店舗を変えるモバイル決済
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» 2019年08月05日 10時52分 公開

モバイル決済で店舗改革:PayPayだけで決済比率が45%に 居酒屋「よつやのうさぎ」がキャッシュレス化で変わったこと (2/2)

[小山安博,ITmedia]
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POSを導入しなくても売り上げデータの分析ができる

 もう1つのメリットとして、小原氏は利用履歴のチェック機能を挙げる。今まで、クレジットカードの明細の場合は2週間に1回、その期間の履歴が送られてくる形だったが、PayPayはすぐに履歴が確認でき、しかもスマートフォンでチェックできるため、合間合間に利用を確認できる。頻繁にチェックできるため、何十件という履歴を後からまとめて確認する必要もなくなり、「労力が激減した」という。

 こうしたチェックは、売り上げの確認だけでなく、どういった商材が売れているかという傾向の調査にも使える。同店は基本をオーガニック食材でそろえて健康志向を目指しているというが、単に売り上げのいいものだけ出なく、店側から利用客に提案するような新たなメニュー開拓にも活用したいという。

 例えば同店では明確な「コースメニュー」というものがなく、予算に合わせて料理を提供しているが、こうした提案によって客が喜ぶものを提供し、なおかつ客単価を上げることを模索している。こうした分析にはPOSデータが使われることが一般的だが、小原氏は「この規模だとPOSの導入は厳しい」と語り、PayPayがデータ分析の一助になることを期待する。こうした分析は、仕入れの効率化につながってロスが減る可能性も見いだしている。

PayPayの口コミ効果で新規客も増加

 PayPayの口コミ効果も見逃せない。小原氏によれば、PayPayを使う常連客が周囲にも広めてくれているそうで、新規客につながっているそうだ。PayPayが使えるから来てみたという客もいて、新規客の割合も増えているという。

 「常連客の母数は5000人が望ましいといわれている」と小原氏。安定的に店を経営できるのがその人数ということだが、同店自体は小規模なため「難しいと考えていた」。しかし、PayPayによる集客や分析などの効果が今後も継続できれば、「高いハードルだが、不可能ではない」という認識になったそうだ。

 居酒屋という業態として合計金額に端数が出やすいことで、「小銭がパンパンになる」ことが現金払いのデメリットの1つ。PayPayでは、店舗も客も小銭に煩わされることがなく、特に高齢者が「スマートフォンだけで来られる」という点が好評だという。

決済手数料、2%までは許容範囲

 小原氏は、「決済手数料はわれわれにはメリットはない」としつつ、現状のPayPay効果を考えると「手数料が2%ぐらいならいい」と話す。メリットさえあれば、多少の手数料は許容できるというのが店舗側の正直なところだろう。それでも2%を超える手数料は厳しい、という認識も、多くの店舗に共通しそうだ。

 今後、消費税増税を控えており、小原氏も「影響はある」と顔をしかめる。生き残りのためには料金を下げることも検討しつつ、小原氏はPayPayが今後も店舗向けの機能向上でさらなる利便性を提供してくれることに期待していた。

よつやのうさぎ
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