5G、1億画素カメラ、折りたたみ――2020年の中国スマホトレンドはこれだ山根康宏の中国携帯最新事情(1/3 ページ)

» 2020年02月06日 06時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 最新技術の導入で他国に後れを取っていた中国も、2019年11月に5Gサービスを開始して、一気に挽回した。その中国で2020年にはどんなスマートフォンが登場するのだろうか?

中国 2020年は世界最大の5G大国となる中国

5G加入者「億」到達なるか、既に世界最大の5G市場となった中国

 中国の5Gユーザー数は順調に増えている。China Mobile(中国移動)が1月に発表した数値によると、同社の5G加入者数は302万人、5Gスマートフォンの販売台数は380万台に達したとのこと。2019年末時点の同社の総加入数は9億5027.7万、うち4Gは7億5801.4万。5Gの比率は全体のわずか0.3%と少ないが、2020年は5Gシフトが一気に加速するだろう。China Mobileでは2020年の5G加入者総数が1億を超えると予想している。

 5Gの通信料金はChina Mobile、China Telecom(中国電信)、China Unicom(中国聯通)の3社でほぼ横並びであり、China Mobileの最低料金は月額128元(約2000円)で無料通話200分+無料データ30GBとなっている。しかし実際は既に割引プランが提供されており、月額89元(約1400円)のプランもある。データ利用分は10GBに減るが、4Gの延長的な利用ならば十分だろう。しかも加入から半年は月額59元(約900円)に割り引かれる。4Gならさらに安い最低料金はあるものの、ここまで安ければ5Gへの移行を考えるユーザーも増えるだろう。

中国 5G料金は早くも割引が始まっている。最低プランは月額約900円だ

 5G端末もXiaomi(シャオミ)が1999元(約3万1000円)の「RedMi K30 5G」を、Realmeが2499元(約3万9000円)の「Realme V50 5G」を発売し、4Gスマートフォンと大差ない価格で購入できる。またTCLはCES 2020で500ドルを切る5Gスマートフォン「TCL 10 5G」も発表。5万円程度で買える5Gスマートフォンとしてこちらも中国で発売されるだろう。

中国 500ドル5Gスマホの「TCL 10 5G」

 家電メーカーのHisense(ハイセンス)も5Gスマートフォンを2020年に投入する。同社初の5Gスマートフォン「F510 5G」は、プロセッサにQualcommやMediaTekではなく、Unisoc(ユニソック)の「Ivy 510」を採用している。Unisocは旧Spreadtram(スプレッドトラム)時代から低価格タブレット向けのプロセッサなどを手掛けてきた。Ivy 510もQualcommなどに比べ、低コストの5G対応プロセッサであり、F510 5Gも低価格で販売されることが期待できる。

中国 Unisocの5Gプロセッサを採用したHisenseの「F50 5G」

 2020年は各社から5Gスマートフォンが次々と登場する予定だが、4G時代のようにハイエンドモデルばかりが出てくるのではなく、低価格で値ごろ感のあるコスパモデルも次々と投入される。そして5G加入者数を増やしたい通信事業者側もそれらのモデルを積極的にプロモーション展開するはずだ。

 スマートフォン以外にも5G端末は多数登場する予定だ。家電メーカーを中心に5GとWi-Fi 6を搭載した据え置きタイプのルーターやCPE(家屋内固定装置)が製品化されており、光回線の普及が遅れている地方などで販売される。中国では家庭内の監視カメラやドアの開閉センサーといったスマートホーム製品が増えているが、それを接続するためには家庭内に高速なネット環境が必要となる。5Gのホームルーターがあれば固定回線を引かずとも家庭内に高速ネット環境を敷設でき、それらスマートホーム機器も積極的に利用できる。家電メーカーは5Gルーターとスマートホームをセットにした販売を増やしていくだろう。

中国 Chang Hong(チャンホン)の家庭用5G CPE

 また、テレビにも5G搭載が始まろうとしている。Konka(コンカ)はCES 2020で8K TVに5Gモデムを搭載したプラットフォームを展示しており、2020年は「5G TV」を販売する予定だ。日本以外の国ではIPTVの普及が大きく進んでおり、テレビはネットにつないで利用するのが一般的だ。しかし5G TVならネットにすらつなぐ必要はなく、SIMカードを入れて電源を投入すれば、そのままIPTVに接続できる。しかも8Kの高画質放送にも対応できるというわけである。

 5Gではまだキラーサービスが出てきていないが、今後は5G内蔵のVRヘッドセットなども登場し、ゲーミングや教育市場で導入されていくだろう。高速・低遅延な5Gの特性を生かしたアプリケーションもそれらの分野から生まれてくるはずだ。5Gユーザーが億を超えればそれだけ新しいアプリケーションも生まれやすくなり、それが海外へも展開されるという時代になる可能性は高い。中国が5G市場をけん引する存在になる理由はここにあるのだ。

中国 コンカの5G 8K TVプラットフォーム

 なお、China Mobile以外の事業者では、China Telecomが5G利用者数を800万人と発表した。これが本当なら、China Mobileと合わせ、中国では既に1000万を超える5G加入者がいることになる。ちなみに中国以外では韓国の5G加入者数が2019年10月末時点で400万人に達し、中国はその数を一気に追い抜いたことになる。とはいえ、China Telecomのこの数は国内でも疑問視されており、実際はその数分の1と見られている。

 また3大キャリアのもう1社、China Unicomは5G加入者数を発表していない。おそらく2社に大きく引き離され、100万にも到達していないのかもしれない。いずれにせよ、2020年には3社合計で1億の5G加入者数を超えることは確実だろう。

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