「5Gに向けて弾を込めている」 ファーウェイ呉波氏が語る、激動の2019年と2020年の展望SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/4 ページ)

» 2019年12月27日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

Androidを最優先するが、独自のエコシステムを作る

―― 現状では、新規開発の端末にGMSを搭載できません。その5G端末は、HMSになるという理解でよろしいでしょうか。

呉氏 弊社の全てのスマートフォンに関することですが、方針としては、Androidは最優先で搭載していきます。今でもGoogleとは良好な協業関係を保っています。ただし、もし米国がそれを使わせないと言ってくるのであれば、独自のエコシステムを作り上げる必要があり、その能力はあります。AppleやGoogleと同じように、自社でエコシステムを作っていくということです。

 既に弊社にはアプリマーケットやHMSがあります。アプリマーケットの「AppGallery」は170の国や地域で展開し、アクティブユーザー数も3.9億人になっています。また、AppGalleryに登録している開発者の数も、全世界で100万を超えました。日本でも、初の開発者大会を開催します(※インタビュー時は開発者大会の直前)。

 この開発者大会ですが、あまりにも出席者数が多くなってしまったため、実は既に2回ほど会場を変えています(笑)。当初押さえていた会場では人が入りきらず、1回大きい場所に変えたのですが、それでも収まりきらない数になりました。問い合わせも、毎日のようにたくさんの開発者から届いています。この反響は、正直、われわれの予想を超えたもので、手応えが大きかったことには、私自身も感動しています。

―― 日本は、比較的アプリの開発者が多く、ゲーム会社も多いと思います。日本で開発者大会を開催したのは、こうした開発者にアプローチする狙いがあるのでしょうか。

呉氏 はい。アプリの中で、ゲームは非常に重要な分野です。また、日本発のアプリは、バラエティーの豊富さや完成度の高さで、アメリカに引けを取りません。ただ、これらの会社は、あまり積極的に海外進出をする動きがありませんでした。そのため、弊社とは非常に強い補完性があるのではないでしょうか。

 これまで日本のパートナーと組んできたかいがあって、弊社のハードウェアは、品質の高さや実用性では最先端を走っているという自負があります。しかし、日本にはソフトウェアの会社もたくさんあります。(ハードウェアと同様)彼らのために、弊社がプラットフォームや技術を提供し、われわれを通して海外に進出するお手伝いができればと考えています。こういったことが見えているからこそ、応募者がどんどん増えているのだと思います。

Huawei 開発者はHMSに登録をすれば、世界中にアプリを配信できるようになる

―― ちなみに、AppGalleryではHuawei側はどのぐらいの手数料を取るのでしょうか。GoogleやAppleより安いと、それなりにニーズはありそうですが。

呉氏 発表会でもお話しした通り、開発者支援のため、「Shining-Starプログラム」を立ち上げ、10億ドルの資金を用意しました。確かに手数料についても重要なファクターですが、各社とNDAを交わしているので、数字をここで披露することはできません。ただし1ついえるのは、この市場に後発で参入するものとして、お得な条件を提示しているということです。今までの手数料を負担に思っていた開発者がいるのも事実で、新しいプラットフォームで負担を感じさせない仕組みがあれば、興味を持っていただけると思います。

 また、例えば無料で上位に来るようにオススメすることもやっています。これを使えば、開発者が自前で宣伝する必要がありません。

―― かなり本気の取り組みに聞こえましたが、例えば明日、GMSが使えるようになった場合はどうするのでしょうか。

呉氏 繰り返しになってしまいますが、弊社のポリシーとしては、Googleとの提携を優先しています。OSに関しては慎重に進めていきますが、Googleとの業務提携の関係を優先させることに変わりはありません。

―― AppGalleryも残るため、GMSが復活しても、開発者側の無駄にはならないという理解でよろしいですか。

呉氏 もちろんです。既に日本の端末にも、GoogleのPlayストアだけでなく、AppGalleryが入っていますし、日本の消費者にも使われています。さらに、ローカルなアプリがたくさん入っているのも特徴です。AppGalleryには、GoogleやAppleに提供できないアプリもあります。

―― 開発者大会は日本以外でも開催されています。実際に、イベントではどういったことが行われているのでしょうか。

呉氏 シンガポールとスペイン、イタリアでは日本と同様、何回か場所を変えた経緯があります。Huaweiと開発者の間で、踏み込んだコミュニケーションが取れるのが、このイベントの役割です。その場でテーマを決めた、ホットな技術の議論や、業界内での成功事例の共有、さらにはHuawei端末にどういった機能があり、どういったサービスが提供されているのかといったお話をしています。

 Huaweiにとって、この開発者大会は世界中の開発者と突っ込んだ議論ができるプラットフォームです。世界中の開発者と手を携えながら、スマートなエコシステムの体験を実現してきたいと考えています。

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