音声SNSの「Clubhouse(クラブハウス)」が、爆発的にユーザーを増やしている。日本でユーザーが目に見えて広がり始めたのは1月下旬のこと。今のところiOSのみに対応したβ版で日本語化もされていない。Android版はリリース予定さえ不明。それにもかかわらず、アーリーアダプターとして多くのインフルエンサーが利用し、わずか数週間でその熱狂ぶりがテレビのワイドショーでも取り上げられるまでになっている。
Clubhouseの構造はシンプルだ。アプリを起動すると、いろいろなテーマを掲げる「room」が並んでいて、いずれかに参加すれば「audience」として、壇上で話している主催者の「moderator」や、話し手である「speaker」の会話を聞くことができる。挙手で意思表示ができ、moderatorに招待されれば、speakerとなって壇上に上がることも可能。参加者=speakerの雑談roomもあれば、著名人の会話を数千人の人が聞いている、まるでトークイベントのようなroomもあるといった具合だ。
人気の理由ともいえる特徴は、大きく3つ。1つは完全招待制であること。参加者は実名でかつ、他の参加者から招待されなければならない。誰に招待されたかはプロフィールに明記され、それをさかのぼればClubhouseにおけるルーツをたどることもできる。つまりClubhouseでは参加者全員が、何らかのつながりを持っていることになる。
2つ目の特徴は、全てライブだということ。音声でのやりとりはその場限りで、会話に参加しているspeaker全員の明示的かつ書面での同意がない限り、その内容は録音はおろか、メモとして記録することも禁止されている。また「オフレコ」として話したことは、たとえClubhouse内でも共有してはいけないルールだ。
3つ目に遅延が少なく、大勢でも話しやすいこと。ビデオ会議アプリなどではタイムラグがあるため、どうしても交互に話すような形になるが、Clubhouseでは普段の会話に近いテンポで話せる。顔が見えないので間をはかるのは難しいが、その分、気軽に参加できる。
Clubhouseを利用するには、1.携帯電話番号を登録してアカウントを取得する、2.利用者に招待してもらうという、2段階の手続きが必要だ。まず電話番号を登録し、SMSで受信したコードで認証。続いて名前、利用したいユーザー名を登録する。名前は実名が義務付けられているが、ペンネームや芸名、通称がある場合は追記できる。
誰かから承認または招待されると、先のステップに進める。Twitterを利用していれば、アカウントを連携してアイコンなどをそのまま流用することが可能。もちろん自分で新たにアイコンやプロフィールを登録してもいい。
続いてiPhoneの「連絡先」をひも付ける。これはLINEと似た仕組みで、OKにすると連絡先に電話番号を登録している相手が、Clubhouseを始めたときに通知が来る。逆にいえば、自分の電話番号を登録している既存ユーザーにも通知が行っているということだ。
次のステップでは興味のある分野や、Clubhouseでフォローするユーザーを登録。このときおすすめのユーザーが自動的に表示されるが、適当にフォローするとあとから整理するのが面倒なので、その場で編集することをおすすめする。なおフォロー&フォロワーの仕組みはTwitterと同様で、フォローリストはいつでも編集可能。最後に通知を許可するかどうかを設定すれば、初期設定は終了だ。
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