

HUAWEI P20 Pro 米中貿易摩擦のあおりを受け、P20 Proは買い取り価格が落ちている。買い取りを受け付けていない中古業者も

 発売時の本体価格は10万3680円のため、3分の1が免除されると3万4560円になり、買い取り価格との差が2万円を超えてしまう。冒頭に引用した関係者のコメントの通り、例外もあるというわけだ。米国の制裁を受けたあおりもあるため、あくまでレアケースかもしれないが、一般化すると「価格の高いハイエンドモデルで、極端に不人気の端末」は、基準を超えてしまう恐れがある。中古価格の相場をどう予測するかにもよるため、一概にはいえないが、スマホおかえしプログラムにも、例外規定を設ける必要が出てくるかもしれない。

本体価格 残債免除額 2年経過時の市場買い取り額(筆者予想) 差し引き
P20 Pro 10万3680円 3万4560円 1万円前後 2万4560円
筆者が算出したP20 Proの予測値を当てはめると、2万円を超えてしまった

 前回の連載でも触れたが、もともとドコモは割引の上限を3万円にすることを提案していた。3万円の根拠は冒頭で挙げた通りだが、補助の考え方がこうなることを予測していた節もある。3万円であれば、スマホおかえしプログラムを支障なく運用できたというわけだ。上限が1万円引き下げられ、バッファーがなくなってしまったのは、ドコモにとっても誤算だったかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  4. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  5. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  6. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  7. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  8. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  9. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  10. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年