IIJmio「ギガプラン」の狙いを聞く 通信品質はどうなる? eSIMの音声サービスは?MVNOに聞く(3/4 ページ)

» 2021年03月19日 13時43分 公開
[石野純也ITmedia]

接続料を全て透明化するのは難しい?

―― もともと、かかったコストをトラフィックで割るという前提で出していた接続料ですが、こんなにあっさり変わってしまうと、算定式とは何だったのかと思ってしまいます。

佐々木氏 確かに接続会計は公開されていて、昔に比べるとデータもそろっていますが、それをつなげる計算式が外部には分かりません。どうつなげるとああいった数字になるのかという計算式は、どこにもないんですね。それが分からないと、こちらで検算しようがありません。ただしわれわれも、各項目を見ながら、何となくどこが大きく効いてくるのかは分かるようになりました。徒手空拳ではなく、何となくではありますが、根拠持って言えるようにはなっています。

―― その辺の数字をもっと公開してほしいという要望はないのでしょうか。

佐々木氏 二種(第二種通信事業者)には言いづらいところがあります。一種(第一種通信事業者)は独占企業なので、全てをガラス張りにしなければなりませんが、二種は独占ではなく、ドコモ、KDDI、ソフトバンクはどんぐりの背比べのようなところにまで近づいています。会計を全て透明化しろとなると、競争が成り立たなくなってしまうおそれがあり、そこに抵抗感があるのは分かります。

 とはいえ、全てをカーテンの裏に隠して、数字を自由にこねくり回していいわけではありません。MVNO委員会でも、カメラをこっそり忍ばせるように有識者が見て、怪しいことをしていないのかをサーティファイする仕組みを入れたらいいのでは、というようなことは言ってきています。今は、有識者の先生にも見られる制度にはなっていないので、任意のお願いで「いやだ」となってしまうと全てが分からなくなってしまいます。

 イコールフッティングで、可能な限りMNOと同じコストで設備を使えるようにしてほしいということはお願いしているところです。内部の基準にメスを入れるのも、選択肢の1つには入ってきます。

【訂正:2021年3月20日9時24分 一部誤字があり、「可能な限りMNOと同じコストで設備を使えるようにしてほしい」と訂正致しました。】

eSIMの音声サービスはマーケットが広がってから

―― eSIMに関しては、音声プランがありませんが、MNOが卸で提供すればやりたいというお話をしていました。IIJはフルMVNOに先行投資をしている中、あえて卸を利用したいというのはなぜでしょうか。自身でやられるという選択肢はないのでしょうか。

矢吹氏 eSIMに関しては、あまりにもマーケットが小さいのが最大の問題です。一生懸命やっていますが、IIJも今、やっと4万契約ぐらいです。iPhoneは使えますが、対応デバイスもまだまだ少ない。メリットが増えるには、本質的に、事業者が増えた方がいいと考えています。マーケットを広げる中で、いろいろな事業者が参入して、スイッチングできるシーンが増えなければ、プラスチックのSIMカードより若干安いもので終わってしまいます。まずは、そこが出来上がっていく必要があります。

 IIJ自身がフルMVNOで音声をやるかというと、今のところネガティブです。マーケットが小さすぎるからで、投資回収の意味で見合いません。爆発的にマーケットが広がれば、投資に見合う回収ができ、可能性も出てきますが、その前に5G SAをどうするのかという話があります。そうすると、いつやるのかという話になってしまいます。

佐々木氏 今までは緊急通報などがあり、音声通話は回線交換というレガシーに相当守られてきているところがあります。ただ、2025年に回線交換が撤廃され、オールIP化していくと、直後はビジネスモデルが大きく変わることはありませんが、(回線交換を)守る理由もなくなってきます。また、設備として伝送網をIPにすると、さまざまなものとの融合ができます。例えば、110番もアプリで警察に場所が通知されて、助けを求めるようなことができるかもしれない。

 そういう世の中が来たときに、レガシーに固執する必要はないと思います。IPの世界で全部ができているときに、音声設備を持つ意味がどこまであるのか。音声通話自体がLINEやFaceTimeのようなものになっていくのかもしれません。2025年を境にインフラが変わっていくので、今の段階で音声のフルMVNOを自前でやるのはかなり難しいと思います。

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