「Galaxy Fold」の使い勝手をじっくりと検証する 24万円の価値はある?(3/6 ページ)

» 2019年11月04日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]

2つの画面は連動している

 カバー/メインディスプレイの表示内容は基本的に連動しており、本体を折りたたむと、メインディスプレイと同じ内容がカバーディスプレイにも表示される。メインディスプレイで表示した記事の続きをカバーディスプレイで読むこともできるわけだ。

 端末を閉じたときに、メインディスプレイの内容をカバーディスプレイにも自動で表示させるかは、アプリごとに設定できる。初期状態では、カバー/メインディスプレイのアプリはほとんど連動しておらず、設定の「フロント画面のアプリを設定」からアプリごとに設定する必要がある。ここをオンにしたアプリのみ、連動した表示が可能になる。

Galaxy FoldGalaxy Fold 閉じたときにカバーディスプレイを活用するかは、アプリごとに設定できる

 なお連動表示に対応しないアプリもある。例えば写真アプリ「みてね」やコミックアプリ「ジャンプ+」は対応しておらず、メインディスプレイでアプリを起動した状態で本体を閉じると、カバーディスプレイはホーム画面になる。その後、カバーディスプレイから、連動表示に非対応のアプリを起動しようとすると、アプリを再起動する形になる。

 反対に、カバーディスプレイでみてねやジャンプ+などを起動してからメインディスプレイでも起動すると、カバーディスプレイで起動した縦長表示のままになる。メインディスプレイ向けの表示に切り替えるには、アプリを再起動する必要がある。

Galaxy Fold 連動表示に対応していないと、本体を開いたときにアプリを再起動する必要がある
ChromeとポケモンGOを2つの画面で利用。なお、ポケモンGOで「GPSの信号をさがしています」と表示されているのは、誤って現在地測位をオフにしていたためです。あしからず……

4:3のコンテンツが格段に見やすい

 SNSやブラウザなど縦スクロール型のアプリは、スマートフォン向け表示だと縦長のカバーディスプレイの方が広範囲を表示できるが、メインディスプレイの方が大画面なので、視認性は格段に上がる。一方、メインディスプレイのアスペクト比は4.2:3と正方形に近いので、縦スクロールのコンテンツは必然的にスクロール回数は増える。WebサイトSNSなどの画像や文字は、カバーディスプレイの方が1画面にたくさん表示できるという逆転現象が起きる。

Galaxy Fold
Galaxy Fold いずれも左がメインディスプレイ、右がカバーディスプレイの表示内容。縦スクロール型のコンテンツだと、小さいカバーディスプレイの方が多くの情報を表示できるという逆転現象が起きる

 一方、4:3のコンテンツが多い電子書籍や写真は、7.3型のサイズを有効に使うことができ、ほぼ全画面で表示できるので没入感が増す。横向きにすると、コミックだと見開き表示になり、2ページ分を一気に表示できる。これは他のスマホでも同様だが、画面サイズが小さいので見開き表示は実用的ではない。しかし7.3型のGalaxy Foldなら、見開き表示でも読みやすい。文庫本は、縦向きでも横向きでも情報量はほぼ変わらないケースが多い。

Galaxy Fold
Galaxy Fold コミックは1ページを大きく表示でき、見開きでも読みやすい
Galaxy Fold
Galaxy Fold 文庫本は、横向きにしても表示できる文字数はほとんど変わらない

 カメラは「4:3」の比率で撮影することをオススメする。縦向きで撮った写真は本体を縦向きに、横向きで撮った写真は本体を横向きにすると、ほぼ全画面で楽しめる。

Galaxy Fold 4:3の写真はほぼ全画面で表示できて心地よい

 一方、縦長のアスペクト比を前提として作られたアプリをGalaxy Foldのメインディスプレイで起動すると、不自然な表示になることがある。例えば「Pokemon GO(以下、ポケモンGO)」の場合、4.2:3の比率に引き延ばして表示するため、画面の一部が欠けて見えたり、表示崩れを起こしたりしてしまう。Galaxy Foldの4.2:3の比率に最適化させる必要があり、対応アプリの増加に期待したい。

Galaxy Fold 「ポケモンGO」を開いてプレイ。マップはワイドな表示で開放感あふれているが……
Galaxy FoldGalaxy Fold 写真の図鑑をはじめ、他のスマホに比べて1画面に表示される情報が少ない(写真=左)。縦長画面向けの表示だと、このように無理やり詰めた表示になってしまう。レイドバトルの待機画面は横スクロールが非常にやりにくい(写真=右)
Galaxy FoldGalaxy Fold 起動画面はリザードンの顔が隠れてしまう(写真=左)。ダークライのように、横にポケモンが動いたときに隠れずに表示できるのはメリットだが……(写真=右)
Galaxy FoldGalaxy Fold カバーディスプレイの方が、1画面にたくさんの情報を表示できることも(写真=左)。ダークライが横に動くと、半分ほど姿が見えなくなってしまう。これは他のスマホでも同様だが(写真=右)

 動画視聴はどうか。スマートフォンで一般的な16:9の動画を横画面で再生すると、上下に黒帯ができてしまい、7.3型のサイズをフルに生かすことはできない。それでもスマートフォンとしてはワイドな表示であり、動画視聴でも没入感は得られる。

Galaxy Fold
Galaxy Fold 縦向きでもそれなりに大きく映像を表示できる(写真=左)。横向きにすると、さらに大きく表示されるが、上下に黒帯が入ってしまう(写真=右)

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