世界を変える5G

iPhone 12シリーズは「5G契約」必須? 各キャリアに聞いてみたSIMフリー版ユーザーは必見

» 2020年10月23日 06時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 10月23日、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」が発売されます。いずれも5G(第5世代移動通信システム)に対応しており、対応エリアではLTE(4G)以上の高速通信を体感できます。

 特に、Appleの直販や一部の家電量販店で販売されるSIMロックフリー版を購入する人は、「契約を5Gに切り替えないといけないのか?」「5Gに切り替えた後も古いiPhone(やAndroidスマホ)でSIMカードを使えるのか?」「5Gに切り替えると料金プランはどうなるのか?」といったことが気になっているでしょう。

 この記事では、iPhone 12シリーズにまつわる気になることを、各キャリアの広報担当に話を伺いつつまとめました。参考になれば幸いです。なお、記事中の料金は全て税別です。

【追記:7時20分】NTTドコモから追加の回答があったため追記しました
【訂正:10時50分】ソフトバンクの回答について、契約回りの回答に一部誤りがあったと申告があったため訂正しました。合わせて、本文の一部も加筆・修正しています
【追記:16時30分】KDDIからの回答に一部補足を行いました
【訂正:10月26日11時50分/13時10分】ソフトバンクのiPhone用USIMカードを持っているユーザーの手続きについて、Webでの手続き方法に誤りがあったとの申告があったため訂正いたしました

iPhone 12 iPhone 12 ProとiPhone 12

5G契約にしないと使えない?

 先述の通り、iPhone 12/12 Proは5G通信に対応しています。11月に発売を予定している「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro Max」も同様です。

 iPhone 12を使うに当たって、5G契約は必須なのでしょうか。広報担当者に質問してみました。なお、やりとりは体裁を整えた上で掲載しています(以下同様)。

―― iPhone 12シリーズを御社のネットワークで使う場合、5G契約に変更する必要はあるのでしょうか。

ドコモ (iPhone 12シリーズを含め)5Gスマートフォンをご利用の場合、5G契約への変更は必須です。

KDDI 5G契約への変更手続きは必要です

ソフトバンク 「5G基本料」(月額1000円)、または「5Gサービス利用料」(無料)が付帯するプランへの加入が必要です。

 以上のように、各キャリア共に基本的には5Gプランへの契約変更は必須としています。ただし、ソフトバンクはSIMロックフリー版を買って全く通信できないことを回避するべく、4G契約でも通信はできるようです(参考リンク)。

ソフトバンクのFAQ ソフトバンクでは、回線契約を伴わない5G端末での5G利用は「自己申告制」となっている

どうやって5G契約に切り替えればいい? SIMカードはそのまま?

 SIMロックフリーのiPhone 12シリーズを購入した場合、どうやれば5G契約に変更できるのでしょうか。この点も広報担当者に質問してみました。

―― 御社での購入を伴わずに5Gに契約変更する場合、どうやって手続きを行えばいいでしょうか。また、契約変更時にSIMカードを交換する必要はあるでしょうか。

NTTドコモ ご利用予定の端末(iPhone 12シリーズ)をご持参の上、ドコモショップ店頭で手続きしていただく必要があります。バージョン4(赤色)以降のnano UIMカードをお使いの場合は、SIMカードはそのままお使いいただけます。事務手数料は3000円です。

 弊社では、5Gサービスの新規契約、あるいは契約変更に当たり5G端末の現物確認を必須としているため、このような運用とさせていただいております。

KDDI au直営店を含むauショップで承っています。auショップで手続きをする場合は、5Gの通信をより確実に利用していただけるようにSIMカードを交換しています

 また、iPhone 8以降で使えるSIMカード(銀色のnano UIM Card)をお使いのお客さまについては、「auお客さまセンター」への電話でも手続きを承っています。この場合、SIMカードの交換は不要です(参考記事)。

 どちらのケースも、事務手数料は3000円です。

ソフトバンク LTE対応のiPhoneのUSIMカードであれば、ソフトバンクショップまたはソフトバンクオンラインショップ(Web通販)で受け付けています。店頭で手続きをする場合はSIMカードの交換は不要です。オンラインショップでの手続きはSIMカードの交換が必要です。手数料は3000円となります。

 他機種用のUSIMカードを使っている場合は機種変更の扱いとなり、USIMカードの交換が必要です。先ほどと同様に手続きはソフトバンクショップまたはソフトバンクオンラインショップで受け付けています。手数料も同じく3000円となります。

ソフトバンク ソフトバンクの場合、機種によってSIMカードが異なる。LTE(4G)対応iPhone用以外のUSIMカードを使っている場合は、ソフトバンクショップ、またはソフトバンクオンラインショップ(画像)での手続きが必要となる

Androidの5GスマホのSIMカードは使える?

 既にAndroidの5Gスマホを持っている場合、そのSIMカードはそのまま使えるのでしょうか。ついでなので広報担当者に聞いてみました。

―― Androidの5Gスマートフォン用のSIMカードは、iPhone 12シリーズでもそのまま使えますか。

NTTドコモ 使えます。

KDDI 使えます。

ソフトバンク 交換が必要です。手数料は、先述の通り3000円です。

LTE(4G)対応iPhoneで5G契約にしたSIMカードは使える?

 過去のiPhoneを予備端末として取っておく人は、5G契約にしたSIMカードを今までのiPhoneで使えるのかどうか気になる所です。この点についても聞いてみましょう。

―― 5G契約のSIMカードは、過去のiPhoneに差し替えて使うことはできるでしょうか。

ドコモ 弊社では、Xi(LTE)端末における5G契約のSIMカードの動作保証を行っておりません。その上で、動作可否と動作する場合の制限事項をPDFファイルとしてまとめていますので、確認いただけると幸いです。

KDDI 「iPhone 8」以降のiPhoneであれば使えます。

ソフトバンク 4G LTE対応のiPhoneであれば使えます。

 上記の通り、ドコモは5G契約のSIMカードにおけるXi端末の動作を一切保証していません。iPhoneについてもう少し補足すると、iPhone XS/XS Max/XR以降の機種なら保証外ながら5G契約のSIMカードでも動作するとされています。逆にいうと、iPhone 8/8 Plus/Xまでの機種は利用できないことになっています。ドコモユーザーで旧機種を使いたいという人は気を付けましょう。

ドコモ ドコモではXi端末での5G契約のSIMカードを使った通信は動作保証外としている。iPhoneの場合、iPhone XS/XS Max/XR以降の機種なら通信できるようだ。ただし10月22日現在、「iPhone SE(第2世代)」については動作可否が掲載されていない(クリックで拡大)

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