世界を変える5G
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» 2020年08月21日 14時49分 公開

5Gスマホの4台に3台は中国メーカー、1万円台の激安モデルも間もなく登場山根康宏の中国携帯最新事情(1/2 ページ)

調査会社カナリスは、2020年第2四半期のスマートフォン出荷台数でHuaweiがSamsungを抜き初の1位になったというデータを発表した。Huaweiは既に5Gスマホ市場でシェア1位になっている。2020年下半期には、中国メーカーから1000元(約1万5200円)以下の「激安5Gスマホ」が登場する見込み。

[山根康宏,ITmedia]

 新型コロナウイルスの影響で世界のスマートフォン市場の成長に鈍化の動きが見える中、調査会社カナリスは、2020年第2四半期のスマートフォン出荷台数でHuaweiがSamsungを抜き初の1位になったという衝撃的なデータを発表した。SamsungとApple以外のメーカーが1位になるのは実に9年ぶりのこと。その9年前にNokiaが1位だった時代に、今のHuaweiの勢いを誰が予想できただろうか?

Huawei ついにSamsungを抜いたHuawei。中国では旗艦店展開を進める

Huaweiは5Gスマートフォン市場でシェア1位

 だがHuaweiは既に特定のスマートフォン市場でシェア1位になっている。それは5Gスマートフォンだ。ストラテジー・アナリティクスの調査によると、2019年の5Gスマートフォンの出荷台数はHuaweiが690万台で1位、Samsungは670万台で2位だった。2020年に入ると第1四半期はSamsung830万台、Huawei800万台とSamsungが巻き返したものの、通年ではHuaweiの出荷台数が大きく伸びるだろう。

 カナリスのデータを見ると、Huaweiの2020年第2四半期の出荷台数は5580万台で、その内訳は中国が72%、海外が28%と中国国内に集中していることが分かる。2019年第1四半期はその割合が中国51%、海外49%とほぼ半々であったことから分かるように、米国の経済制裁の影響を受けたことでHuaweiはこの1年の間に中国市場への回帰を強めている。

Huawei Huaweiの出荷台数の比率。中国向けが全体の7割以上を占める

 中国の5G加入者数は2020年6月末時点で1億を突破した。China Mobile(中国移動)が7019万9000、China Telecom(中国電信)が3784万でこの2社の合計は1億803万9000となる。世界2位の5G加入者数を持つ韓国ですら700万をようやく超えたところであり、中国の5G加入者数は他国を大きく圧倒している。この5G大国を主戦場としたHuaweiが、2020年通年で5Gスマートフォン出荷台数シェア1位になることは当然だろう。

中国メーカーが5Gスマホで75%を占める

 では2020年の5Gスマートフォン市場はどのような展開となるのだろうか。トレンドフォースのレポートによると、2020年上半期の世界の5Gスマートフォン出荷台数のうち、中国メーカーの占める割合は75%だったとのこと。実に4台のうち3台が中国メーカー品ということだ。日本でも5Gスマートフォンを発売または発表しているのは日系がソニーモバイル、シャープ、富士通。韓国メーカーがSamsungとLG。そして中国メーカーはHuawei、ZTE、OPPO、Xiaomiと4社もある。5Gスマートフォン市場で中国メーカーの存在感が4G時代よりも増していることは日本でも十分感じられるだろう。

Huawei 日本でも5Gスマートフォン2機種を発表したOPPO(写真はオッポジャパン河野取締役)

 2020年通年のスマートフォン出荷台数は12億4000万台とトレンドフォースは予想しているが、そのうち5Gスマートフォンは全体の18.9%、2350万台に達するだろうとのこと。その中で同社がシェア1位になると予想しているのがHuaweiだ。各メーカーの5Gスマートフォン出荷台数の予測値は、Huaweiが7400万台(シェア31%)、以下Appleの7000万台(同30%)、Samsungの2900万台(同12%)、Vivoの2100万台(9%)、OPPO(OnePlus、Realme含む)の2000万台(8%)、Xiaomiの1900万台(8%)、その他が200万台(2%)。2020年はHuaweiとAppleが5Gスマートフォン市場のリーダーになるようだ。

 Appleは高価格帯のモデルが主力であり、5Gに対応したモデルを投入すれば多くの既存ユーザーが乗り換えるだろう。とはいえハイエンド製品の売れ行きは景気の影響を大きく受ける。また、ここにきて新iPhoneの発売が例年の9月から10月にずれることが判明した。入門機として2020年春に投入した「iPhone SE(第2世代)」の販売が好調なことから、エントリーモデルで十分と考えるユーザーは秋の5G機へは買い換えないだろう。

 通信事業者側も新型コロナウイルスの影響で5Gの拡張は思うように進められていない。5Gへの対応よりも他の部分で差別化要因を見せなければ新製品への買い替えも思うように進まないだろう。トレンドフォースの「30%」という数値は最良の条件が、そろわなければ到達は難しそうだ。

毎週1機種以上の新製品を出しているHuawei

 一方、Huaweiはハイエンドからエントリーモデルまで幅広いラインアップをそろえており、高所得者から学生層まであらゆる消費者層をターゲットとするモデルがそろっている。「P」「Mate」「nova」という3つのメインシリーズや後継機も期待される折りたたみディスプレイを搭載した「Mate X」、プレミア感のあるポルシェデザインとのコラボモデルなど製品種類は多い。

Huawei カメラ性能でもトップを走るHuawei、5G対応「P40」シリーズは最強の製品だ

 それに加えて別ブランドで展開している「Honor」も、「X10」「30」「Play」など複数のシリーズを擁している。海外端末の情報サイト「GSMARENA」によると、2020年1月から7月までにリリースされたHuaweiとHonorブランドのスマートフォンは46機種。1カ月あたり6.6機種、つまり毎週1機種以上の新製品を出しているのだ。そのうち5Gモデルは半数弱、20機種を超えている。Huaweiの新製品ラッシュは5Gスマートフォン市場を席巻するだろう。

 このHuaweiの5G新製品ラッシュに対し、競合他社もラインアップの多角化やサブブランドの強化で対抗を図っている。Xiaomiは低価格モデル「Redmi」ラインを「10」「K」「Note」とさらに細分化。OPPOは「Find」「Reno」「A」に加え、初代モデルは「Reno Ace」とRenoシリーズの一員だったモデルを「Ace」シリーズに分離し、4本柱戦略とした。Vivoはゲーミング向けのハイエンド機として「iQoo」ブランドを立ち上げた。これらの動きの結果新製品数も急増しており、中国メーカーの5Gスマートフォンのモデル数が突出するほどになっているのだ。

Huawei Vivoのサブブランド「iQoo」はゲーミングモデル
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