火花散らすHuaweiとXiaomi 王者不在のSIMフリー市場で“下克上”が起きるか?石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2020年06月06日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 6月2日に、HuaweiとXiaomiが日本で販売するSIMロックフリースマートフォンを発表した。HuaweiはP40シリーズを一挙に発表。フラグシップモデルの「HUAWEI P40 Pro 5G」や、ミドルレンジモデルの「HUAWEI P40 lite 5G」「HUAWEI P40 lite E」を投入する。対するXiaomiは、参入第1弾となった「Mi Note 10」「Mi Note 10 Pro」の廉価版にあたる「Mi Note 10 Lite」を発表。さらに、日本初展開のRedmiシリーズとして、コストパフォーマンスに優れた「Redmi Note 9S」を投入する。

Huawei P40シリーズ3機種を発表したHuawei。写真は新たにファーウェイ・ジャパンのデバイスプレジデントに就任したヤン・タオ氏
Xiaomi Xiaomiは、新たにRedmiシリーズを日本で展開する。Mi Note 10の廉価版である「Mi Note 10 Lite」も発表した

 世界シェア2位のHuaweiと4位のXiaomiは、いわば中国の2大メーカー。どちらもカメラの画質やコストパフォーマンスの高さを売りにする一方で、2社の置かれている状況は大きく異なる。日本のSIMフリー市場ではトップの座につくHuaweiだが、米国の制裁によってGMS(Google Mobile Service)の搭載を断念せざるをえなくなった。ここに対し、Xiaomiはコストパフォーマンスに優れた端末を引っ提げ、猛烈な勢いで追い上げをかける構図だ。ここでは、2社の発売する最新モデルと、その戦略を解説していきたい。なお、価格はいずれも税込みで表記する。

P40シリーズは全機種HMS対応に、P40 liteは2バリエーション展開に

 Huaweiは、フラグシップモデルのP40 Pro 5Gと、ミドルレンジモデルのP40 lite 5G、P40 lite Eの3機種を発売する。P40 Pro 5Gは、3月にグローバルで発表された端末。デュアルカメラや大型センサー、ペリスコープ構造の望遠レンズなど、スマートフォンのカメラに数々の新機軸を打ち出してきたPシリーズの最新モデルに位置付けられる。P40 Pro 5Gは、これまでのものよりさらに大型の1/1.28型センサーを採用。2019年にドコモから発売された「P30 Pro」と同様、光学5倍、ハイブリッド10倍のズームカメラも搭載する。

Huawei 1/1.28と大型のセンサーを搭載し、撮影機能に磨きをかけた「P40 Pro 5G」
Huawei ペリスコープ型の望遠カメラも健在。光学ズームで5倍、ハイブリッドズームで10倍まで被写体に寄ることができる

 超広角カメラも、4000万画素に高画素化し、センサーサイズは1/1.54型にアップ。動画撮影用のカメラとして、その役割を明確化した。プロセッサにはKirin 990 5Gを搭載。AIの処理能力があったことを生かし、P40 Pro 5Gには、背後に写った通行人の写り込みを消す機能や、ガラスなどに移り込んだ反射を軽減する機能が搭載されている。SIMロックフリーモデルながら、5Gに対応しているのもP40 Pro 5Gの大きな特徴。デュアルSIM仕様で、2枚目のSIMカードは物理SIMとeSIMのどちらか一方を選択できる仕様だ。

Huawei
Huawei 背後に写り込んだ通行人や、ガラスに反射した映り込みを削除する機能に対応した

 最先端の機能をふんだんに盛り込んだP40 Pro 5Gに対し、Huaweiはミドルレンジモデルで販売をけん引するP liteシリーズのバリエーションを2機種に広げた。1つが5G対応のP40 lite 5G、もう1つが従来のP liteよりも価格を抑えたP40 lite Eだ。P40 lite 5Gは、5Gに対応しながら、価格は4万3780円に抑えた1台。5G対応モデルが軒並み10万前後の値付けをする中、ミドルレンジモデルとはいえ、インパクトのある価格設定といえる。

Huawei ミドルレンジながら5Gに対応した「P40 lite 5G」

 一方のP40 lite Eは、従来のP liteシリーズよりさらに安価な2万7280円で販売する。カメラは最大4800万画素のトリプルカメラで、ディスプレイもインカメラ部分だけに穴が開いたパンチホール型のものを採用。充電ポートがType-BのMicro USBだったり、Wi-Fiが5GHz帯に対応していなかったりと、仕様面では旧世代端末の面影が残るところもあるが、コストダウンを図りつつ、トレンドを反映させた端末に仕上げられている。

Huawei 従来のP liteシリーズをさらに廉価にした「P40 lite E」

 ただし、今のHuawei端末には重大な留意点がある。4月に発売された「HUAWEI Mate 30 Pro 5G」と同様、いずれのモデルもGoogleのAndroid向けAPIや、各種サービスは利用できない。既報の通り、Huaweiは米国の制裁を受け、Googleとの新規取引ができない状態にあるからだ。代わりに採用されたのが、Huawei自身で開発したHMS(Huawei Mobile Services)。サードパーティーの開発したアプリも、Google Playストアではなく、Huaweiが運営するAppGalleryからダウンロードする形となる。

Huawei P40シリーズは、いずれのモデルもGMSではなくHMSが搭載される。アプリもAppGalleryからダウンロードする仕様だ

 Mate 30 Pro 5Gの発売前に本連載でも言及した通り、残念ながら現時点ではアプリの数が十分とはいえない。Mate 30 Pro 5G発売後にメッセンジャーアプリのLINEが加わるなど、AppGalleryのラインアップも徐々に増えてはいるものの、ゲームや動画アプリなどの数は少なく、決済アプリも見当たらない。GMS搭載のAndroidと同じような感覚で利用すると、物足りなさを感じるはずだ。P40 lite 5GとP40 lite Eは、どちらも手に届きやすいミドルレンジモデルだが、GMSなしのAndroidとなると、購入に二の足を踏むユーザーも増えかねない。

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