インタビュー
» 2019年07月17日 06時00分 公開

MVNOに聞く:勢いを加速させるUQ mobile、分離プランの影響は? 菅隆志新社長に聞く (1/2)

MVNO市場全体の停滞感が顕著になる一方で、auのサブブランドに位置付けられたUQ mobileが、急成長を遂げている。そのUQ mobileを運営するUQコミュニケーションズに、菅隆志氏が就任した。同氏に社長就任の意気込みや、今後の戦略を聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 MVNO市場全体の停滞感が顕著になる一方で、auのサブブランドに位置付けられたUQ mobileが、急成長を遂げている。調査会社・MM総研が発表した2019年3月末の市場調査の結果によると、1年前の9.3%から12.9%へとシェアは躍進。回線数も169.8万に拡大した(※シェアと回線数はMM総研調査による推定値)。1位の楽天モバイルは、10月からMNOとして新規参入するため、純粋なMVNOとしては1位になる可能性も高まっている。MVNOとしては後発だったUQ mobileだが、その勢いを拡大し、Y!mobileを猛追している様子がうかがえる。

 そのUQ mobileを運営するUQコミュニケーションズの社長に6月13日に就任したのが、副社長だった菅隆志氏だ。同氏はKDDIでコンシューマー事業企画本部長やコミュニケーション本部長などを歴任した後、UQコミュニケーションズに異動。前社長の野坂章雄氏を引き継ぐ形で、UQコミュニケーションズを指揮している。では、菅氏は野坂体制のもとで大きく拡大約したUQ mobileをどのようにかじ取りしていくのか。今後の展開を菅氏に聞いた。

UQ mobile UQコミュニケーションズの菅隆志社長

「ウルトラギガMAX」は他社の使い放題プランにも対抗できる

―― 先日発表されたMM総研のシェアを見ると、UQ mobileが大きく伸びていました。大躍進ともいえる伸びだと思いますが、なぜここまで急成長したのでしょうか。

菅氏 あのデータは2019年3月のものですが、下期でいきなりジャンプアップしたわけではなく、昨年(2018)度は年間を通じて伸びていました。CMなどもあり、おかげさまで認知度も90%以上を保てるようになってきています。アンケートを見ると、やはり料金や通信品質をご評価いただけていて、満足度も高い。J.D.パワーの話(総合満足度調査で1位をダブル受賞した)もありましたが、お客さまにご支持いただけたのだと思います。

 2019年からは、「おうち丸ごとUQ」を打ち出しています。われわれにはアセットとして、WiMAX(2+)があります。モバイルルーターは落ち着いていますが、一方でホームルーターはまだまだ右肩上がりで、新商品を投入したことでセットで買っていただけることも増えています。さらに、3月にはセット割引も導入しました。これは前からやらなければいけないと思っていましたが、念願のセット割引で、市場からもご評価いただけました。

UQ mobile 2019年3月時点で、MVNE回線を除くMVNOサービスで、UQ mobileは2位に躍り出た(MM総研調べ)

―― MVNOとしては後発でしたが、今の形でプロモーションをかけるようになってから、一気に勢いをつけてきた印象があります。

菅氏 先行投資で一気に浸透したのはあると思っています。また、お客さまが気にされているのは、価格と通信品質です。MVNOになると、(MNOと同じように)使えないんじゃないのという声は非常に多い。そのため、通信品質の維持には力を入れています。

―― セット割引ですが、野坂前社長からは、金額よりあることが大事といった趣旨のお話をうかがいました。もう少し金額が大きい方がインパクトはあった気もしますが、現時点での効果はいかがですか。

菅氏 今のセット割も、ご評価いただいていると感じています。割引額が大きい方が、より喜ばれるのは確かですが、現時点でもそれなりに満足いただいているというのが実感です。マーケットとして、ご家庭のブロードバンドをワイヤレスでというニーズは、やはり根強くあります。セット割の「ウルトラギガMAX」だと、6060円(税別)で基本的にWiMAX側は使い放題(ただし3日で10GB以上の利用で、混雑回避のための制限がかかる)になるため、他社の50GBプランと比較しても、十分対抗できる商材です。

UQ mobile UQ mobileとUQ WiMAXをセットで契約すると300円を割り引く「ウルトラギガMAX」

―― 親会社のauからも、使い放題の「auデータMAXプラン」が登場します。こちらとは、競合しないのでしょうか。

菅氏 こちらはセットで、あちらは単体という違いがあります。出してみてからどうなるかというのはありますが、別会社ではあるので、それぞれの商材を磨いていければと考えています。

au IDオープン化の影響は?

―― auの絡みでいうと、au IDがオープン化されました。野坂社長時代には、あまり上位レイヤーでの連携はありませんしたが、今後、UQ mobileでもauのサービスを使えるようになっていくのでしょうか。

菅氏 au IDはキャリアフリーになったので、順次われわれとしても取り込んでいるところです。サービスをバンドルして、利便性を上げられるような取り組みはしていきたいですね。その第1弾として、先日「with HOME」をリリースし、提供を開始しました。基本的にはこれが第1弾になり、今後に関してはまさに今、詰めているところです。

UQ mobile KDDIの「with HOME」提携パートナーとして、UQはホームIoTサービス「UQ × with HOME」を提供している

―― いわゆるスマートホームのサービスですが、これを第1弾にしたのは、何か理由があるのでしょうか。

菅氏 ホームルーターで「おうち丸ごとUQ」と訴求しているのと、相性がいいからです。with HOMEはそことの親和性が高く、見守りサービスなどをセットで販売しやすいと考えました。

―― UQ mobileだと、おサイフケータイ対応端末の種類もそこまで多くないので、au Payは使えるといいですね。

菅氏 (FeliCa非搭載の端末を)補完する意味では、あると思っています。ただし、現時点では、いつ提供できるといった整理がついていません。

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