オッポジャパンが、新たなSIMロックフリースマートフォン「Reno A」を発表した。
特筆すべきは、防水、FeliCa、Snapdragon 710、6GBメモリといったスペックながら、3万5800円(税別)という価格を実現したこと。3万円前後のスマートフォンは他社からも登場しているが、防水やFeliCaには対応していなかったり、Snapdragonは600番台だったり、メモリが3〜4GBだったりすることが多い。それを考えれば、Reno Aの安さが際立つ。
加えて、OPPO初のテレビCMの放映を10月11日に開始。イメージキャラクターに指原莉乃さんを起用し、プロモーションも加速させる。このように、Reno Aは価格と宣伝でこれまでにないほど“攻めた”モデルだといえる。
オッポジャパンのトウ・ウシン代表は、2019年3月に開催した説明会で、「日本のお客さまとのお約束」と題して6つの約束を発表した。その2つ目が「より日本に適した方法でのコミュニケーション」、3つ目が「2019年内におサイフケータイ、防水対応スマホの投入」だった。今回の発表は、これらの約束を果たすものだとトウ氏は話す。
これまでオッポジャパンが日本に投入してきたスマートフォンは、海外で販売されたものを日本向けにアレンジしたものが中心だったが、今回のReno Aは、完全に日本向けに開発されたオリジナルモデルとなる。一見すると海外でも同様のモデルが発売されていそうだが、トウ氏によると、ベースモデルは存在しないという。
プロダクトマネージャーの中川裕也氏は、第三者機関の調査を引用しつつ、スマートフォンを購入する際、価格やブランドの他に、「バッテリー、防水、CPU、おサイフケータイなど機能面を重視する人も多い」ことを挙げ、「本当に必要な機能やスペックは何かを考えた」と話す。同社は「日本特有にニーズに応えること」「普段使いにちょうどいいスペック、機能があること」「手に取りやすい価格」の3点を重視してReno Aを開発した。
オッポジャパンがReno Aのキャッチコピーに掲げるのが「いろいろと余裕のスマホ」。価格も、普段使いも、パフォーマンスも、余裕を持って使ってもらおうというメッセージを込めた。日本向けということで、当初は製品名を「Reno J」にするという案もあったそうだが、Aの方がなじみやすいということで、Reno Aに落ち着いたそうだ。
価格の安さが際立つが、「(3万5800円は)業界のスタンダード的な値段だと思う。皆さんが安いと思われるのは、それ以外の機種が高いからでは?」とトウ氏は話す。頑張って安くしたというよりも、あくまで標準的な価格であることを強調した。
イメージキャラクターに指原さんを起用した理由については「アイドルの定義を覆し、アイドル、MC、マネジャー、その他のクリエイティブな仕事といった、多方面で才能を生かされている。常に期待を上回り、より高いレベルへと水準を引き上げる指原さんは、Reno Aを象徴するにふさわしいと考えている」とトウ氏は説明した。CMのキャッチコピーには「きょう、スマホを変えようと思って」という言葉を打ち出し、Reno Aがカジュアルに手に取るモデルであることをアピールする。
OPPOは2018年2月に日本市場に参入し、「日本市場は特殊」(トウ氏)ということもあり、約1年半かけて日本市場を研究してきた。そして今回のプロモーションは、2019年4月から企画を進めてきたという。4月といえば、ドコモが新たな分離プランを発表したタイミング。改正法が施行されて分離プランが義務化されて端末値引きが抑えられることで、SIMロックフリースマホが注目を集めやすくなる。そこで、(改正法が始まる)2019年10月に照準を合わせてプロモーションの準備を進めてきたそうだ。
Reno Aの販路はMVNOが中心だが、楽天モバイルはMNOとしても取り扱う。大手キャリアや、そのサブブランドであるY!mobile、UQ mobileなども、3〜4万円台のミッドレンジ価格帯のモデルを増やしつつある。FeliCaと防水に対応したReno Aは、まさにキャリアが好みそうなモデルでもある(UQ mobileが「R17 Neo」を扱ったことはある)。「いつキャリアに採用されるかは、キャリアに聞いてほしい」とトウ氏は明言を避けたが、Reno Aが大きなヒットを収めれば、オッポジャパンが1つの目標に掲げている(大手)キャリア採用も、そう遠くない未来に実現しそうだ。
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