下りはmineo、上りはIIJmioがトップ――ICT総研が新幹線駅で格安SIMの速度測定

» 2016年01月05日 19時18分 公開

 ICT総研は、2015年12月28日に格安SIMの通信速度実測調査の結果を発表した。

 調査対象のMVNOサービスは「OCN モバイル ONE」「IIJmio」「楽天モバイル」「BIGLOBE LTE・3G」「b-mobile」「mineo」の6つ。

 測定地点は東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線の全46駅のホーム。全てNTTドコモ回線を利用するプランで統一し、端末は「ZenFone 2 Laser」、通信速度測定アプリは「RBB TODAY SPEEDTEST」を利用した。調査期間は12月25日から26日まで。

 下り通信速度の上位グループは、mineoの21.56Mbps、楽天モバイルの19.29Mbps、BIGLOBE LTE・3Gの18.04Mbps、IIJmioの17.51Mbps。上り通信速度トップはIIJmioの11.34Mbpsで、次いでBIGLOBE LTE・3Gの9.12Mbpsとなり、下り通信速度とは異なり事業者間での速度差はほとんど見られなかった。

 路線ごとの速度差は特に下りで著しく、平均の下り通信速度は東海道新幹線 15.93Mbps、山陽新幹線 19.31Mbps、九州新幹線 12.03Mbpsだった。さらに時間帯ごとでは、平日12〜13時の時間帯の下り通信速度の遅さが目立っている。事業者間で異なる結果が出たものの、同社はいずれも十分に実用に耐えうる通信品質水準だと結論づけている。

リリース本文

 以下、リリースの本文です。

下り速度は、mineo、楽天モバイル、BIGLOBE SIM、IIJmioが上位グループに。

 実測の結果、下り通信速度はmineo 21.56Mbps、楽天モバイル 19.29Mbps、BIGLOBE 18.04Mbps、IIJmio 17.51Mbpsとなり、この4事業者が4Mbps以内で上位グループとなる結果となった。このうち楽天モバイルについては、当社で2015年9月に発表した「格安スマホ&大手携帯キャリア通信速度実測調査」時にも測定しており、測定地点こそ異なるものの、その時の10.8Mbpsから数値を改善した。

 測定結果上位となった事業者は、東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線と路線ごとに見ても極端に速度が遅い路線が見られなかったことが、良好な結果を記録した要因である。

 一方で、OCNモバイルONEは九州新幹線 (3.01Mbps)の結果が、また、b-mobileは東海道新幹線 (7.45Mbps)、九州新幹線 (4.81Mbps)の結果が芳しくなかったことが、苦戦の要因となった。

上り速度はIIJmioが11.3Mbpsでトップ。下りと比べると、各社の速度差は小さい。

 上り通信速度はIIJmioが11.34Mbpsでトップとなり、BIGLOBE SIMが9.12Mbpsでこれに続いた。以下、楽天モバイル (8.11Mbps)、OCNモバイルONE (8.04Mbps)、mineo (7.88Mbps)、b-mobile (7.20Mbps)となる。IIJmioが頭一つ抜けているものの、6事業者の速度差は大きくなく、下り通信速度の傾向とは異なる。

山陽新幹線の下り速度平均19.3Mbpsに比べ、九州新幹線は12.0Mbpsと地域差。

 路線ごとの速度差は、特に下り通信速度で著しい。6事業者平均の下り通信速度は、東海道新幹線 15.93Mbps、山陽新幹線 19.31Mbps、九州新幹線 12.03Mbpsとなり、地域差が見られる。山陽新幹線は、下り通信速度の6事業者平均 1位の新倉敷駅(46.67Mbps)や3位の三原駅(25.10Mbps)、4位の新神戸駅(24.76Mbps)が含まれていたことなどが、路線平均を押し上げた。

平日12時台の下り速度平均は1.3Mbpsと、全時間帯平均16.3Mbpsと大きな差。

 時間帯ごとに見ると、特に平日12〜13時の時間帯の下り通信速度の遅さが目立つ。同時間帯の下り通信速度の6事業者平均は1.29Mbpsであり、全時間帯の16.32Mbpsと比べて大きな差がついた。平日12時台の下り通信速度が最も速かった楽天モバイルでも3.34Mbpsであり、1Mbps以下の事業者も目立った。

利用者が多くなる時間帯であるため、回線自体が混雑していることは当然考えられるが、直前、直後の時間帯と比べても極端に遅くなっているため、実質的に速度制限のような対応をしている事業者もあるのかもしれない。

 今回の調査では、NTTドコモからネットワーク回線を借り受けるMVNO事業者の格安SIMを横並びにして、通信速度を比較した。カバーエリアや理論上の最大通信速度自体はNTTドコモと同等であるはずだが、MVNO事業者側の設備の状況や混雑状況の違いなどが実効速度に影響し、結果は事業者間で異なるものとなった。だが、いずれも十分に実用に耐えうる通信品質水準であると言えよう。

 もちろん、今回の調査結果(東海道新幹線、山陽新幹線、九州新幹線の全46駅ホームでの実測結果)をもって、MVNO事業者の全国の通信速度の実態を網羅できてはいない。だが、日本の大動脈である新幹線の駅において下り通信速度、上り通信速度をそれぞれ828回ずつ測定した結果であり、ある程度実効速度の参考になるものと考えている。

 ICT総研では今後も、「つながりやすさ」や「通信速度」について、ユーザーが利用するさまざまなシーンを想定し、ユーザーにとって指標となる実測データを定期的に提供していく方針である。

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