ただし、Rakuten UN-LIMITにおける「速度制限」に関する説明が適切かどうかは別の話です。
Rakuten UN-LIMITの速度制限について、楽天モバイルは「重要事項説明」やWebサイトで周知してはいます。しかし、既にITmedia Mobileが報じている通り、具体的にどのような条件で通信速度制限をしているのかは明記していません。1日当たり10GB通信すると通信制限されることは、実際に使ってみて初めて知りました。
Rakuten UN-LIMITは月額2980円(税別)ですが、300万人を対象に1年間限定で無料提供しています。「月額料金がタダなら、多少は速度制限がかかっても許せる」と思わないわけではありませんが、キャンペーンで月額料金が無料であることと、速度制限に関する事前説明を十分に行うことは、本来「トレードオフ」にはならないはずです。
「データ通信量使い放題」をうたうモバイル通信サービス関連のトラブルとしては、2015年に発生した、UQコミュニケーションズのWiMAX 2+通信サービスにおけるものが記憶に新しい所です。
このトラブルの原因は、実際は3日当たりの通信量に基づく通信速度制限(※2)があったにも関わらず、同社がそれを十分に周知せず、「月間容量制限なし」「使い放題」を強調した宣伝や集客を行ったことにあります。この問題について、同社はユーザーから民事訴訟を提起され、最終的に敗訴してしまいました。
(※2)問題発生当時は「3日当たり3GB」だったが、現在はしきい値が「3日当たり10GB」に変更されている。なお、これとは別に「ハイスピードプラスエリアモード」利用時の通信容量制限もある
翻ってRakuten UN-LIMITのことを見てみると、定期契約(いわゆる「縛り」)がなく、そもそもの月額料金が手頃で、多くのユーザーは1年間無料で使えることから、2015年当時のWiMAX 2+サービスと比べると「経済的な負担」は少ないことは間違いないでしょう。
しかし、通信容量に基づく速度制限を行うのであれば、事前にその内容を分かりやすく告知するのが誠実だと思います。今後、楽天モバイルが速度制限について明確な説明をするかどうか、注目したいと思います。
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