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» 2020年11月18日 19時30分 公開

「BIGLOBEモバイル」がNECの仮想化基盤を導入 新料金・サービスを迅速に提供、5Gも早期に

ビッグローブが「BIGLOBEモバイル」にNECの仮想化基盤を採用。専用ハードウェアを使わず、汎用サーバ上にソフトウェアを構築するため、障害発生時にリモートで対応できる。工期の短縮やコスト抑制も可能になり、5G時代に向けたサービスを迅速に提供していく。

[田中聡,ITmedia]

 ビッグローブが11月18日、MVNOサービス「BIGLOBEモバイル」で運用するコアネットワークに、NECの仮想化プラットフォームを採用したことを発表した。

 この仮想化プラットフォームは、汎用(はんよう)サーバ上にソフトウェアで構成されるため、障害が発生しても予備サーバにソフトウェアを移動させることで復旧でき、データセンター現地でのハードウェア交換が不要になる。

BIGLOBEモバイル NECの仮想化プラットフォームをBIGLOBEモバイルに採用

 BIGLOBEモバイルのコアネットワークは、これまで専用ハードウェアで構成されており、多様化する市場ニーズや、在宅勤務などで急増したトラフィック需要に対して、柔軟な運用や拡張が難しいという課題があった。

 また、BIGLOBEモバイルでは特定の音楽や動画の配信サービスを利用する際のデータ容量をカウントしない「エンタメフリー・オプション」を提供している。MVNO向けにも開放されている5Gサービス提供の期待も高まっている。しかし、こうした新たなサービスを開発するにあたり、既存のネットワーク環境では迅速に対応できないという課題もある。

 そこでビッグローブは、5G時代の多様化したニーズに対応すべく、第1段階として、コアネットワークに専用ハードウェアを使わないオール仮想化を導入。NECの仮想化プラットフォーム「MANO(Management and Orchestration)」を採用し、汎用サーバ上に仮想化されたソフトウェアを構築した。この作業は2020年夏に完了しており、現在のBIGLOBEモバイルは仮想化プラットフォーム上で運用されている。ビッグローブ コンシューマ事業本部 副本部長の黒川英貴氏によると、「コロナ禍、プロジェクトが停滞する危機もあったが、リモートで遅延なく対応できた」そうだ。

BIGLOBEモバイル 専用ハードウェアではなく、共通化したハードウェアを用いている
BIGLOBEモバイル 今後は制御機能のクラウド化や、多拠点化、エッジコンピューティングへの適用も進めていく

 先述の通り、障害が発生しても現地に駆け付けてハードウェアを交換する必要がなくなり、ソフトウェアの移動はリモートで対応できるため、データセンターへの緊急出動を7割削減できるという。さらに、ハードウェア交換時にサービスが停止するリスクもなくなる。使用するのは汎用サーバのため、予備機の交換は年に一度で済むのもメリットだ。

BIGLOBEモバイル 障害が起きてもリモートで復旧できる

 ネットワークの仮想化により、新サービスを開発する際の「ハードウェアの調達」と「工事」が不要になるため、工期を約3カ月短縮でき、コストの抑制にもつながる。またMVNOではキャリアからまとまった帯域を定期的に借りることでネットワークを増強しているが、黒川氏によると、帯域増強も仮想化によって以前より短期間で行えるという。

 この仮想化プラットフォームでは、サービスごとにネットワーク機能を分割して配置できるスライシング技術も導入している。エンタメフリーのようなコンシューマー向けサービス、法人、IoTデバイスなど、用途に応じてネットワークを振り分けられる。このスライシングは5Gの特徴的な技術とされているが、LTEでも導入可能。LTE向けにスライシング技術を導入するのは、MVNOではビッグローブが初だという。

BIGLOBEモバイル LTEでもネットワークのスライシング技術を導入している

 ビッグローブはこの仮想化プラットフォームを活用し、5G時代に最適な料金プランやサービスの提供を目指す。5Gサービスについては、「仮想基盤を構築することで、今後迅速に5Gにも対応できると考えている。これから計画を策定して、早時に5Gサービスを提供できればと思う」(黒川氏)とのこと。エンタメフリーについては、サービス領域の拡大を目指すとしている。

BIGLOBEモバイル コストを抑えて短期で開発できる環境を生かし、5G時代に最適なサービスを提供していく

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