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» 2020年09月04日 15時56分 公開

Qualcommが安価な5Gプロセッサ「Snapdragon 4」発表 「誰もが5Gを利用できるように」(1/2 ページ)

Qualcommが9月3日(日本時間)、ミッドレンジスマートフォン向けに5G対応プロセッサ「Snapdragon 4」シリーズを発表した。比較的安価なスマートフォンに適用できるSnapdragon 4が5Gに対応したことで、世界各国の5G普及に弾みをつけたい考え。XiaomiのスマートフォンがSnapdragon 4シリーズを搭載する最初のメーカーになるという。

[小山安博,ITmedia]

 Qualcommが9月3日(日本時間)、ミッドレンジスマートフォン向けに5G対応プロセッサ「Snapdragon 4」シリーズを発表した。コストパフォーマンスに優れる比較的安価なスマートフォンに適用できるSnapdragon 4が5Gに対応したことで、世界各国の5G普及に弾みをつけたい考え。Snapdragon 4シリーズを搭載したスマートフォンは2021年の早い段階で登場予定だ。

Qualcomm Qualcommのクリスティアーノ・アモン氏

“フル5G”ならピーク時に2Gbps出る

 Snapdragon 4が発表されたのは、独ベルリンで開幕した見本市「IFA 2020」においてだが、新型コロナウイルスの影響でリアル会場は最小限の参加人数に抑え、オンラインでもIFA 2020が体験できるようになっている。基調講演で登壇したQualcommのクリスティアーノ・アモン社長もオンラインで参加した。

 アモン氏は2019年のIFAでも登壇し、20のメーカーと20の携帯事業者が既に5Gを提供しているか今後数カ月で提供する、と説明していた。実際はそれ以上で、2020年には世界で35カ国の80事業者以上がサービスを提供。数百の5G対応デバイスも発表されている。アモン氏は、2022年には5G対応スマートフォンが7億5000万台以上出荷されると予測。5Gの接続数は2023年に10億を突破し、これは4Gの普及に比べて2倍速いという。そして2025年には28億に達し、全てモバイルデータのトラフィックの45%を占めるようになる、とした。

Qualcomm
Qualcomm 既に多くの5G対応スマートフォンや各種対応製品が登場している

 経済全体への影響も大きく、インダストリー4.0を元とした産業での活用に加え、2035年には5G関連の経済効果は13.2兆ドルに達する、と強調するアモン氏。「将来のデジタル経済にける5Gの影響は明らかだ」(同氏)。

 5Gといっても、必要なのは「フル5G」だ。これはミリ波も使う5Gを指している。ミリ波は利用できる帯域幅が広いため、さらなる高速・大容量が実現できる。スピードテストではSub-6が225Mbpsの下り速度だったところを4倍となる900Mbpsを実現。ピークの下り速度は2Gbps以上に達する。こうした点が今後のさまざまな5Gを利用したサービスの実現に加え、固定回線代替のFWAの実現に不可欠だとアモン氏は説明する。

 120以上のキャリアがミリ波を使った5Gの実現に向けて取り組んでおり、今後2〜3年で全ての大陸でミリ波サービスが開始される見込みだという。QualcommはSnapdragonでSub-6もミリ波もサポートしていくとアピールする。

Qualcomm Sub-6に対してより高速/大容量を実現するミリ波

5Gはプレミアム層のものだけではない

 最上位モデルとなるSnapdragon 865/865+を搭載したデバイスは165以上が発表、または開発中とされている。これを搭載したスマートフォンは高価な端末が多く、先進国が普及の中心だ。一方、アモン氏は「5Gはプレミアム層のものだけではない」と指摘。「Qualcommは誰もが5Gを利用できるようにコミットする」(同氏)。

 2019年はSnapdragon 7/6シリーズでの5G対応を発表し、2020年はSnapdragon 4シリーズで5Gをサポートすることを発表した。これにより「現在のスマートフォンユーザーの35億人が住む地域に5Gを拡大できる」とアモン氏は期待を寄せる。

Qualcomm 最上位のプロセッサを搭載した165以上の製品が登場している
Qualcomm ミッドレンジ以下のスマートフォンなどで利用できるSnapdragon 4シリーズも5G対応

 OPPOの創業者兼CEOのトニー・チェン氏やXiaomiの創業者、会長兼CEOのレイ・ジュン氏がコメントを寄せ、Snapdragon 4シリーズのサポートをアピール。ジュン氏は、「Xiaomiが世界で最初のSnapdragon 4シリーズ採用5Gスマートフォン開発メーカーの1つになる」と強調していた。

ウェアラブルやXR向けプロセッサも登場

 スマートフォン向けだけでなく、ウェアラブル製品にもアモン氏は言及。「Snapdragon Wear 4100/4100 Platform」がこの年末にも登場すると発表した。ウェアラブル製品をLTEに対応させたプロセッサとなる。

 XR対応製品にもSnapdragonは活用されており、OculusとMicrosoftを含む30以上のメーカーが採用しているそうだ。そこで発表されたのが「Snapdragon XR2 5G」。XR製品向けで最初の5G対応プラットフォームだと紹介。これを採用した製品が10月にも登場する見込みだ。

 ワイヤレスイヤフォンは急速に成長しており、特にこのコロナ渦においてニーズが高まっているという。音質、バッテリー寿命、付け心地、シームレスなユーザー体験といった点が重要視されるが、ヘッドフォンにおいて「4番目に望まれる機能がノイズキャンセリング機能」(アモン氏)。

 これらを踏まえて、同社ではオーディオコーデックのaptX Adaptiveで音質と安定性などを両立させているが、ここに新たに「Qualcomm Adaptive ANC」を提供する。これを採用することで、歩いているとき、走っているときといったシーンでダイナミックにノイズキャンセリングを調整するとしている。

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