Appleが11月に、iPhone用の純正バッテリー内蔵ケース「Smart Battery Case」のiPhone 11シリーズ向けモデルを発売した。このケースは従来から展開されてきたものだが、iPhone 11シリーズ向けのモデルでは新たに「カメラボタン」が追加されている。
筆者も私用の「iPhone 11 Pro」で使うべく「iPhone 11 Pro Smart Battery Case with Wireless Charging」のホワイト(直販価格で1万4800円)を購入した。この記事では、その使い勝手について紹介したい。
このケースは、先述の通りモバイルバッテリー機能を備えている。ケース内側にはLightningコネクターがあり、iPhoneのLightning端子に差し込むように装着する仕組みとなっている。
ケースの内側に記されたバッテリー容量は「1430mAh」。仕様では稼働時間が何時間延びるのか、具体的な数値では示されていない。その代わり、ケースを満充電にした状態で装着するとiPhone 11 Proの稼働時間を最大50%ほど伸ばすことが可能、という旨が記されている。
実際にiPhone 11 Proに満充電のSmart Battery Caseを装着して使った所、ヘビーユーザーの筆者でも、Apple Watchを接続しない状態だと、平均して2日目の夕方まで連続して使用できた。使い方次第では、丸2日は使えるかもしれない。
ケース自体の充電は、ケース下部にあるLightning端子から行う。この端子は「USB Power Delivery(USB PD)」に対応しているので、18W以上の出力を持つUSB PD電源を使えば、より短時間で充電できる。Qi規格に準拠したワイヤレス充電もサポートする。iPhoneを装着したままで、充電できるので扱いやすい。
Lightningで接続する周辺機器についても、ケースを装着したまま使用可能だ。筆者がたまに使用している有線キーボードを接続してみた所、Smart Battery Caseを着けたまま問題なく利用できた。もちろん「EarPods」もつなげる。
このケースは装着した充電できることが魅力だが、取り外してiPhoneと別々に充電すれば、より短い時間で充電を完了できる。小技として覚えておきたい。
iPhone 11シリーズ向けのSmart Battery Caseで新たに搭載されたカメラボタンは、右側面の下部に備わっている。右手でiPhoneを横持ちした際に人差し指で押せる位置だ。
デザインとしてはない方がスッキリとするが、機能的には便利になった。ボタン自体は内側に向かって若干くぼんでいるので、手のひらで握っているときに誤操作してしまうことはまずない。
カメラボタンを長押しすると、ロック/スリープ時で画面が消えている状態でもカメラアプリが即座に起動する。スリープを解除して、ロック画面からカメラアイコンを長押しして……と操作するよりも素早く撮影に移れるので、ここぞというシャッターチャンスを狙う際には重宝すると思う。
カメラアプリの起動中は、カメラボタンを1度短く押すとシャッターが切れる。長押しすると、静止画撮影モードであってもボタンを押している間は動画を撮影できる。動画撮影モード時は、カメラボタンが撮影の開始/停止の切り替えボタンとして動作する。
実際に使用してみた所、起動から撮影までを滑らかに操作でき、使い勝手はなかなか良いと思った。ただし、iPhoneを縦持ちする場合など、カメラボタンがかえって使いづらい場面もあるので無理に使用する必要はない。
そもそもiPhone 11 Proの仕様には「iPhone XSより最大4時間長いバッテリー駆動時間」と記されている。以前の記事で検証した通り、iPhone 11 ProならWi-Fi経由のYouTubeを14時間程度視聴できる。従来モデルと比べてもバッテリー持ちは飛躍的に向上しているので、大抵の場合スタミナ不足で悩むことはあまりない。
とは言え、旅行や出張時などではバッテリー持ちが長いに越したことはないし、カメラアプリの長時間使用や、Apple Watchなどの周辺機器との連携を行えばバッテリーの減るスピードは早くなる。iPhone 11シリーズのポテンシャルを引き出すために、Smart Battery Caseはぜひ導入を検討したいアイテムといえる。
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