Web会議システムの定番 「Zoom」をスマホで利用する方法と注意点(1/3 ページ)

» 2020年05月28日 06時00分 公開
[房野麻子ITmedia]

 外出自粛要請が出て以降、離れた場所にいても顔を見ながら会話ができるWeb会議システムが、ビジネスでもプライベートシーンでも、頻繁に使われるようになった。

 各自、お酒や食事を用意して語り合う飲み会も行われている。複数の企業がこうしたシステムを提供しているが、Zoom Video Communicationsの「Zoom」と、Googleの「Google Meet(旧Hangouts Meet)」が、プライベートではよく使われているようだ。これらはスマホでも利用できる。

 今後もWeb会議システムは積極的に利用されていくだろう。スマホで参加する機会はプライベートが多そうだが、ビジネスでも外出中に使う機会が出てくると予想され、使い方を一通り把握しておくに越したことはない。今回はZoomのモバイルアプリ「Zoom Cloud Meetings」(以下、Zoomアプリ)の使い方を紹介しよう(特に記載のない限りiPhoneの画面を使用)。

 なお、Web会議システムでは基本的に動画をやり取りすることになるので、大量のデータ通信を行う。固定回線にWi-Fiで接続するなら問題ないが、モバイルデータ通信で頻繁に利用するなら、携帯電話の料金プランは大容量プランの方が安心だ。

 また、ミーティングは1時間以上になることもある。スマホはケースやバンカーリングなどで置いておける状態にしておくと手が疲れない。バッテリーもかなり消耗するので、充電しながらの方が安心だ。

ミーティングに招待する

 スマホでZoomを利用するにはZoomアプリが必要だ。ZoomアプリはiOS用とAndroid用がApp Store、Google Playで配信されていて、iOS 7.0以降、Android 4.0x以降で利用できる。

 Zoomアプリの基本的な機能は無料で使えるが、会議(ミーティング)の規模や所要時間、機能によっては有料プランを契約する必要がある。個人向けには、3人以上のミーティングを24時間続けられる「プロ」プランが、月額2000円(税別、以下同)または年額2万100円で用意されている。

 自分でミーティングを開催する(ミーティングのホストになる)にはアカウントが必要だ。アカウントはアプリからサインアップして作成できる。既にアカウントを持っている場合は、アカウントのメールアドレスとパスワードを入力してサインインする。ミーティングに参加するだけだったらアカウントは必要ない。アカウントを作成せずとも、ミーティングに招待されたら、アプリをダウンロードしてすぐに参加できる手軽さは、Zoomの魅力の1つだ。

photo アプリをダウンロードして起動するとこの画面に。ミーティングを開催するにはアカウントが必要なので「サイン アップ」へ。アカウントを持っている場合は「サイン イン」する。サイン インしなくても「ミーティングに参加」から会議に参加できる

 ミーティングの開催は「ホーム」の「新規ミーティング」から行う。開始前にビデオの設定ができるので、カメラを利用してミーティングするなら「ビデオ オン」のまま、カメラを使わないなら、ビデオ オンのスイッチをオフにすると音声だけでミーティングができる。「ミーティングの開始」をタップすると、ミーティングの画面が表示される。画面下に表示されるメニューで音声やビデオのオン/オフ、参加者の招待などができる。

photophoto Zoomアプリのホーム画面(写真=左)、ミーティングを始める前にビデオの設定を行う。カメラ映像を伴うミーティングにする場合は「ビデオ オン」がオンの状態で「ミーティングの開始」をタップする(写真=右)

 あらかじめ予定を立ててミーティングを開催する場合には、ホームの「スケジュール」から行う。ミーティング名や日時を設定でき、ミーティングの開催場所を示すURLが発行されるとともに、カレンダーに予定が登録される。ミーティングの参加者にミーティングURLをSMSで送ったり、ミーティングURLをコピーして招待メールを作成したりできる。

photo 「スケジュール」でミーティングを設定すると、ホーム画面にミーティングのリストが表示される。「開始」ですぐにミーティングを開始することができる

 無料プランで開催できるミーティングは、1対1の場合は無制限だが、3人以上になる場合は40分までの制限がある。40分以上のミーティングを行う場合は有料プランを契約する必要がある。

ミーティングに参加する

 スマホでZoomのミーティングに参加するだけならアカウント作成は不要で、Zoomアプリさえあればいい。ミーティングのホストからメールなどで送られてきたミーティングURLをタップすると、アプリが起動してミーティングに参加できる。また、Zoomアプリをタップして起動し、「参加」からミーティングIDとパスワードを手入力して参加することも可能だ。

 スマホの場合、マイクとカメラが搭載されているので、それを使って音声と映像をやりとりする。Zoomアプリがカメラやマイクへのアクセスを要求してくるので許可しよう。もちろん、マイク付きのBluetoothイヤフォンなども利用できる。公共の場でミーティングに参加する場合はイヤフォンを使った方が周囲にも他の参加者にも迷惑が掛からない。マイク付きイヤフォンを使った方が音声が聞きやすく、ハウリングも防げるのでお勧めだ。

photophoto 送られてきたミーティングURLをタップするだけで、簡単にミーティングに参加できるが、アプリの「参加」からミーティングIDとパスワードを入力することでも参加可能(写真=左)、ネット環境がある場合は「インターネットを使用した通話」をタップしてミーティングに参加する(写真=右)

チャットでの会話も可能

 ミーティング中に操作する主なメニューは画面下部に表示される。通常時は隠れていて、画面をタップすると出現する。自分の声や動作の音を聞かせたくない場合は「ミュート」をタップすると、マイクのアイコンに赤い斜線が引かれて、他の参加者に自分側の音が聞こえなくなる。同様に、映像を見せたくない場合は「ビデオの停止」をタップしよう。アイコンを再びタップすると、ミュートやビデオの停止が解除される。

 Zoomは映像を見ながら音声で会話をするのが基本だが、テキストメッセージをやりとりできるチャット機能も備えている。全員にメッセージを送れるだけでなく、送信先を設定して特定の参加者にだけ送ることもできる。

photophoto Zoomのミーティング中画面。画面をタップすると画面下部に各種メニューが表示される(写真=左)、メッセージは画面下のメニューの「詳細」→「チャット」から送れる(写真=右)

photo シンプルなチャット画面。「送信先」から送る相手を選択できる
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