東日本大震災から10年 ソフトバンクの災害対策はどう進歩した?(2/2 ページ)

» 2021年03月10日 14時00分 公開
[井上翔ITmedia]
前のページへ 1|2       

ソフト面での対策も強化

 ここまでの対策は、どちらかというとハードウェア面での取り組みだ。ソフトバンクではソフトウェア面でも災害対策を進めたという。

 まず、災害が発生した際の対策マニュアルを見直し、災害が発生した際の社内における役割分担や連絡系統の明確化し、緊急連絡網も整備したという。全国の主要拠点に復旧資材や生活備蓄品も配備したとのことだ。

災害 東日本大震災を受けて、災害対策マニュアルを全面的に見直した

 さらに、防衛省や海上保安庁と「災害協定」を締結し、災害発生時に相互に協力する体制を構築した。地方自治体との協力体制も築いている。連携をスムーズに行えるように、各種訓練にも積極的に参加しているという。

防衛省 災害発生時の相互協力を目的に、防衛省(自衛隊の各方面隊)や海上保安庁との災害協定を締結した
避難訓練 自治体などが主催する防災訓練にも参加している

 ユーザーへのサポートも強化している。災害発生時には避難所などで無料の充電サービスや公衆Wi-Fi(無線LAN)サービスを提供するようになった。災害時のエリア復旧状況を地図上で確認できる仕組みも用意した。

避難所でのサービス 災害時の避難所では充電サービスや公衆Wi-Fiサービスを無料で提供する
復旧マップ 災害復旧状況を地図上で確認できるサービスも開始した

災害対策に終わりはない

 東日本大震災を受けて整備を進めた各種対策は、先述の通り熊本地震、平成30年7月豪雨(西日本豪雨)や北海道胆振東部地震において役立ったという。直近であれば、2019年の「令和元年台風15号(房総半島台風)」「令和元年台風19号(東日本台風)」の際も先の災害の知見を踏まえた対応ができたという。

 2011年当時と比べると、ソフトバンクを含む各キャリアの災害対策は非常に洗練された。エリア復旧も、以前とは比べものにならないほどに迅速化している。

 しかし、地震や津波、台風といった自然災害の多い日本において、災害対策に終わりはない。今後も、より安心して使える携帯電話を目指した努力は続いていく。

台風15号 令和元年台風15号の際の復旧作業の様子
台風15号 令和元年台風15号の際の復旧作業の様子
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  5. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  6. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  7. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年