店舗を変えるモバイル決済
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» 2019年05月29日 06時00分 公開

モバイル決済で店舗改革:クレカからコード決済まで 店舗が効率よくキャッシュレス対応する方法

「店舗のキャッシュレス対応」と一口にいっても、「決済サービスが多い」ことは課題の1つだ。モバイルPOSやマルチ決済サービスを使えば、1つのソリューションで複数の決済に対応できる。最近話題のコード決済も、スマホ1台で対応できるものもある。

[小山安博,ITmedia]

 「店舗のキャッシュレス対応」と一口にいっても、「決済サービスが多い」ことは課題の1つだ。クレジットカード、電子マネー、非接触決済、そしてコード決済とサービスが増え続けることで、むしろキャッシュレス化の妨げにもなりかねない。

 そうした中で、消費税増税に伴うキャッシュレス推進施策で、mPOS(モバイルPOS)導入のハードルが下がっている。mPOSは、初期費用、月額固定費が不要なサービスも多く、導入に伴う端末購入費用以外は決済手数料だけで済むというメリットがある。

 mPOSの中には、キャッシュレス決済対応メニューを提供しているものもあり、そうしたメニューを利用すると、各決済サービスへの申請をまとめて代行してくれるため、1つずつ申請するよりも現実的だ。

 mPOS導入は、店舗のレジ作業や売り上げ分析だけではなく、キャッシュレス化にも貢献してくれるわけだ。

マルチ決済サービスでキャッシュレス決済に一括対応

 複数の決済手段をサポートしたmPOSサービスだと、例えば「Airレジ」がある。Airレジと連携する「Airペイ」はクレジットカード、電子マネー、スマートフォンのタッチ決済をサポート。さらにコード決済に対応した「Airペイ QR」も連携させれば、LINE Pay、d払い、Alipay、WeChat Payにも対応できる。

Airペイ Airペイならクレジットカードと非接触決済を、Airペイ QRならコード決済を導入できる

 こうしたmPOSサービスを利用する以外に、マルチ決済サービスを利用する方法もある。これは複数の決済手段を一括してサポートするソリューションで、「mPOSはいらないけどキャッシュレス対応したい」「mPOSとは別にさらに多くの決済に対応したい」といったニーズにも応えられる。

 こうしたサービスでは、専用の決済端末を導入することで複数決済に対応するサービスが多い。例えばロイヤルゲートの「PAYGATE Station」は、クレジットカード、タッチ決済、コード決済に対応した、プリンタ一体型の決済端末。LINE Pay、楽天Pay、d払い、Alipay、WeChat Payをサポートしており、相手が使った決済サービスを自動的に判別してくれる。

PAYGATE Station ロイヤルゲートのマルチ決済端末「PAYGATE Station」

 同様にマルチ決済端末を提供するのがアイティフォーの「iRITSpay決済ターミナル」。クレジットカード、電子マネー、タッチ決済に加え、LINE Pay、PayPay、Origami Pay、Alipay、WeChat Payをサポートする。

 ネットスターズの「StarPay」も同様だが、こちらはコード決済のみに対応する決済端末を提供する。LINE Pay、d払い、PayPay、楽天ペイ、Alipay、WeChat Payに対応している。

 そうした中で面白いのがSBペイメントサービスのソリューションだ。マルチ決済端末として「VEGA3000」を提供しており、クレジットカード、電子マネー、タッチ決済に加え、LINE Pay、d払い、PayPay、楽天ペイ、Origami Pay、Union Pay、Alipay、WeChat Payという豊富なコード決済に対応する。

SBペイメントサービス SBペイメントサービスは、マルチ決済端末(右)やコード決済用のアプリ(左)を提供

 「コード決済だけを追加したい」という場合には、スマートフォンアプリ「S!can(スキャン)」を利用すればよい。これを使えば、手持ちのスマートフォンだけで複数のコード決済を導入できる。専用端末と同じくLINE Pay、d払い、PayPay、楽天ペイ、Origami Pay、Union Pay、Alipay、WeChat Payに対応し、国内でも有数のサービス数だ。

 これらのサービスでは加盟店審査も一括して行えるので、手間がかからないこともメリットだ。

気軽に始められるコード決済

 「キャッシュレス決済対応をひとまず試してみたい」という場合、昨今サービスが増えているコード決済を利用してみるのも1つの手だ。コード決済は、店舗側も客側もスマートフォンを持っていれば、利用できるという手軽さがメリットだ。

 店舗側はmPOSのように新たに機材を導入する必要がないため、気軽に始められる。多くのコード決済サービスは、店舗用のアプリを提供しており、これをスマートフォンやタブレットにインストールして加盟店申請が通過すれば、すぐに使い始められる。

 例えばLINE Payには「LINE Pay 店舗用アプリ」があり、レジ機能だけでなく客へのメッセージによる販促も可能。申し込みもオンラインで登記簿謄本を提出すればよく、審査が完了したらアプリからログインすれば使い始められる。

 決済手数料(2021年7月31日まで)、導入費用、月額費用は全て無料なので、「取りあえず試してみたい」というスタンスでも始められる。なお、売り上げの入金は翌月末だ。

LINE Pay コード決済はもちろん、売り上げやクーポンの管理もできる「LINE Pay 店舗用アプリ」

 同じようにスマートフォンにアプリを入れるだけで開始できるのがPayPay。LINE Payと同様に導入費用、入金手数料、月額費用は無料で、決済手数料も2021年9月30日まで無料だ。申し込みもオンラインから簡単に行える。

 管理用Webサイト「PayPay for Business」が用意されているのは強みで、取引や売り上げを管理できる他、mPOSサービスのAirレジとの連携機能も提供する。PayPayだけで始めて後からAirレジを導入する場合や、AirレジユーザーがPayPayを試したいという場合にも対応できる。

 決済金額が1万円以上であれば、銀行への入金は最短で翌々営業日だが、ジャパンネット銀行を指定すれば翌日に入金されるというのも強みだろう。ちなみに1万円に達しない場合は月末締めとなる。

PayPay PayPayの加盟店向けサイトでは、各種費用が0円で済むことをアピールしている

 コード決済は、店舗にとってキャッシュレス対応の入口にもなるだろう。入金タイミングの問題はあるものの、現時点ではほとんど費用はかからず導入できる上に、LINE PayやPayPayのようにポイント還元による集客が期待できる。既存の現金客に加えて、「ポイントが付くのでコード決済が使える店に入った」という具合に新規客が増える可能性もある。

 客数が増えるようであれば、入金タイミングが遅れても現金客でカバーできるかもしれないので、そういった確認をする意味でも、まずはコード決済で様子を見る、というやり方もできそうだ。何といっても加盟店申請もオンラインで行えるし、スマートフォン1つで運用できる簡単さが魅力だ。

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