世界を変える5G

5Gの課題とは? そして6Gに向けた展望は? ドコモが技術面での取り組みを解説ワイヤレスジャパン 2021(2/2 ページ)

» 2021年06月11日 06時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
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5G evolution & 6Gの技術課題

 Beyond 5Gや6Gに関する課題も見えてきている。5Gにおける課題と重複しているところもあるが、カバレッジの拡張、さまざまな産業向けの低遅延、高信頼通信は短期的な課題と認識している。また、長期的な課題として、より高い周波数を使った非常に大容量な通信といったテーマもある。

ドコモ Beyond 5G/6Gの技術課題

 谷氏はカバレッジ拡張の取り組み例を3つ紹介。1つ目は「つまむアンテナ」だ。高周波数帯の電波を伝搬するケーブルである「誘電体導波路」をつまむことで電波が漏れ、それによってエリア化しようという取り組みだ。

ドコモ 「誘電体導波路」をつまむことで電波が漏れ、それによってエリア化する「つまむアンテナ」

 2つ目は、AGCと一緒に取り組んでいるメタサーフェス技術による窓ガラスの電波レンズ化。ミリ波の電波がガラスを通ることで特定の場所に集まり、その焦点位置にリピーターなどを置くことで屋内にミリ波のエリアを展開する。

ドコモ ミリ波が窓ガラスを通ることで、屋内をエリア化する

 3つ目がHAPS。低軌道衛星よりも低い上空を飛ぶ疑似衛星で、AIRBUSに航空機を提供してもらって性能を評価している。

ドコモ 無人航空機を高度約20kmに飛ばして、地上に半径50km以上のカバレッジエリアを作ることができるという

 産業界からは工場内のカバレッジについてさまざまな要請があり、実証実験を行っている。「工場の中はいろんな構造物があり、遮蔽の影響を見ている。実際に工場で5Gを利用してもらうようにするには解決すべき課題がある」と谷氏は言う。工場の機材の情報を同期して連携する「TSN(Time-Sensitive Networking) over 5G」にも取り組んでいる。

「6GはIOWN構想で重要な役割を担う」

 世界では、既にBeyond 5G/6Gの検討が進んでいる。日本でも2020年12月に、総務省を中心として「Beyond 5G推進コンソーシアム」が設立されている。谷氏は「6Gは5Gのときの進捗(しんちょく)より数年早まっている。グローバルな競争でしっかりと勝ち抜いていくために、スピード感を持った取り組みをしていく」と語った。

ドコモ 6Gのスケジュール予想。5Gのときよりも標準化や開発が早く進むと谷氏

 5Gよりもさらに「超」の世界となる6Gの研究開発を進めている一方で、NTTグループでは光ベースの技術を活用したIOWN構想を提言している。「IOWN構想を具現化するために、6Gは極めて重要な役割を担っている」(谷氏)とし、より高度なデジタル化による持続可能な社会の実現に貢献したいと語った。

ドコモ 6Gの技術要件
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