気になる性能について、ベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」の結果から見ていこう。テストの結果、Reno AとA5 2020ともに、同価格帯のスマホと比べて一回り高いスコアをたたき出している。スコアの内訳を見ると、GPUはReno Aが高いが、CPUは意外にもA5 2020の方が高い。とはいえ、一番重要な実際のアプリの動作を計測するUXのスコアはReno Aの方が一回り上だった。
この他、PCMARK for Androidのストレージテストも実施したが、両モデルともシーケンシャルリードとシーケンシャルライトともに400MB/秒あたりの結果となった。低価格帯にもかかわらず、ある程度高速なストレージを搭載している。
実際に使っていても、通常の操作やアプリのもたつき、発熱のストレスもなく利用できた。一般アプリの操作感ならハイエンドスマホとそこまで変わりがない。これは、両モデルともプロセッサの設計や製造プロセスが新しく、ストレージもミドルクラスの製品としては高速なことが影響しているのだろう。
高性能なスマホが気になる人向けに、Reno Aの結果をもう少し詳しく分析しよう。Antutuの総合スコアは、Reno AのSnapdragon 710は3年前のXperia XZなどが搭載しているSnapdragon 820を上回っている。PCMARK for Androidのストレージ速度も200MB/秒あたりと遅い。実際に操作や一般アプリを利用しても、Reno Aの方が機敏かつ快適に操作できた。
ただ、3Dグラフィックのゲームで重要なGPU性能は基本的に、Reno AのSnapdragon 710より、Snapdragon 820の方が上回る。AntutuのGPUスコアが低いのは一部テストを実行できなかったためだ。3DMARKの結果を見れば、ゲームなどの快適さに大きく影響する3D性能に限れば、今でもSnapdragon 820の方が上回っていることが分かる。
では、実際にどういった違いが出るかというと、一般アプリや「PUBG Mobile」のように極端に3Dグラフィック性能を求めないタイトルなら差はあまりない、むしろReno Aの方が快適に動く。
だが、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」の最高画質(3Dリッチ 高画質)など、GPU性能を限界まで使う場合、Reno Aはややコマ落ちするが、Snapdragon 820搭載スマホは滑らかに表示できた。ゲームを最高画質で楽しみたい人にとっては、いくらReno Aの性能がミドルクラスではいいとしてもまだ満足できるレベルにはない。素直にハイエンドやゲーミングスマホを購入した方がいいだろう。
アウトカメラは、Reno Aが2つ、A5 2020が4つのカメラを搭載しているが、通常の撮影に使うカメラは、Reno Aが1600万画素、A5 2020が1200万画素の1つだけ。それ以外のカメラは、背景をぼかすポートレート用や、A5 2020の超広角撮影用など役割が異なる。カメラの数の多さが実際の画質に影響するわけではない。
実際に撮影してみると、Reno Aの方が発色や感度といった面で大きくリードしているという印象だ。日中屋外だとそこまでの差を感じられないが、屋内や夜景撮影だとノイズの多さや発色でかなりの差がついた。SNSへの投稿が多いなど、カメラ画質や撮影の幅を重視する人はReno Aの購入をオススメする。
ポートレート撮影のボケ感などはReno AとA5 2020であまり変わらない。超広角撮影はA5 2020だけで利用できるが、画質を見ると取りあえず搭載した感がある。これを使うなら、Reno Aのパノラマ撮影でもいいかなと感じた。
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