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» 2019年09月03日 14時23分 公開

イオンモバイルがシニア向けサービス&スマホを提供 ターゲット特化で大手キャリアに対抗

イオンモバイルが、9月6日からスマホ初心者のシニアを対象とした「やさしいスマホサービス」を提供する。月額300円の電話サポートが無料になる他、オリジナルの「やさしいスマホ」も発売する。イオンモバイルがシニアに特化したサービスを提供する理由は?

[田中聡,ITmedia]

 イオンリテールが、MVNOサービス「イオンモバイル」にて、9月6日からスマートフォン初心者のシニアを対象とした「やさしいスマホサービス」を提供する。

イオンモバイル 月額1980円から利用できる、イオンモバイルの「やさしいスマホサービス」

 やさしいスマホサービスは、月額850円(税別、以下同)の「やさしい10分かけ放題」と、イオンモバイルのデータ通信サービスをセットにしたもの。

 やさしい10分かけ放題は、「イオンでんわ10分かけ放題(月額850円)」と「イオンスマホ電話サポート(月額300円)」を含むもので、イオンスマホ電話サポートが実質無料で利用できる。10分以内の国内通話が何度でも無料で使える他、9時から20時まで電話でスマホの操作方法を聞いたり、遠隔でスマホを操作してもらったりできる。

 やさしい10分かけ放題の対象は、加入時に満60歳以上の個人ユーザー。既にイオンモバイルを契約している人でも加入できる。データ通信は通常提供しているプランと同じで、音声SIMで最も安い月額1130円(500MB)と組み合わせると、月額1980円で10分かけ放題、電話サポート、500MBのデータ通信が利用できる。

 さらに、イオンモバイル限定のセット端末として、シャープ製の「AQUOS sense2 やさしいスマホ」も9月6日に発売する。価格は3万2800円。独自機能として、通常の通話アプリからも、30秒あたり10円で通話ができる「イオンでんわ」を利用できる。誤って通常の通話アプリから電話をかけてしまい、割高の30秒あたり20円の通話料が発生しないよう配慮した。

イオンモバイル 「AQUOS sense2」をベースにしたイオンモバイル独自の「AQUOS sense2 やさしいスマホ」
イオンモバイル 標準の通話アプリから「イオンでんわ」が利用できる

 イオンモバイルの契約数は2019年7月末時点で約56万に到達。イオンリテール・イオンモバイル事業部 事業部長の井関定直氏は「緩やかな足取りではあるが、春に企画した『3年学割』も成果が出て、(MVNO全体の)市場よりは着実に回線数を伸ばせた」と手応えを語る。

イオンモバイル イオンモバイルの契約数は7月末時点で約56万回線に

 25歳以下のユーザーに対して3年間、データ容量毎月1GB増量する3年学割は、イオンモバイルが取り組んだ、初のターゲットセグメント型のサービス。この施策によってMNPで加入する25歳以下のユーザーが前年比で約300%増え、18歳未満のユーザーも前年比で355.7%増加するなど、大きな成果を出せた。

イオンモバイル 「3年学割」を実施したことで、25歳以下、特に18歳未満のユーザーが増加した

 2019年上半期は、20代から70代までの全世代で、MNPでイオンモバイルに加入するユーザー数が過去2年よりも伸びており、MVNOサービスをメインで利用する人が増えつつある。そこで第2弾のターゲットセグメント型サービスではシニア世代に焦点を当てる。「60歳以上のユーザー、特に初めてガラケーからスマホに変えた人が、安心して使えるサービスは何かを考えて設計した」と井関氏は狙いを話す。

イオンモバイル 全世代でMNPによる転入が増えている

 あえてシニアを狙う理由について、井関氏は「60歳以上の来客が30%を超えること」「イオンモバイルでは60歳以上のユーザーが伸びていること」「50台以上は解約率が1%未満で低いこと」を挙げる。60代以上のユーザーが多いMVNOは珍しいが、これは「イオンモバイルの獲得チャネルの92%が店舗」(井関氏)であることが大きい。

イオンモバイル イオンの来店客は60歳以上が30%以上を占めている
イオンモバイル イオンモバイル契約者のうち、60代以上の伸びが顕著になっている
イオンモバイル 50代以上は、他の世代と比べて解約率が低いのも特徴

 60歳以上のスマホ利用率は年々増加しており、2018年には61.5%にまで達している(MMD研究所調べ)。加えて、大手キャリアは3Gの停波を予定していることから、シニアのスマートフォン利用のニーズが高まることが予想される。

イオンモバイル 60歳以上のスマホ利用率も伸びている

 一方、イオンモバイルでは端末とのセット契約が年々減っており、SIMのみ契約が増えている。これは60歳以上でも例外ではないという。端末セットで獲得できるユーザーと取りこぼさないよう、シニアを意識したセット端末として、AQUOS sense2 やさしいスマホを提供する。井関氏は“やさしいスマホ”の定義として、「初心者にやさしい画面や操作」「音声需要に応える通話プラン」「サポートの充実」を挙げる。なお、やさしい10分かけ放題は、AQUOS sense2 やさしいスマホ以外の端末でも利用できる。

イオンモバイル イオンモバイルはSIMのみ契約が増えており、魅力的なセット端末をいかに出せるかが課題となっている
イオンモバイル イオンリテールの井関定直氏

 10月1日に電気通信事業法が改正され、モバイル業界を取り巻くルールが大きく変わる。イオンモバイルは100万契約未満なので、改正法の対象ではないが(MVNOは100万回線以上の事業者が対象)、通信と端末の分離を始め、当初から改正法のルールにも沿ったビジネスを展開していることを井関氏は強調する。「やっていることに何ら変化はなく、(法改正も)前向きに捉えている」と井関氏。

 6月からNTTドコモとKDDIが、従来よりも値下げした新料金プランを提供しているが、6月から実施しているキャンペーンの効果もあり、むしろドコモからの転入が増えているという。10月以降、キャリアは改正法に合わせた料金改定を予定しているが、イオンモバイルがターゲットに特化した戦略を進めることで、環境が変化する中でもユーザー数を伸ばしそうだ。

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