インタビュー
» 2021年03月05日 10時29分 公開

20GBプランは必要? 音声定額はどうなる? mineo新料金プランの狙いを聞くMVNOに聞く(1/3 ページ)

MNOのオンライン専用20GBプランの開始を控える中、MVNOの中では早期に値下げを実現したのが、オプテージの「mineo」だ。ドコモ、au、ソフトバンクの回線で異なっていた料金を統一し、旧プランから値下げした。料金体系を抜本的に変更したmineoだが、その狙いや背景をオプテージのモバイル事業戦略部長の福留康和氏に聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 ドコモやKDDI、ソフトバンクといったMNO各社の料金値下げを受け、もともと“格安”を売りにしていたMVNOも、一歩踏み込んだ対応を余儀なくされている。MNO各社のオンライン専用20GBプランの開始を3月に控える中、一足先に値下げを実現したのがオプテージの運営する「mineo」だ。

 同社は、ドコモ、au、ソフトバンクの3回線から選べるマルチキャリアを売りにしていたが、料金がバラバラで、データ容量との組み合わせは多岐にわたっていた。この料金を、回線種別を問わない形に一本化。選択できるデータ容量の数も、1GB、5GB、10GB、20GBの4つに整理し、それぞれの料金を値下げしている。

mineo 3キャリアの回線ごとに異なっていた料金を統一し、大幅な値下げを行ったmineoの新料金プラン「マイピタ」

 1GBプランは1180円(税別、以下同)、5GBプランは1380円と、いずれも大手キャリアの中容量ブランドより安く、データ容量が多い。1780円の10GBや1980円の20GBも、オンライン専用プランに対抗できる価格設定だ。料金体系を抜本的に変更したmineoだが、その狙いや背景をオプテージのモバイル事業戦略部長の福留康和氏に聞いた。

2020年夏から新料金を考えていたが、年末から全力疾走した

―― まずは新料金プラン導入の狙いを伺いたいのですが、やはりMNOの料金改定の影響は大きかったのでしょうか。

福留氏 リニューアルの背景ですが、MNO各社やサブブランドが新料金を発表したのは、あくまできっかけの1つです。どちらかと言うと、お客さまのニーズの変化があり、それが大きく変わる中で料金プランの刷新を行いました。昨今の行動様式の変容があり、よりライフスタイルに合わせた形で、最適なサービスをお選びいただけるよう、新料金を導入しました。

 mineoは、サービス開始当初からシンプルで分かりやすく、お手頃であることを大きな価値にしてきました。一方で、トリプルキャリア対応を進めていく中で、料金がバラバラになり、徐々に分かりにくくなってきたのも事実です。

mineo オプテージの福留康和氏

―― 大幅な料金刷新だと思いますが、検討を開始したのはいつごろでしょうか。

福留氏 コンセプトメーク自体は、昨年(2020年)夏ごろからです。お客さまのニーズが変わる中で、来年度(2021年度)の早いタイミングには新料金を導入する計画でした。ところが、他社が年末年始にかけ、次々と新料金を発表してきたので、それをきっかけに全力疾走することになりました。業務設計やシステム対応など、てんてこ舞いでしたが、関係者一丸となって取り組んだことで、何とか1月に発表できました。

とにかくシンプルにしてほしいというニーズが強かった

―― 料金がバラバラだったのは、接続料の差など、キャリアごとの違いを反映したものだったと思います。その差は埋まってきたということでしょうか。

福留氏 (接続料の差も)吸収できます。料金プランの刷新は、これまで実施してきたコスト削減やコスト効率化が原資です。効率化には、AIチャットを使ったお客さまサポートや、より効率のいいWebを活用した広告宣伝へのシフト、固定系サービスのeo光との物流、コールセンターでのシナジー効果などがあります。こうしたコスト削減に加え、音声卸の低廉化が見込まれることから、これらの料金プランを実現できました。現時点では実質的に黒字化できていますが、料金の刷新を反映したうえで、来年度も維持できると考えています。

―― キャリア別に違っても、もともと契約していたキャリアと回線を同じにするだけなら、キャリアごとの差はそこまで気にしないと思っていました。そうではなかったんですね。

福留氏 とにかくシンプルにしてほしいというニーズは強かったですね。mineoには、いろいろな使われ方があります。例えば、ご家庭の中で回線を分散させ、お父さんはドコモ、お母さんはau、息子さんはソフトバンクというような方もいます。災害時のリスク分散を考えてのことですが、そういう意味でも、できるだけシンプルにすることが大切です。

mineo シンプルな設計となった新プラン

データ接続料の低廉化は織り込んでいない

―― 先ほど、音声卸の低廉化というお話がありましたが、まだ値下げ後の金額は出てきていないと思います。既に、ある程度めどは立ったのでしょうか。

福留氏 2社間での協議事項になってしまうので、回答は差し控えたいと思います。ただ、アクション・プランの中では、8月までに検証を終え、適正化を図るとなっています。そのため、ある程度の確度を持って、低廉化が見込まれると考えています。

―― 接続料は特に織り込んでいないのでしょうか。

福留氏 はい。今回の新料金には、データ接続料の引き下げ分は、一切織り込んでいません。音声卸の値下げと、コスト効率化を原資に料金を刷新しています。

―― その場合、データ容量を上げたことで、通信速度への影響は出ないのでしょうか。

福留氏 新料金は、現状でのmineoの通信品質を大前提にしたものです。ですから、通信速度は特に変わらず、これまで通りになります。もちろん、今後データ接続料の引き下げなどがあれば、その分は品質の向上に回していきたい。容量の増加なども考えられますが、まずは品質だと思っています。MVNOはどうしても、12時から13時までのような混雑時間帯は速度が遅くなってしまうことがあります。こういったところの品質向上をやっていければと考えています。

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