ICT総研は、12月24日に山手線4G通信速度実測調査の結果を発表。今回の調査は2019年10月から「無料サポータープログラム」を開始した楽天モバイルのMNOのネットワーク環境と既存のMNO(NTTドコモ、au、ソフトバンク)を比較し、どのような状態であるのか通信速度の実態把握を目的として行ったものとなる。
測定端末はNTTドコモ、au、ソフトバンクが「iPhone 8」、楽天モバイルは「OPPO Reno A」。速度測定サイト「インターネット速度テスト」(Google)で1地点あたり下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の速度を3回ずつ測定した。測定地点はJR山手線の全29駅のホームと、それぞれの駅間(移動中)を含めた全58地点。調査実施日は12月19日。
山手線の「駅ホーム」「駅間」全58地点での下り通信速度は楽天モバイルが平均35.1Mbpsでトップとなり、auの30.3Mbpsが続く。NTTドコモは27.5Mbps、ソフトバンクは27.5Mbpsとなり、既存の3社間に大きな差は見られなかった。
また、調査結果を「駅ホーム」29地点と、「駅間」29地点とに分けてると、駅ホームではドコモが下り平均37.7Mbpsとなり、楽天モバイルの36.2Mbpsを若干上回る。4社ともに35Mbps前後の通信速度を記録しており、大きな差とはなっていない。
一方、駅間はトップの楽天モバイルが下り33.9Mbps、次点のauは26.3Mbpsとなり、大きな差が出ている。ドコモは駅ホームの下り速度はトップだったが、駅間が下り17.3Mbpsと低調になったため結果が押し下がっている。上り通信速度の調査結果では楽天モバイルが全58地点で平均 32.9Mbpsであったのに対し、既存のMNO3社は10Mbps前後にとどまっている。
楽天モバイルは「楽天エリア」と「パートナーエリア」に分けてサービスを提供しており、自社回線を使った楽天エリアは東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市の一部となる。今回の調査では楽天モバイルの自社回線エリア内での測定であること、楽天モバイルのユーザーは現在5000人に限られており混雑しにくい点が好結果につながったと考えられる。
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