楽天回線がつながる/つながらないところ 都内と近郊で試して分かった楽天MNO本音レポート(2)(1/2 ページ)

» 2019年11月07日 06時00分 公開
[村元正剛ITmedia]

 楽天モバイルの無料サポーターになってから2週間がたちました。本来なら約5000人だけが使える楽天回線をとことん使い倒したいところですが、あいにく以前から予定していた入院と重なり、3日ほど出歩けない状態になってしまいました。病院は六本木にあり、筆者の病室は4階でした。

 ありがたいことに、病院内は楽天回線にばっちりつながり、MacBookをネットにつなぐためにテザリングが大活躍しました。ちなみに、病院内では下り60Mbps、上り40Mbpsくらいの速度で利用できました。無料サポーターですから、テザリングも無料です。

 おかげさまで手術は成功し、退院後の自宅療養を経て、10月27日(日曜)から自由に動ける身体に戻りました。その後、都内のあちこちに足を運んで、楽天モバイルのMNO回線がつながるかどうかを試しています。既に基地局が設置されている東京23区内だけでなく、神奈川県川崎市、埼玉県和光市、千葉県市川市など、東京に隣接する地域にも足を延ばしてみました。

楽天モバイル

渋谷、新宿、池袋などの繁華街では?

 渋谷は開発途中にある東口側で、通信品質をチェックしてみました。どの周波数帯につながっているかは「Net Monitor」というアプリを使いました。地下にある副都心線の駅では楽天回線にはつながらず、au回線にローミングされましたが、地上に上がると楽天回線に切り替わりました。通信速度は、下りが20〜40Mbps程度で、上りは50Mbps前後出ることが多かったです。

 商業ビルのヒカリエに入り、オーブという劇場がある11階まで上ってみました。ビルの中でも、楽天の電波をキャッチすることを確認できました。アンテナもフル表示で通話も支障なくつながりました。

楽天モバイル 渋谷ヒカリエの11Fでネットワーク接続をチェック。楽天回線の1800MHz帯につながっていた

 新宿では東口に出て、ビックロや伊勢丹(本館)の中でも電波状況をチェック。JR新宿駅の周辺では、何と下り90Mbpsを超えるスピードを記録しました。人出が多い日曜の午後でしたが、筆者の近くに楽天の無料サポーターはいなかったのでしょうね。高速回線を独占できたようです。

楽天モバイル 新宿駅の近くで、「Speedtest.net」というアプリで通信速度を計測したところ、下り99.2Mbpsを記録した

 ビックロでは、どのフロアでも楽天の電波をつかみました。ただし地下1階ではアンテナ表示が2本になり、通信速度が著しく落ちました。それでも電話はつながりました。GUがある7階まで上がってみたところ、アンテナはフル表示にならないものの、ブラウザの利用に困らない程度の速度は得られました。屋内にも、しっかり基地局が設置されているようです。

楽天モバイル 新宿エリアでは安定して、楽天回線につながった

 しかし伊勢丹に入ると、途端に楽天回線への接続が弱くなりました。「Net Monitor」アプリで確認したところ、一応、楽天回線につながっていたようですが、場所によっては電話を発信できないことも。エスカレーターで階上へ。5階に上がったあたりでau回線に切り替わりました。

 その後は安定してau回線につながり、7階で通信速度を測定したところ、下り60Mbpsを超えるスピードを記録しました。再びエスカレーターで降りてみると、1階に降りたところで、au回線から楽天回線に切り替わりました。恐らく、伊勢丹の館内ではauにローミングされるものの、地上に近い場所にいる場合は、楽天回線につながるのだと思われます。ちなみに、ネットワークが切り替わる場合、通話はいったん切れてしまいます。

 池袋は、西口でチェック。駅の周辺では、途切れることなく楽天回線につながり、通信速度は上下ともに30〜50Mbpsといったところでした。特に池袋西口公園、東京芸術劇場の近くでは高速でつながりました。

楽天モバイル 池袋西口の東京芸術劇場の前では、上下ともに50Mbpを超えるスピードを記録した

意外な場所で、突如圏外になることも……

 最近は、外国人観光客にも人気があるという「谷根千」周辺も歩いてみました。屋外では安定して楽天回線につながりましたが、下り速度は20〜30Mbpsといったところ。上り速度は50Mbpsを超える場所もありました。大手キャリアの回線は、アップロード速度の上限はやや低めに設定されていますが、楽天回線は今のところ、上りもビュンビュン出ます。SNSに写真や動画をアップすることが多い人にはよさそうです。

 しかし、休憩のために入ったカフェでは圏外になりました。路面店でも建物の奥に入ると、電波をつかめなくなるようです。1800MHzでは、そんなに回り込めないのかもしれませんね。後発キャリアとして仕方がないことでしょうが、700〜800MHzのプラチナバンドを持つ3大キャリアに比べた場合の弱点になりそうです。

 谷根千で最も活気がある谷中銀座にも行ってみました。観光名所でもあるし、問題なくつながるだろうと思っていたのですが、「夕やけだんだん」という階段あたりで、突如圏外になってしまいました。au回線に切り替わることもなく、電話もできない状態に……。ほんの100メートルほど歩くと回復しましたが、23区内にも、こうした基地局と基地局の隙間があるのかもしれません。

楽天モバイル 谷中銀座を夕やけだんだんに向かって歩いて行くと、徐々に電波が弱くなった

 筆者は、普段から複数台のスマホを持ち歩いているので、楽天回線の圏外になっても困ることはないのですが、現状は、楽天回線だけにするのは厳しそうです。

楽天モバイル 筆者が使っている「HUAWEI P30 lite」はDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)に対応している。筆者は2枚目のSIMとして、楽天モバイルのMVNO(ドコモ回線)のデータ専用SIMを挿している
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