KDDIが「かえトクプログラム」を提供する狙い ドコモ、ソフトバンクと比べて端末は安くなる?石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2020年02月22日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

ドコモの「スマホおかえしプログラム」や、ソフトバンクの「トクするサポート」との差分は?

 現状では、ドコモが「スマホおかえしプログラム」を、ソフトバンクが「トクするサポート」を提供している。ドコモは自社回線のユーザー限定で、対象はハイエンドモデルのみ。36回の割賦を組み、うち最大で12回が免除される仕組みだ。厳密に言うと単純に割賦の支払いを免除しているだけなので残価ではないが、無理やりauのかえトクプログラムに当てはめてみると、ハイエンドモデルの残価率を一律で約33%にしていることになる。プログラム料は不要で、この点はauと同じだ。

かえトクプログラム ドコモのスマホおかえしプログラムは、ハイエンドモデル限定。免除される額も、端末価格の3分の1で自動的に決まる

 かえトクプログラムの場合、iPhoneはおおむね残価率が40〜45%の間に設定されている。「iPhone 8」と「iPhone XR」は64GB版がそれぞれ30%、35%と低いが、全体として見れば、ドコモのスマホおかえしプログラムより残価率は高い。ただし、ドコモは分離プランの導入にあたって粗利を削って端末価格自体を下げているため、単純に率だけでは比較できない。64GBのiPhone 11は、ドコモが8万7120円なのに対し、auは9万720円だ。本体価格自体はドコモの方が安いが、残価率の差が効き、実質価格はドコモが5万8080円、auが5万3935円と逆転する。かえトクプログラムが効果を発揮したというわけだ。

かえトクプログラム iPhone 11は、対ドコモで見た場合、4000円以上安くなる

 逆に、残価率が低めのAndroidだと、ドコモの方がわずかながら安くなるケースも出てくる。秋冬モデルの「Xperia 5」だと、ドコモの実質価格が5万8608円なのに対しauは5万8650円で、42円ほどauが高くなる。免除される額の割合はauが大きいものの、本体価格の差が効いた格好だ。とはいえ、「Galaxy Note10+」や「AQUOS zero2」のように、auの方が安くなる場合もあり、一概には言えない。また、ドコモのスマホおかえしプログラムはミドルレンジモデルが対象外になるため、このレンジの端末はauに軍配が上がる。

かえトクプログラム 秋冬モデルとして発売されたXperia 5は、わずかながらドコモの方が安い。もともとの販売価格を抑えたことが奏功した

 ソフトバンクのトクするサポートは、もともとの名称が「半額サポート」だったことからも分かる通り、48回割賦のうち、24回分を免除する仕組みだ。残価率に合わせてみると、50%と非常に高くなる。一方で、トクするサポートは月額390円のプログラム料がかかる。この390円まで加味すると、実質価格は上がることになる。また、割引率が大きい分、一部を除くと端末価格も高止まりしている傾向がある。

かえトクプログラム ソフトバンクのトクするサポートは、免除される額が大きい一方で、390円のプログラム料がかかる

 これらの条件を踏まえたうえで、上記と同じ端末で価格を比較してみた。まずiPhone 11の64GB版は実質価格が4万4640円で、auより安くなるが、24カ月分のプログラム利用である9360円を含めると5万4000円になり、auより65円ほど高い。他のiPhoneも、わずかながらソフトバンクのトクするサポート適用時を下回る。iPhoneの残価率が高いのは、他社対抗、特にソフトバンク対抗という意味合いが強そうだ。

 Androidはトクするサポートに比べ、割引率が劣っているように見える一方で、比較してみると、必ずしもそうではないことも分かる。先に挙げたXperia 5の場合、ソフトバンクの実質価格は4万9320円で、ここにプログラム利用料の9360円がかかる。わずかな差だが、auの方が30円安い。一部例外はあるものの、おおむね他社と同水準か、他社を下回る実質価格になっていることが分かるはずだ。

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