Snapdragon 888のプロセッサとしての性能については現時点で詳細が公開されていないため不明だが、同社が第6世代Qualcomm AI Engineと称するHexagonプロセッサを交えたAI処理能力は26TOPSとなり、前モデルのSnapdragon 865の15TOPSを2倍近く上回っている。つまり、CPUとGPUともにそれだけ性能が強化されていることを意味しており、全体にパフォーマンスが向上していると考えていいだろう。
AI以外ではゲーミングとカメラの性能をアピールしており、前モデルに引き続きドライバーアップデートが可能な第3世代Snapdragon Elite GamingでのGPU性能の大幅向上の他、35%高速化されたSpectra ISPで秒間2.7ギガピクセルのビデオ・写真撮影または1200万画素の120枚撮影が可能になったという。Qualcommではスマートフォンの用途としてゲーミングと写真撮影が主要な位置を示しつつある現状を紹介し、これら機能強化がユーザーのメリットになるとともに、デバイスを開発するメーカーのアピールポイントにもなる点を強調する。
初日の講演の最後では、VerizonとEricssonの協力で構築された5Gのミリ波のプライベートネットワークを使い、1マイル以上離れた場所からリモコンカーを操縦するレースのデモが紹介された。ドライバーは遠隔地からスマートフォンでカメラ映像を頼りに操縦するが、この実現にはTensionが提供する低遅延での位置情報マッピング技術が用いられている。動画自体もSnapdragon 888搭載スマートフォンを使って行われたもので、最新プラットフォームと5Gの実力をアピールすることが狙いだ。
VerizonとEricssonの協力で(恐らく)Qualcomm社内にレーシングコースとプライベート5Gネットワークを構築し、さらにTensionの協力で低遅延での位置情報マッピング技術を組み合わせてリモート制御を可能にしている
Snapdragon 865から見える、次世代スマートフォンの姿
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