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» 2020年10月06日 15時06分 公開

Apple PayのPASMOは「1000万ユーザーを目指す」 Suicaにはない特徴とは?(1/2 ページ)

PASMO協議会が10月6日、Apple PayでのPASMOのサービスを開始した。モバイルに対応することで券売機でチャージをする必要がなくなる。Apple PayのPASMOはどのように使うのか。またSuicaにはないメリットとは?

[石野純也,ITmedia]

 関東圏の私鉄、バス事業者が加盟するPASMO協議会は10月6日、Apple PayでのPASMOのサービスを開始した。対象となるのはiPhone 8以降で、iOS 14がインストールされているモデル。Apple WatchはSeries 3以降が対応しており、watchOS 7をインストールしている必要がある。サービス開始に合わせ、PASMO協議会はイベントを開催。Apple Payへの期待や、意気込みを語った。

Apple PayのPASMO Apple PayでのPASMOが、ついにスタートした
Apple PayのPASMO サービス開始に合わせ、新宿駅で報道陣向けのイベントが開催された

ついに実現したApple Pay版のPASMO、目標は1000万ユーザー

 イベントには、PASMO協議会で会長を務める五十嵐秀氏が登壇。「待望のiPhoneとApple Watchでご利用いただける、Apple PayのPASMOを開始する」と宣言した。PASMOは、3月にAndroidでの提供が始まっているが、五十嵐氏によると「同時にAppleのご協力をいただき、多くの皆さまがお使いのiPhoneやApple Watchでご利用いただけるよう、準備を進めてきた」という。

Apple PayのPASMO PASMO協議会の五十嵐会長

 Apple Payをはじめとしたモバイルに対応するのは、「券売機などでチャージする必要がなくなるなど、多くのメリットがある」(同)。PASMOアプリをインストールすれば、定期の購入も可能。「新生活の需要が高まる春や、切り替え時期の秋には鉄道の駅やバスの営業所に行列ができていたが、これからはどこでも好きな場所で定期券をご購入いただけるようになる」と期待を寄せる。

 イベントでは、Appleのインターネットサービス Apple Pay担当バイスプレジデント ジェニファー・ベイリー氏のコメントも紹介された。ベイリー氏は2007年にカード型のPASMOが登場し、交通系ICカードが拡大したことに言及しながら、「PASMOがApple Payで使えるようになることで、同じようにますます多くの人が、安全かつ簡単にiPhoneやApple Watchをかざして、首都圏だけでなく全国で電車やバスの利用を始めるでしょう」と語ったという。

 続けて登壇したPASMO協議会のモバイルプロジェクトリーダー中島浩貴氏は、スマートフォンでのPASMOを実現するにあたっての苦労や、目標を語った。中島氏によると、最も大変だったのは定期券だったという。「PASMOでは、多くの鉄道、バスの定期券を発売できるが、それぞれに制度やルールがある。今までは、それぞれの事業者が調達、設置した機器で発売していたが、それを1つのアプリで実現するため、さまざまな内容を組み込むところで苦労した」という。

Apple PayのPASMO PASMO協議会の中島氏が、意気込みを語った

 「いろいろな定期券を発売しているので、サポートセンターもさまざまな事業者の質問に答えなければいけない」と、サポート体制の構築にも注力した。司会者からスマートフォン版PASMOの目標を尋ねられた中島氏は、JR東日本のモバイルSuicaが1000万ユーザーを突破したことを引き合いに出しつつ、1000万と回答。「できるだけ早く、われわれも1000万ユーザーを獲得できるよう、頑張っていきたい」と意気込みを語った。

入り口はウォレットアプリとPASMOアプリの2つ

 中島氏は、Apple Pay版PASMOの特徴や使い方も解説した。中島氏によると、Apple PayのPASMOは、Suicaと同様、2つの入り口があるという。

 1つ目が標準でインストールされているウォレットアプリで、「標準なのですぐに(PASMOを)始めていただける」のが特徴。もう1つの入り口がApp StoreからダウンロードできるPASMOアプリ。「定期券などのフルサービスをご利用いただきたいときには、こちらをインストールしていただければ」とウォレットアプリとのすみ分けも図られている。

Apple PayのPASMOApple PayのPASMO ウォレットアプリとPASMOアプリのどちらからでも発行可能

 新たなカードをウォレットアプリやPASMOアプリ上で作成できる他、カードタイプのPASMOをiPhoneに読み取らせることで、「カード残高や定期券の情報もそのまま取り込める」(中島氏)。情報が読み取られたカード型のPASMOは、利用ができない状態になる。なお、カード型のPASMO発行時に必要だったデポジットは、Apple Payに登録すると残高に上乗せされる。

Apple PayのPASMO PASMOカードの読み取りにも対応する

 チャージの方法は3通り。1つ目が、ウォレットアプリに登録しているクレジットカードを使う方法。オンライン決済のApple Payで、PASMOにチャージする方法だ。VISAには非対応ながら、MasterCardやJCBなどをApple Payに設定していると、この方法でチャージができる。2つ目が、PASMOアプリを使う方法。「ウォレットに登録できない一部のクレジットカードでも、PASMOアプリに登録することでチャージが可能になる」(中島氏)という。

 3つ目の方法として現金でのチャージにも対応する。「クレジットカードに不慣れなお客さまは、駅やコンビニで現金チャージもできる」(中島氏)。使い方はカード型のPASMOと同じで、iPhoneやApple Watchを改札などに設置されている読み取り機にかざすだけで利用できる。

 なお、別途ウォレット内にSuicaアプリがある場合や、2つ以上のPASMOを登録している場合は、1枚をエクスプレスカードに設定しておく必要がある。SuicaとPASMOの場合、エクスプレスカードにできるのはどちらか一方のみとなる。

Apple PayのPASMO エクスプレスカードに設定しておけば、改札などの読み取り機にかざすだけで利用可能
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