Redmi Note 9Sほどではないが、同時に発表されたMi Note 10 Liteも、コストパフォーマンスは高い。メインカメラの画素数が6400万画素になったことで、1億800万画素のカメラを搭載したMi Note 10やMi Note 10 Proのような独自性は薄れた一方で、価格は3万9800円と、ミドルレンジ端末のボリュームゾーンとなる3万円台にギリギリ収めることができた。
カメラこそスペックダウンしているものの、プロセッサは上位モデルと同じ「Snapdragon 730G」で処理能力が高く、ディスプレイも3D曲面有機ELで、しかも指紋センサーはディスプレイ内蔵型だ。5260mAhの大容量バッテリーも搭載しており、この価格帯のスマートフォンとしては申し分ない性能といえる。参入当初はMi Note 10、Mi Note 10 Proで技術力をアピールしていたXiaomiだが、6月に発売する2モデルでは、本気で市場を取りにきたように見える。
2機種の投入に合わせ、当初はAmazonだけだった販路も拡大。Mi Note 10、Mi Note 10 Proも一部のMVNOが徐々に採用を決めていったが、Mi Note 10 LiteやRedmi Note 9Sは、当初からLINEモバイルやIIJmio、goo Simseller(OCN モバイル ONE)が取り扱う。ワン氏によると、「さらに多くのパートナーと連携関係を築く予定」だという。
また、これまでXiaomiのスマートフォンを販売していなかった大手家電量販店各社も、Mi Note 10 LiteとRedmi Note 9Sの取り扱いを表明している。ネット販売でスタートしたため、新規参入したといっても、見かけることが少なかったXiaomiのスマートフォンだが、Mi Note 10 LiteやRedmi Note 9Sは、目にする機会も増えそうだ。その意味で、ついにXiaomiが日本市場の攻略に本腰を入れたと捉えることができる。
とはいえ、SIMフリー市場で下克上を狙うのはXiaomiだけではない。先に日本市場に参入を果たしたOPPOも、Reno Aの廉価版ともいえる「Reno3 A」のUQ mobile版を発表した。おサイフケータイへの対応も早く、日本市場へのローカライズを徹底する方針で、ユーザーからの支持も厚い。レノボ傘下のモトローラも、3月から5月にかけ、「moto g8」シリーズを発売した。にわかに新規参入メーカーも増え、SIMフリー市場は、しばらくの間、乱戦模様になりそうだ。
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