「5Gに向けて弾を込めている」 ファーウェイ呉波氏が語る、激動の2019年と2020年の展望SIMロックフリースマホメーカーに聞く(3/4 ページ)

» 2019年12月27日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

P30 liteは日本でも好調、P20 liteを上回る実績

―― 次に、2019年1年を振り返っていただければと思います。販売延期など、いろいろなことがありましたが、P30 liteの売れ行きは好調だとうかがっています。実際の手応えはいかがでしたか。

Huawei 2019年も売れ筋モデルとなったlite系の最新モデル「HUAWEI P30 lite」

呉氏 まずグローバルのお話をすると、P30シリーズの中のP30 ProとP30は、合計販売台数が2000万台を超えています。これは、P30 liteを含めない数字です。P20シリーズのライフサイクル全体で売れた数を、短期間で超えることができました。しかしながら、P30 liteの販売台数は、より大きなものになります。具体的な数値は本社側で公開していないため、私が申し上げることはできませんが、日本市場でも好調です。日本市場では、1つ前の「P20 lite」を全面的に上回る実績で、SIMフリー市場とキャリア市場のどちらにおいても、非常にいい成果を出すことができました。

 ヨドバシカメラやビックカメラなどの旗艦店に行かれるとお分かりになるかと思いますが、どこに行ってもP30 liteが目に飛び込んでくる状態になっています。日本のお店では、アクセサリーのコーナーも大きくなりました。これまで、アクセサリーといえばAppleが一強で、他のメーカーのものは探してもなかなか見つかりませんでしたが、今はヨドバシカメラでもビックカメラでも、Huawei専用のアクセサリースペースにかなりのスペースが割かれています。Apple以外で、最も場所を占めているのは弊社ではないでしょうか。これらのアクセサリーも弊社が作っているわけではなく、日本のサードパーティー製のものがほとんどですが、こういったものを作っていただけるのも、販売台数があるからです。

5Gでもコスパの高いスマホを出す

―― GMSを採用できるかどうかはまだ不透明ですが、2020年のP40 lite(仮)も楽しみですね。

呉氏 はい。次は間違いなく5Gになりますからね。これも繰り返しになってしまいますが、5Gは非常に大きな勢いになります。ただ、日本の業界全体で、これを迎える準備ができていません。そのため、5Gの到来に伴い、より多くの海外メーカーが参入してくることになると思います。

―― そこまで5G対応になるというのは、少々驚きです。

呉氏 弊社の創業者(任正非氏)は、メディアのインタビューで、「2020年、中国市場で1000元(約1万5600円)の5Gスマートフォンが登場する」と語っています。これ以上、具体的なことは申し上げられませんが、コストパフォーマンスは、必ず5Gスマートフォンの方が高くなります。これは、ハイエンドだけでなく、ミドルレンジやローエンドもです。さらに言えば、その5Gの伝送速度を生かすため、2020年以降はどのセグメントでも、高い解像度のカメラを搭載した端末が登場します。

―― ちなみに、Mate Xを期待しているユーザーも多いと思います。これについては、何か進展がありましたか。

呉氏 中国では発売され、非常に売れています。むしろ供給が追い付かない状態で、中古市場ではメーカー希望小売価格の3倍から4倍ぐらいまで、値段がつり上がっています。私が目にした一番高い価格は、タオバオで見た200万円でした(笑)。

Huawei 「HUAWEI Mate X」のような折りたたみ端末が日本で登場する日も近い?

―― 200万円(笑)。そこまで供給が足りないと、日本に導入されるのは先になりそうですね。

呉氏 ただ、実はMate Xは、日本市場のために開発した端末なのです。その証拠に、(現時点では中国で利用されていない)ミリ波にも対応しています。とはいえ、日本の5Gはもう少し先になってしまうので、そのときには中国市場での販売も終わっている可能性があります。私の希望としては、そのときに最新の端末を日本に持ってきたいと考えています。今は旬かもしれませんが、2020年どうなっているかは分からないですからね。日本の消費者は目が肥えているので、何らかの独自性や商品性の高さがないと、なかなかお眼鏡にかないません。5Gがスタートすれば、恐らく全てのメーカーが折りたたみ端末を出すようになるでしょう。そのときに、一番競争力のあるものを持ってくることができればと思います。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年