フラグシップモデルのFind X3 Proも、販路を拡大した。先代の「Find X2 Pro」はau限定モデルだったが、Find X3 Proはauだけでなく、SIMロックフリー版も用意されている。Reno5 Aほどではないが、IIJmioやOCN モバイル ONE(goo Simseller)といった大手MVNOが取り扱っている他、家電量販店やオンラインショップでも販売される。キャリアモデルの売れ筋の変化が、その背景だ。
au限定で発売したFind X2 Proだが、初回ロットが瞬く間に完売。追加での採用がなかったためか、「auの中で、Find X2 Proは『幻のモデル』と言われているぐらい、ショップに置かれている時間が短かった」(河野氏)。こうした状況に対し、「ユーザーから、どこで買えるのかという問い合わせがかなり多かった」(同)という。SIMロックフリー版の販売を希望する声も、OPPOに寄せられた。完売したという意味では、販売不振だったわけではないが、キャリアが価格の高いハイエンドモデルの取り扱いに慎重になっていることがうかがえる。
徹底的に日本市場に合わせてローカライズしたReno5 Aに対し、フラグシップモデルのFind X3 Proは、どちらか言うとグローバル版ほぼそのままの仕様に近い。同モデルは、10億色を表現できるディスプレイと、10億色で撮れるカメラをひとまとめにしたのが特徴。広角と超広角のカメラは、どちらもソニー製の「IMX766」を採用し、“デュアルフラグシップカメラ”をうたう。これとは別に、顕微鏡カメラを搭載したのも、Find X3 Proの目新しい点だ。
一方で、au版も含めておサイフケータイには非対応。IP68の防水・防塵仕様は備えているが、これもグローバル版と同じだ。河野氏によると、「Findシリーズは、グローバル基準の端末を、最先端のお客さまにいち早く届けるポジションの端末」。時間をかけてじっくりローカライズするのではなく、先進的な機能を売りにしたグローバル共通の端末を、タイムリーに投入することに主眼を置いた格好だ。
河野氏が「Findシリーズ」と述べていたように、カメラが飛び出すギミックを備えた初代「Find X」や、先代のFind X2 Proも、仕様はグローバル版に近い。こうしたコンセプトで投入しているシリーズのため、おサイフケータイなどに対応するには、「開発期間が足りない」(プロダクト部 部長の李毅氏)という。電気通信事業法改正以降、フラグシップモデルの販売台数が伸び悩んでいる中、小ロットの端末にコストをかけると、価格もさらに上がってしまい、さらに売れづらくなってしまう。こうした点も、OPPOにとってのジレンマといえそうだ。
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