楽天が公表する「自社回線エリア」から、au回線を利用する「パートナーエリア」に出たら、どうなるのか? 気になりますよね。
まずは東急田園都市線で多摩川を越えて、神奈川県川崎市に入ってみました。多摩川を越えて、しばらくすると、au回線に切り替わりました。渋谷から乗って、二子玉川駅の次の急行停車駅である溝の口駅で降りてみました。JR南武線と重なる利用者が多い駅なので、もしかしたら、既に楽天のネットワークが稼働しているのでは? と期待したのですが、auの800MHzを利用するキャリアアグリゲーションの回線につながりました。
さらに進んで、たまプラーザ駅に行くと、Net Monitorの画面に「L1800」という表示が出ました。これは、楽天回線につながったということでしょう。東京23区外でも、基地局の整備が進められているのだと思われます。
次に、東京メトロ副都心線に乗って、池袋から埼玉県和光市へと向かいました。和光市駅に着くと、au回線に切り替わるのかと思いきや、Net Monitorには「L1800」という表示。しかし電波は不安定で、電話も発信できません。改札を出ると、圏外になったり、アンテナが1〜2本しか立たないことも……。楽天のエリアマップを確認したところ、和光市駅の周辺は、楽天回線もau回線もつながらない空白エリアになっていました。なお吉祥寺駅周辺も、今のところ空白エリアになっているようです。
江戸川を越えて、千葉県にも入ってみました。JR総武線の秋葉原駅から市川駅に向かいましたが、秋葉原駅では楽天回線につながり、下り49Mbps、上り45Mbpsを記録。江戸川の手前の小岩駅も楽天回線で、下り51Mbps、上り29Mbpsという高スピードを記録しました。江戸川を越えて市川市に入ると、ネットワークが切り替わりました。市川駅ではau回線につながって、通信速度は下り16Mbps、上り11Mbps。想定通りの結果でした。
楽天のMVO回線は、東京23区はほぼ網羅できているものの、まだ、所々に隙間があるようです。建物内に入ると圏外になってしまうことも少なくありません。地下鉄や大きな商業施設などでは、au回線にローミングされるようですが、ローミングされない場所では、電話もメールもつながらない状況に陥ってしまいます。全国へのエリア拡張と同時に、隙間をどう埋めていくかも今後の課題になるでしょう。
本格的なサービスが始まる2020年春に、どこまでサービスエリアが拡張されるかは分かりませんが、しばらくの間はつながらない場所が生じることは覚悟するべきでしょう。ただし通信速度に目を向ければ、今のところMVNOよりも圧倒的に速く、大手キャリアよりも速いスピードを得られる場所が多い印象です。SIMを2枚挿せる機種を使って、予備の回線も併用できるようにするのが賢明でしょう。
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