カメラユニット自体は普通なのに「iPhone 12のカメラ」がスゴいと思う理由(3/3 ページ)

» 2020年10月19日 20時40分 公開
[荻窪圭ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

Apple ProRAWも一度使ってみたい

 そして何気にすごいのがこれ。「Apple ProRAW」のサポート(年内予定なので発売時はまだ使えないが)。

 一般にデジタルカメラはイメージセンサーからの出力信号をデジタル化して画像処理エンジンで「現像処理」を施し、JPEGなどに変換して画像ファイルとして保存している。で、「現像処理」を施す前のデータを「RAWデータ」と呼んでいる。RAW形式のファイルがあれば、後から自由に現像処理を行えるので、写真をイメージ通りに自分で仕上げたい人に使われている。

 iPhoneだとそう単純ではない。今まで書いたように「1枚の写真」を仕上げるのに裏で連写した何枚もの画像データを組み合わせているからだ。

 そこでAppleは元の信号をプロセッサ内で処理をして得られた、でも最終的な処理を施して画像にする前のデータを「ProRAW」として保存し、後からその豊富なデータをもとに自分で現像処理を行えるようにしたのである。

iPhone 12 こういう複雑なデータをそのまま記録してくれるので、後から自分で細かい調整を施せるのがRAWのよさ

 それも、付属のアプリのみならず、サードパーティー製のカメラや画像処理アプリで利用するためのAPIも用意するという。

 今まではiPhoneに任せるしかなかった写真の仕上げを自分でできるようになるわけで、本格的にカメラとして使いたい人には朗報。懸念はファイルサイズが大きくなりそうなことくらいか。

動画は4KのDolby Visionに対応

 動画は4Kの60fpsでDolby Visionに対応した。Dolby Visionは広いダイナミックレンジの動画を記録するためのHDR規格の1つだ。

 iPhone 12では10ビットのダイナミックレンジを持つDolby Vision形式のHDR動画を記録できる。

iPhone 12 iPhoneでは初のHDRレコーディングに対応した
iPhone 12 HDR録画時はダイナミックレンジが10ビットに広がる

 最近はデジタル一眼も映像作家をターゲットにHDR動画対応の製品が増えているが、編集・視聴環境まで考えるとなかなか大変。その点、Dolby Visionで撮影・編集・視聴まで全部できる唯一のカメラとしてiPhone 12が躍り出てきたのだ。

iPhone 12 Dolby Vision規格でHDR動画を撮り、その場で編集や共有もできる唯一のデバイスとなる

 HDR撮影までしないにしても、頑丈で防水でホコリにも強くて過酷な環境でも撮影でき、1台で編集から共有までこなせるという点で魅力的。これもA14 Bionic Chipパワーのなせる技だ。

 写真や動画撮影はAppleのみならず、あらゆるハイエンドのスマートフォンが力を入れている分野であるから一概にはいえないけれども、iPhone 11 Proで実績のある「コンピュテーショナルフォトグラフィ」を駆使した絵作りがさらに進化したという点で、iPhone 12シリーズのカメラ機能は新たな次元に突入している……たぶん、こればっかりは実際に撮ってみないと分からないけど、かなり期待しております。

 スマホカメラはデジタル一眼のような大きなレンズや大きなイメージセンサーを搭載することができない分、高性能なプロセッサを駆使したコンピュテーショナルフォトグラフィが生命線なのだから。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月12日 更新
  1. 「折り目があります」――Apple初の「iPhone Duo」実機画像がSNSで物議、高価ゆえにガッカリか (2026年09月10日)
  2. NHK受信料未収で宿泊事業者に1140万円請求 「どうしてもご理解いただけなかったため」民事訴訟提起 (2026年09月10日)
  3. 折りたたみ「iPhone Duo」を触って実感した“Appleらしさ” 現地からファーストインプレッション (2026年09月11日)
  4. なぜ? カーナビが「NHK受信料」対象になるワケ 課金されるケースと徴収を免れる方法 (2025年04月15日)
  5. 「iPhone 18 Pro」は何が進化した? 「iPhone 17/17 Pro」とスペックを比較 全て20万円超えの価格が悩ましい (2026年09月10日)
  6. Apple初折りたたみ「iPhone Duo」ついに登場――耐久性から価格まで、気になる疑問FAQで解説 (2026年09月10日)
  7. iPhone 17 Proの背面ガラスがバキバキに 約2.8万円の修理代、「クレカの付帯保険」に助けられた話 (2026年09月11日)
  8. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
  9. 「iPhone Duo」発表 Apple初の折りたたみ、Apple Pencil対応、インカメラは埋め込み型でTouch ID採用 10月23日発売、36万4800円から (2026年09月10日)
  10. 「Suicaのペンギン」卒業騒動にまつわる背景と誤解 JR東日本に聞いた (2025年11月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー