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» 2020年02月10日 07時00分 公開

改正法によって解約率が低下 “シニアとキッズ”にアプローチして差別化を図るイオンモバイル (1/2)

イオンモバイルは2月6日、独自のフィルタリングサービスや60歳以上限定の音声通話プランなどを発表し、親子スマホ勉強会を開催した。改正法により、端末のキャッシュバックが減った影響で、イオンモバイルの解約率は下がっているという。シニア向けの料金プランやキッズ向けのフィルタリングサービスで差別化を図っていく。

[金子麟太郎,ITmedia]

 イオンモバイルは2月6日、独自のフィルタリングサービスや60歳以上限定の音声通話プランなどを発表し、親子スマホ勉強会を開催した。6日に行われた会見には、イオンリテールの専門事業本部 モバイル事業部長の井関定直氏が登壇し、これまでの歩みを振り返りつつ、親子スマホ勉強会に対する思いを語った。

aeon イオンリテールの専門事業本部モバイル事業部長の井関定直氏

改正法の影響で解約率が明確に低下した

 イオンモバイルは2016年にMVNOサービスを開始し、安全安心のサービスを低価格で提供することに重きを置く。最大の強みは全国に店舗網を持つことだ。

aeon ターゲットを絞ったサービスを展開している

 井関氏は2019年を「法改正や消費増税など2つのトピックがあり、われわれにとっても先行き不透明感があった」と振り返る。そんな中でもイオンモバイルは、ターゲットを絞って各サービスを提供してきた。

 代表的なところでは、月額850円(税別、以下同)の「やさしい10分かけ放題」とイオンモバイルのデータ通信サービスをセットにした「やさしいスマホサービス」や、25歳以下のユーザーに対して3年間、データ容量を1GB増量する「3年学割」が挙げられる。2019年春頃から提供を始めたサービスで、主にシニア世代や学生をターゲットとしている。

 井関氏は「こうしたサービスの影響も大きく、間もなく60万回線を突破する見込みだ」と手応えを語る。2019年1月末に50万回線を突破したので、ここ1年で約10万回線を得られたことになる。同社が目標に掲げている100万回線まであと約40万。井関氏は「3年ぐらいで達成したい」と話す。

 改正法施行後の変化について井関氏は「2019年9月には駆け込み需要があり、10月以降は解約率も下がった」と話す。イオンモバイルは、もともと解約料を設定しておらず、転出のハードルが低いが、それでも「キャリアの大きなキャッシュバックを目当てに出ていかれる(転出する)方が一定量いたことは事実。これが改正法によって、明確に数値が変わった」という。

aeon イオンモバイルはまもなく60万回線を突破

 中でも70歳以上の乗り換えが過去3年間で最も増えている。この理由について井関氏は「キャリアが先般発表した3G停波による影響だ」と話す。実はイオンモバイルにとって、大手キャリアによる3G停波は、顧客獲得のチャンスでもある。キャリアの3Gが停波する前に、イオンモバイルのスマホに乗り換えてもらうのが狙いだ。

aeon 70歳以上の乗り換えが過去3年間で最も増えている

 これらを踏まえて、60歳以上のユーザーを対象に打ち出したのが、月額980円の「やさしいプランmini.」という新料金プラン。電話やメールなどの利用が多く、データ通信をあまり消費しないユーザーに向けたものだ。井関氏は「シニアによるスマホへの乗り換えを一押しできれば」と期待を寄せる。

aeon データ容量を200MBに抑えた月額980円の「やさしいプランmini.」

 また、2019年秋からシニアを対象に、スマホの設定を代行する有償サービスも提供している。当初はGoogleアカウントの設定のみを試験的に(有償で)行っていたが、「それ以外も有償でいいからやってほしいという声があった」ことから、サービスを拡充した。

aeon スマホ設定サポートのニーズが高いことから、19年11月からは内容を拡充して提供

 同時期には全国のイオン店舗でシニアを対象に、スマホの勉強会を開催。「中には開催される度に参加してくださる方もいた」と、シニア層への手応えを語った。加えて「今後はシニアだけでなく親子を対象とした勉強会を引続き開催していく」と述べた。(井関氏)

aeon 全国のイオンでスマホ勉強会を開催

独自フィルタリング機能を提供する狙い

 シニア層を順調に囲い込む一方で、「子どもやその親に対する施作が足りていない」と井関氏は指摘する。

 イオンモバイルの運営元であるイオンリテールが2020年1月に実施した調査によると、アンケートに回答した保護者のうち80%が子どものインターネット利用について不安に感じているという。また井関氏によると、2018年には1811人もの子どもがインターネットの利用によってトラブルに巻き込まれており、その数は増加する傾向にあるという。

aeon イオンリテールが2020年1月に実施した調査の結果を示すグラフ

 一方で、約半数の保護者がフィルタリングを入れるべきであると回答しながらも、「実際に入れている人は少ない」と井関氏はいう。これを受けて、イオンモバイルでは独自のフィルタリングサービス「イオンモバイルセキュリティPlus」を月額200円で提供する。

aeon イオンモバイルセキュリティPlus

 同サービスは、フィルタリング専用ブラウザからのアクセスによる制限だけでなく、ChromeブラウザやSNS(LINEやTwitter)など、他のアプリ内ブラウザを使った場合もフィルタリングが機能するように設計している。子どもによるスマホ利用の時間を制限したり、ゲームなどのアプリで子どもが勝手に課金したりしないように制限する機能も備える。

aeon SNSブラウザから有害サイトへアクセスした場合にもしっかり遮断する
aeon Filii(フィリー)も月額364円のオプションとして提供する。スマホの利用データを分析する機能を備える
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